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#### 第11話「静かに、確実に」
翌日。
「いちか」
名前を呼ばれて振り向く。
📕「少し時間はあるか」
クロロ📕。
相変わらず静かな圧。
「え、うん…あるけど」
📕「なら来い」
それだけ言って、歩き出す。
(え、待って)
「ちょ、どこ行くの!?」
📕「すぐ分かる」
振り返らずに言う。
着いたのは——
図書室。
「ここ…?」
📕「静かだからな」
当たり前みたいに言う。
席に座る。
向かいにクロロ。
沈黙。
(え、なにこの空気…)
「……あの」
📕「いちか」
同時に声が出る。
「どうぞ…」
📕「いや、お前からでいい」
(いや無理!!)
「えっと…なんで呼んだの?」
やっと聞く。
すると。
📕「確認だ」
「確認?」
📕「シャルナークのことだ」
(……え)
心臓がドクンと鳴る。
📕「あいつに告白されたな」
「……うん」
📕「どうするつもりだ」
真っ直ぐな視線。
逃げられない。
「……まだ決めてない」
正直に言う。
📕「そうか」
一言。
でも——
少しだけ、空気が変わる。
📕「なら」
ゆっくり立ち上がる。
(え)
そのまま、こちら側に回ってくる。
近い。
「ちょ、クロロ…?」
📕「時間はあると言ったな」
低い声。
📕「少し付き合え」
気づけば——
手を引かれていた。
「え、え!?」
📕「騒ぐな」
そのまま歩き出す。
(なにこれデジャブ!?)
校舎裏。
人がほとんどいない場所。
📕「ここなら邪魔は入らない」
(いや怖いんだけど)
「で、何するの…?」
少し距離を取ろうとする。
でも。
📕「逃げるな」
腕を軽く掴まれる。
(……無理)
📕「いちか」
名前を呼ばれる。
📕「一つ言っておく」
その目、真剣。
📕「俺は、あいつのように分かりやすくはない」
(……)
📕「だが」
少しだけ距離が縮まる。
📕「興味はある」
ドキッ。
📕「お前は、他の人間と違う」
「……そんなことない」
📕「ある」
即答。
📕「だから、目が離せない」
(なにそれ…)
📕「シャルナークが動くのも当然だ」
少しだけ目を細める。
📕「だが」
一歩、さらに近づく。
📕「それで諦める理由にはならない」
(……え)
📕「いちか」
逃げ場、ない。
📕「選ぶのはお前だ」
低くて落ち着いた声。
📕「だが——」
一瞬、間があく。
📕「選ばせるつもりはない」
(は??)
一瞬で距離が詰まる。
顔、近い。
📕「気づいた時には」
小さく囁かれる。
📕「俺を選んでいる状態にする」
(この人やばい)
ガチャ
「やっぱりここか」
(終わった)
📱「クロロ、何してるの」
シャルナーク📱。
タイミング良すぎ。
📱「いちか、こっち来て」
手を引かれる。
でも。
📕「待て」
反対の腕を掴まれる。
(え、ちょっと!?)
📱「離して」
📕「断る」
即答。
(やめて!?)
📱「なに、横取りする気?」
📕「最初からそのつもりだ」
バチバチ。
空気やばい。
「ちょっと2人とも!!」
必死に止める。
「ここ学校だから!!」
一瞬の沈黙。
📱「……いちかが言うなら」
少しだけ力が緩む。
📕「……今回は引く」
クロロも手を離す。
📱「いちか」
シャルが近づく。
📱「あいつに何言われた?」
「え、えっと…」
言えないやつ。
📕「別に大したことは言っていない」
クロロが淡々と言う。
📕「ただ、宣言しただけだ」
(やめて!?)
📱「へぇ…」
シャルが笑う。
📱「面白いじゃん」
でも目は笑ってない。
(なんでこうなるの…)
でも。
少しだけ。
(……ドキドキしてる)
いちかの恋は——
静かに、確実に、奪われ始めている。