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総司side
今、僕が手に持っている折り鶴と栞は、あの二人と最後に会った時の僕にとっての忘れられない宝物だった。折り鶴を作ったのは悟君からであり、栞を作ったのは風香ちゃんからだ。因みに、風香ちゃんから栞を貰った際、「お母さんが栞を作ってくれたことがあったから自分で作ってみたの!」と言っていた。
他にも、風香ちゃんは恋愛の話は好きだったようであり、僕と悟君に好きな人の性格なども聞いてきたこともあった。僕は、「今は気になってる人は居ないよ。」とはっきり言った後、悟君はこんなことを言っていた。
五条(幼少期)「俺は呪術師の御三家で生まれたから、異性の話なんて関係ねぇよ。それに、屋敷内には召使いの女中が多かったし、一部の女中は俺の顔を見たら倒れるくらいだし、そんな話は興味ねぇよ。( `-´ )」
その時、僕は悟君の話を聞いて驚いて声を出してしまった。何故って、今の悟君の会話で驚く言葉が複数あったからだ。先ず一つ目は、悟君は呪術師の御三家の生まれであることだった。呪術師という言葉を初めて知った僕は、どんな仕事をしているのだろうと時々考えることもあった。後の二つの家は何なのと僕が質問したのだけど、悟君は答えてはくれなかった。二つ目は、屋敷に住んでいてその中に召使いの女中が多いというだった。女中ってそもそもお店とかで働いていることが多いんだけど、お屋敷で働いているってそんなのあるの?それに、女中の方がどのくらいいるのかを悟君に聞いたけど、悟君は難しそうな顔をしていた。
五条(幼少期)「分かんねぇ、数えたことすらねぇから大体二、三十人くらいだと思う。」
と適当に答えた。ちょっと待って、悟君のお屋敷ってどのくらいの広さなのと幼い僕はそう思った。それに、大体二、三十人くらいって相当な人数だと思うんだけど。最後の三つ目は、一部の女中の方は悟君の顔を見たら倒れるくらいというところだ。当時の悟君は、大きくなった今も変わらずの美形だったのを今でも良く覚えている。それに、悟君の瞳《め》の色は誰が見ても美しいくらいの綺麗な空色であり、綺麗な程の白い髪をしていた。特に、僕が記憶の中で一番に覚えているのは、悟君と僕と一緒に話していた風香ちゃんが迚悟君に惚れていたことだった。時々、風香ちゃんの顔を見た悟君は、不機嫌そうな顔をして風香ちゃんに話していた。
五条(幼少期)「そんなに顔を赤くして何見てんだよ。💢」
風香(幼少期)「う、ううん、何でも無い。💦」
五条(幼少期)「ったく、気持ち悪ぃなお前は本当に。💢」
風香(幼少期)「……。💦」
悟君が女の子である風香ちゃんに気持ち悪いと言うと、風香ちゃんは何時も落ち込んでいたのも覚えている。そして、風香ちゃんの気分は徐々に沈んでいき、遂には笑顔すら無くしてしまっていた。当時の僕は、「悟君、女の子に対してそんなこと言っちゃっ駄目だよ。💦」と僕が注意をすると、悟君は何時も「知らねぇよ。💢」と生意気そうな返事をしていた。大きくなって、再開した時の今の悟君とは全く違っているところもそれ以上にあったのだけど、もう話を掘り下げるのはそれぐらいにしておこうと感じた。
僕は二人から貰った折り鶴と栞を机の引き出しに仕舞い、僕はその場に寝転がりそのまま天井を見上げた時だった。
???「にゃ〜」
総司「ん?この声って…。」
僕が身体を起こして声のした方を向けると、そこには一匹の三毛猫がいた。しかも、その三毛猫はちょうど僕の部屋の前に座っていて、誰かの羽織を踏んづけていた。余程その羽織が気に入っているのかその場で体をゴロゴロとした後、誰かの羽織を座布団のようにして寝始めた。気になった僕は、その三毛猫に近付いてその場にしゃがんで誰かの羽織を見た後に呟いた。
総司「三毛猫?それにこの羽織は誰のだろう?」
僕がそう呟くと、ふと誰かの気配を感じた。この気配、隠れていなくても誰だか分かるのにな。僕は、近くにある柱の陰に隠れているあの二人に声を掛けた。