次の日、5年生四人は校庭にいた。
「ったく、何でい組と合同で授業なんだ。」
「そんなこと言うなよ三郎〜。久々の合同授業なんだから。」
「勘右衛門のいうとおりだぞ三郎。」
急な背後からの声に振り返ると、八左ヱ門が立っていた。
「八左ヱ門!」
「よう雷蔵。」
「どうしてここに?」
「あれ?聞いてないのか?今日の授業は俺が担当するんだ。」
「え?」
「こっちに来てから全然手伝いとかしてなかったから、木下先生に今日の授業担当しろって言われてな。」
そういった八左ヱ門は、まいったな~と言いながら頭をかいた。
「実技の授業と言われたんだけど、お前ら基礎がきちんとしてるから教えることなんてそんなにないんだけどな~。」
「何も内容を考えてなかったのか。」
「いやぁ~俺も今朝言われたもんだから。どうしたもんか、あ。組手にしよう。」
「組手?」
「そう。お前らは基礎はできてるんだ。基礎ができてるんなら四人全員に同じようなアドバイスはできない。一人一人得意なことが違うように、戦い方も一人一人違うからだ。俺はお前らがどんな戦い方なのか知らないから、組手をしてアドバイスしてったほうがいいと思ってな。ん?どうしたんだ?」
「いや、八左ヱ門がなんか凄い頭のいいこと言うからびっくりして。」
「おい勘右衛門。俺のことなんだと思ってんだよw。こう見えても一流の忍者なんだからな。」
「えぇ〜。ほんとに?」
「あぁ。実力ならこれから見せてやるよ。さぁ、やるか。最初は誰からくる?」
左手を腰に当てて鋭い目つきでニヤリと笑う八左ヱ門は、異様な空気を纏っていた。
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