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水と桃の共依存物語

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水と桃の共依存物語

1 - 歪んだ愛は永遠に

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2025年11月28日

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【同じ地下室。もう何年経ったかわからない】

水 「桃ちゃん、今日は記念日だよ」

桃「記念日?」

水 「うん。僕たちが外の世界を完全に忘れた日、ちょうど丸五年」

桃「へぇ…….五年か」

鎖で繋がれたまま、ゆっくりと水の膝の上に頭を乗せる

桃 「でも俺、もう時間の感覚ないや」

水「僕も」

桃の髪を梳きながら、静かに微笑む

水 「ねえ桃ちゃん。覚えてる?昔、僕たち約束したよね」

桃「…..ああ。『先に死にそうになったら、殺して』って」

水「そう…実はね、桃ちゃん」

水はそっと、自分の首に巻かれた鎖を外し始めた。

カチャ、カチャ、と音がして五年ぶりに金属が離れる。

桃「……水?」

水「僕、もう長くないんだ。心臓が最近すごく変で….」

自分の胸に手を当てた水が小刻みに震えている

水「だから、約束、守ってくれる?」

桃は黙って立ち上がり、壁に掛けてあった小さなナイフを取った。

刃は錆びて、血の跡が何層にも重なっている。

桃「…..本当にいいの?」

水 「うん。桃ちゃんの手で死にたい」

桃はナイフを握りしめ、ゆっくりと水の前に跪いた。

そして、震える水の頬に自分の額をそっとくっつける。

桃 「最後に、キスしていい?」

水 「もちろん」

二人は目を閉じて、静かに唇を重ねた。

五年分の血と涙と唾液の味がした。

桃はナイフを水の喉に当て、優しく、優しく、押し込んだ。

水「…..ありがとう、桃ちゃん」

最後に漏れた声は、幸せそうに震えていた。

水の体がゆっくりと倒れる。

桃はそれを抱きしめたまま、ナイフを自分の首に当てた

桃「待ってて。今行くから、水」

刃が肉を裂く音。

血が二人の体を包み、床に大きな赤い花を咲かせた。


翌朝、

地下室の鍵は内側から開いていた。

二人は手をつないだまま、静かに横たわっていた。

頬を寄せ合い、まるで眠っているように微笑んでいる。

誰かが扉を開けたとき、 甘ったるい匂いと、かすかな笑い声のようなものがふわりと漂った。

桃「やっと、一緒に死ねたね」

水「うん。ずっと、ずっと一緒だよ」

二人は最後に 完壁なハッピーエンドを手に入れた。

歪んだ愛は、歪んだまま、永遠になった。

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