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52 ◇キャパが振り切れて
心情的に少し落ち着けたことで――――
動けること、やれることはやり切ったのだという思いであの日からの矢継ぎ早の
緊張感から少し解放され、ぼうっと過ごしていたら……。
達也から夜連絡が入る。
『もしもし……』
『あっ、もしもし』
『あれからどうなったか心配で連絡してる』
『心配かけてごめんね。
昨日改めて担当してくれてる婦警さんと話をして、ちょっと気持ち落ち着いて
きたかな』
『明日は休みだから、そっちへ行こうかと思ってるけど、どう?』
『達也が都合つくなら、そうしてもらえるとうれしい。
話してたら、気晴らしになると思うし……。
ひとりだと、どうしてもね』
『OK.じゃあ明日行くよ。
家出る前に連絡入れるわ』
『うん。待ってるね。ありがと』
達也から電話をもらって、はじめて達也を巻き込んでいたことを
思い出した。
それくらい、緊張の糸が張り詰めていたのだと改めて実感した。
レイプされた事実に絶望……
自分の意識のなかった時の痴態に絶望……
長谷川からの脅しに絶望……
そのような諸々のことに対応できる脳内のキャパが振り切れていたのだろう。
達也のことが自分の意識からすっぽりと抜け落ちていた現実に、そう思い至った。
達也が自分の失態に呆れ、離れていってもおかしくない状況なのに、こうやって
連絡をくれたことは救いのなにものでもなかった。
だからといって、人に話せないようなことを恋人に知られてしまった現実は
どうしたって消えてはなくなりはしない――――のだから、
これまでのような安穏とした気持ちではいられないのも確かだ。
学生時代から付き合い始めて、結婚適齢期になり、これからと言う時に自分は
ほんとに何ということを仕出かしてしまったのか。
そんな風な思いに囚われるけれど、敢えて私はそこを考えないように
しようと決めた。
悪いことは、取り敢えず『考えない……考えない』と念じる。
もう何も考えることをせず、今はとにかく自分の心を守ることを第一に
考えることにした。
AZ

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コメント
1件
もう、、このエピソード胸にグッときすぎてやばい😭💦 主人公の「キャパ振り切れてた」って自己分析、すごくリアルで切なかったよ…。達也くんが離れてもおかしくないのに連絡くれたの、本当に救いだよね。でもその一方で「これまでのような安穏とした気持ちではいられない」って葛藤も描かれてて、複雑すぎる…。最後の「考えない」って決意も、必死で自分を守ってる感じがして涙出る😢 次が気になるよ〜!ゆめかも達也くんのこと応援したい…!🌸