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5月は空の青と木々のコントラストが一番綺麗に見える時期だと思う。
ぼくは鳥居の横の桜を見上げながら思う。
すっかり花は散り、葉が出揃っている。
「すっかり初夏になったねぇ」
後ろから女神様が言った。
「空も新緑もすごくきれい」
そして思いっきり背伸びをしていた。
そこに美子も来た。
「今日は暖かくて気持ちいいね」
そう言うと女神様の真似をして背伸びをする。
せっかくだからぼくも背伸びをした。
季節を全身で感じられて、すごく気持ちがいい。
女神様が言った。
「ちょっとお茶会でもしようか」
今日は桜の下ではなく、神社の裏の大きめの木の下にテーブルを準備した。
「秘密のお茶会だね」
美子が嬉しそうに言う。
ぼくはお菓子を準備し、女神様がお茶をカップにそそぐ。
今日は紅茶だった。
「たまには紅茶もいいよね」
紅茶の柔らかい香りがあたりに広がる。
ぼくたちは静かにお茶を飲む。今日は誰も来なかった。
静かにみんなで過ごす。
時々、少し話す。
「風が気持ちいいね」
「うん、そうだね」
静かな初夏の午後。
家族3人で堪能するのだった。