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総司に呼び止められた後、僕達は彼等に与えられた自室で大人しくしていた。大人しくしていると言っても、正直なところ何もすることが無かったし、時間が刻一刻と過ぎていくだけで迚暇だった。普段の僕の生活は、任務続きで甘い物とか殆ど食べることが出来ないけど、この時代に来てこんな風にダラダラするのも良いかもしれないと感じた。でも、僕にとって一番大事な物がある。それは甘い物だ。僕はこの時代に飛ばされてから甘い物を一口も食べておらず、なんせ普段の任務続きで糖分不足だったからだ。土方副長に「甘い物って無いの?」って言って聞いたとしても、部屋から出たら駄目って言われてるから嫌だな。僕達にとって、自由な行動が出来ないのが少し窮屈だった。
僕達が勝手な行動をすれば、彼等は間違いなく僕達を殺すだろう。特に、僕の可愛い生徒に手出しをしてしまったという目にあったと考えると、僕はこの手で生徒を護れる自信はある。それに彼等は人を簡単に殺すことも出来る。無下限呪術を使える僕には手出しは出来ないが、もし僕が無下限を外す、もしくはこの先使えなくなってしまうと考えると、それだけでも僕は生徒を護ることが出来なくなる。
僕はそう考えた後、次に彼等との会話を思い返してみた。彼等との会話では、呪術師のことを知らない口振りをしていたのと、他にも彼等の時代には、僕達があの夜見た恐ろしい化け物のことは一言も話さなかったことが鍵だった。彼等の時代には呪術師というのが存在していないから?それとも、呪術師というワード自体が初めてだから?僕は試行錯誤をした結果、考えられることとしては前者の方が正しいと僕は理解出来た。
僕は彼等の深掘りと考察をした後、ふと眠気に襲われた。昨夜に、怖い夢を見て飛び起きた風香を慰めた後、御手洗に行って眠れなかったせいかな?
←(若干人のせいにするのは辞めて下さい!💢 By 作者)
僕は一回だけ大きな欠伸をした後に、少しだけ仮眠をすることにした。
仮眠をしていた僕はこの時、幼い頃の夢を見ていた。夢の内容は朧げだけど、見知らぬ男の子と女の子と一緒に鬼ごっこやかくれんぼ、折り紙、お手玉などといった、どれも小さい子供がするような遊びをする夢だった。実際、夢の中に出てきた僕は幼く、歳は十歳くらいだった。一緒に遊んでいる男の子は、僕と一つ歳下の九歳くらいで女の子の方は七歳くらいに見えた。そして男の子は、僕と女の子に向かってこう言った。
男の子「悟君、●●ちゃん、僕達はずっと友達だよ!!」
男の子のその発言を聞いた時、僕は疑問に思った。あれ?僕って、傑よりも前に友達って居たっけ?僕はたった一人の親友である傑《あいつ》のことを直ぐに思い出したのだが、この二人と友達になった記憶は、脳のどこを探してもその記憶は見つからなかった。それに、女の子の名前は何処かで聞いた事のある言葉だったけど、それが全く思い出せなかった。身近な子の名前だったのは確かなのだけど、それを思い出すことが出来なかった。そして、夢の中の僕と女の子は、さっき言葉を発していた男の子に向かって嬉しそうに言った。
五条(幼少期)・女の子「うん!俺達はずっと友達だぜ!・うん!私達はずっと友達だよ!」
と夢の中の僕は女の子と同時に返事をした。僕は実際、二人に何かを言いたかったのだが、自分の口からでは言うことが出来なかった。もしも明晰夢✿が使えたのならば夢の中をコントロールすることは出来たのだけど、何故かこの夢の中ではそれが出来なかった。
僕は明晰夢が使えない中、ひたすら考え込んでいると、近くにあった大きな建物から二人の男性が出てきた。僕は建物から出てきた二人の顔をじっと見た。その二人は、僕が現実でも見た見覚えのある人達だった。僕の隣に座っていた男の子は、建物から出てきた二人の男性の名前を呼んで、そのまま立ち上がって二人の元に駆け寄った。
男の子「近藤さん、土方さん!」
そう、この二人は僕が現実で見た近藤局長と土方副長の若い時の姿だった。近藤さんは今と変わらずの髪の結い方をしているし、土方副長は今と服装は違うが顔立ちは今と変わらない僕と並ぶくらいのイケメンだった。土方副長は何か大きな箱を背中に背負っていた。土方副長は、其れを縁側の傍に置いて、僕達の様子を見に来た。僕は土方副長が背負っていた大きな箱をまじまじと見てみた。その箱には、何やら紙が貼ってあり、そこには文字が書いてあった。箱に貼られていた紙にはこう書かれていた。
『石田散薬』
その文字を見た時、僕は頭の中が「?」でいっぱいだった。石田散薬?聞いたことも無い薬だな。僕はそう思っていたが、僕は現実で風香と恵からこんな話を聞いた。土方副長の実家は薬を作っているって二人が言ってたのを思い出した。石田散薬の効果は良かったらしく、切り傷や打撲、刺し傷、擦り傷等など、怪我などであれば何でも治るっていう薬であったって教えてくれたな。二人がそこ迄知ってるなんて、僕尊敬しちゃうよ。☺️
近藤局長と土方副長が何かを言おうとした時、僕は寒気で目が覚めてそのまま現実へと引きずり戻された。
✿……自分が今夢を見ていると自覚することと自分自身で夢の中をコントロールすることが出来る夢のこと。