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テラーノベル(Teller Novel)
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二限はたしか上野慎一と一緒だ。


佐藤隆がジミクラが私だと気がつかなかったから上野慎一も私だと気がつかないとは思うけど、接触しないに越したことはない。


マクロ経済学の教室で席についていると上野慎一が近づいてきた。


「隣、いいかな?」


「席はたくさんあります。他に座ってください」


「ごめん。えっと、さっき隆と話していたけど大丈夫?」


「大丈夫とは?」


「あいつ、女癖悪いから気をつけたほうがいいよ」


自分のことを棚に上げて、あの時あの教室に行かなければこの男に初めてを・・・ゲフゲフ・・・思い出したら頭にくる。


「同じ穴のムジナって言葉を知ってます?」


「え?」


「友人の彼女とデートする為に関係のない人を騙すような人間と女癖の悪い人、あんまり変わらない気がするけど」


「なんでそれを?もしかして松下さんの知り合い?」


ちょうど教授が教壇の前に来たため慎一は後ろの席に座った。


何であんなのに告白されて喜んじゃったんだろう。


でも、傷つけられた分、今私は変わる決心をすることが出来たし、竜基さんと親しくなることが出来た。それに関してはちょっと感謝だわ。


3限は取ってないから長めのお昼になる為、大学で知り合った唯一の親友である久我京子と落ち合うため駅前のファミレスに向かう。



月曜日は京子とは4限の金融論しか一緒にならない為、お互い3限がないのでいつもファミレスで待ち合わせてランチをしている。

上野慎一に騙されたことを伝えてから、怒涛の二日を過ごしたため、今の現状をきちんと説明ができていないし、ラインではうまく伝えきれない為、ランチのときに説明することを伝えていた。


ウォーキングの先生に言われたことを意識しながら歩いていると後ろから上野慎一がついてきた。


「あの、松下さんに連絡とれるかな?」


「何の用?」


「いや、その謝りたいことがあって」


て、いうかどこまでついてくるんだろう。


ファミレスまで付いて来たら、乃乃メン達のゲス行動にめちゃくちゃ怒っていた京子にガツンと言われるだろうからこの辺で戻ればいいのに。


「謝ってもらっても迷惑だと思わないですか?彼氏持ちの井口さんの為に嘘の告白して一回ヤッたらオッケーなんてエグいゲームしておいて謝って許してもらうおうとか厚顔無恥って言葉を知りません?」


「え!どうして」


ファミレスに到着すると窓際の席にいる京子の所に向かう。


「許すつもりはないので謝る必要はないですよ」


「亜由美、写真では見たけどやっぱりあんたって美人だったじゃん」


京子の言葉を聞いてやっと今迄話をしていた相手に気がついて慎一はあんぐりと口を開けた。

1monthCinderella〜契約彼氏は魔法使い〜

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