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貿易論は確かあの4人が揃う。

でも、人が沢山いるところでは流石に変なことを言わないと思うし、講義が終わったらダッシュで出よう。


と、思っていたのに。


「君って前からこの講義取ってた?こんな可愛い子見落とすはずは無いんだけど」


そう言いながら私の隣に座ったのは佐藤隆だ。


答える義務も無いし、話もしたく無いので無視をして教科書を読んでいると顔を覗き込んできた。


井口乃乃はどうしたんだろう?

こんなところ見られたら面倒なことになるかもしれない。


「私はずっとこの講義を取ってました」


「そう?おかしいな、じゃあさ、この後カフェで少し話そうよ」


なんか気持ち悪い人。

関わりたくない。

竜基さんにかけてもらった嫌なことは嫌と言える魔法がある。


「私は話をしたく無いし、井口乃乃さんと取り巻きはどうしたんです?」


「え?ちょっと険のある言い方だな。単に仲良くしようと思ってるだけだろ」


面倒臭い。


荷物をまとめていると入り口に井口乃乃と上野慎一が入ってきたタイミングで1番前の席に移動した。


「ちょ、待って」


佐藤隆が呼び止める声に被せるように井口乃乃が「た〜か〜し〜何んで、先に行ってんの」と教室に響き渡るほどの声量で佐藤隆の座る席に歩いて行った。

もう一人の取り巻きである中田次郎は佐藤隆から離れた席に座っている。あの日、微妙な感じになっていたからそのまま仲直りをしてないのかも。

佐藤隆も彼女がきたからもう話を掛けてくるとは思わないけど、万が一のこともあるので講義が終わると直ぐに教室を出ようとしたが、ドアの所で捕まりいわゆる壁ドンをされた。


キモっ!


てか、邪魔!!

壁ドンが有効なのは基本的てか根本的にはドンする相手による、嫌いな男にされることほど生理的に受け付けないものはない。


「ねぇ、冷たくない?」


大丈夫、私には嫌なものは嫌と言える魔法がかかっている。


「佐藤さんと話をする必要もましてや優しくする必要がありません」


「え?俺のことは知ってるんだ」


そう言うとニヤついてきた。


何か勘違いしてるんだろうか?

この人がモテる意味がわからない。この数日、本物のイケメンである竜基さんを間近で見ているため目の前にいるこの男の醜悪な性格がそのまま顔に現れているためバイト先の居酒屋のゴミ箱の中身にしか見えない。それもゲ◯用!


「ちょっと隆、さすがに彼女の目の前でナンパとか気分悪いんだけど」


「うるせえな、わかったよ。今度、コイツがいない時に話をしようぜ」


と言うと佐藤隆は乃乃の肩を抱いて歩いていく、乃乃は振り返って「おっぱいでかいからってヒトの男にちょっかい出すなっていうの」と睨んでから佐藤隆に何かを訴えながら歩いて行った。


もしかすると、乃乃の取り巻きじゃなくて、乃乃が佐藤隆を独占したがっていたんだろうか?

て、言うか佐藤隆マジで軽っキモっ。


視線を感じて振り向くと上野慎一が私と乃乃を交互に見ていた。

その視線を無視して私は次の教室に向かった。

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