午前0時、再び同じ7月5日が始まった。
6人は疲労困憊しながらも、地下書庫で見つけた手がかりを頼りに動いていた。
「ここに書いてあるのは、昔この学校で起きた事故の記録だ」天音が声を潜めて言う。
「赤い人は、その事故で亡くなった少女の霊だって」
舞が日記を読み進める。
「彼女の名前は“紅音(くれない おと)”。事故で校舎の屋上から落ちたらしい」
「でも、遺体は見つからなかった」秋冬が続ける。
「それがこのループの原因かもしれない」
その時、どこからともなく、かすかな泣き声が聞こえた。
「…助けて…」
6人は声のする方へ向かい、古びたロッカーの中から、赤い布切れが舞い落ちた。
それは紅音の制服の一部のようだった。
「これが最後の断片かも」敦司が言った。
だが、背後に冷たい視線を感じて振り返ると、赤い人が立っていた。
今回は静かに手を差し伸べ、まるで救いを求めているかのようだった。
天音は一歩踏み出し、声を震わせながら言った。
「紅音さん、私たちはあなたを解放したい。協力してくれますか?」
赤い人はうなずき、ゆっくりと消えていった。
その瞬間、校舎の空気が変わり、6人の間に温かい光が差し込んだ。
「これで…明日が迎えられるかもしれない」舞が小さく笑った。
だが、午前0時の鐘はまだ鳴っていなかった。
6人は互いの手を握り合い、最後の戦いに挑む覚悟を決めた。
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