コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「あっ八左ヱ門!」
森から出て学園の門を叩こうとすると、街の方から雷蔵達四人が歩いてきた。
「お〜。お前ら。随分と遅い帰りだな。もう夕飯の時間は過ぎてるぞ。」
「そういうお前もだろう?」
三郎がニヤリと笑って八左ヱ門を見る。
「俺はいらねぇっておばちゃんに鷹で伝えたからな。もう寝るだけだ。」
「そうなんだ。僕達団子屋のあとにおうどん食べたからあとはお風呂に入って寝るだけなんだ~。」
「へー。うどんかー。俺も食いたかったな~。」
「今度は八も誘うね。」
雷蔵が八左ヱ門が叩こうとしていた門を叩いた。
「はぁ~い。」
門の向こう側から小松田さんののんきな声が聞こえ、ガチャンッと門の鍵を開けた音がする。
「そういえば八左ヱ門。お前、俺達をまいたあとどこに行ったんだ?」
三郎が思い出したように八左ヱ門を見た。
「ん〜。内緒。」
「えー何で?まいたんだからそんなに俺等に見られたくなかったんでしょ?気になるのに!」
勘右衛門が残念そうに八左ヱ門の右肩に顔をのせて左肩に手をのせた。
「忍たまのお前達には関係ないことだし別にいいだろ〜?ただ一人でブラブラしたかっただけだって。」
八左ヱ門は肩にのせられた手をさり気なくふりはらいながら笑った。
「チェッ。八左ヱ門のけち。」
「ハハッ。いつも団子をわけてくれないお前には言われたくないぞ。勘右衛門。」
「‥‥‥。」
「あ〜そうだ。」
徐々に開いていく門を見ながら、八左ヱ門は笑みをうかべた。
「お前ら、気配の消し方が雑すぎ。そんなんじゃ敵にすぐにバレて殺されちまうぞ。」
そう言って門をくぐった八左ヱ門は
「今日は誘ってくれてありがとな!」
と言って去っていった。
鋭い瞳で言われた四人は暫くその場所から動けなかった。