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もみじside
7時限目
自称進学校のこの学校は、毎日7限まである。
その7限の授業内容も特殊で、自分の将来に役立つような講義から自分の好きなものを選ぶ形式になっている。
だから、小説家になりたい人は、文学について学んだり、看護師になりたい人は看護科に行ったりなど、それぞれが仕事のために頑張っている。
でも、私は…
夢は持てない運命。
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1年前のこと
病院でとあることを言われた。
「もみじさん、よく聞いてください。」
「はい。」
「あなたの余命はあと1年半です」
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そう。
1年前に人生のタイムリミットを告げられた。
私には残り半年しかない。
もっと昔だったら、悲しかったと思う。
夢があって、それに向かって努力していた。
でも今は趣味もないし、目標もない。
ただぼんやり生きてるだけ。
余命を告げられた時、お母さんもお父さんも泣いてた。
でも、私はどこかで納得してしまっていた。
この高校を卒業できるかも怪しい私が仕事になんて付けるわけが無い。
でも、必ずどこかの講義には参加しないと行けないので、とりあえず医学科に入ってみた。
自分の病気のことをもう少し理解してみたかった。
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今日のテーマは肺について。
みんな真剣に講義を聞いてるけど、なんか調子が悪くてやる気になれない。
発作前の違和感がして、気持ち悪い。
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授業終了まであと30分。
あと少し待てば帰ってからか、保健室に行ってそれなりの処置ができる。
でも、そんな上手くいくはずがない。
ドクンドクンッ
「っ…ぁ…」
苦しい…
心臓が変なリズムで波打って全身が熱い。
発作だ…助けを求めないと…
わかってた。わかってたはずなのに体が思うように動かない。
「…っはぁっ…はぁっ」
段々呼吸が苦しくなってきた。
周りの人達が異変に気づき始めるが、講師は怖くて有名な人。誰も声をかける勇気がないんだろう。
「はぁっ、うっ…はぅ」
意識が遠のいて行くのがわかった。
ガタッ
その音と同時に、彼の顔を見ながら意識を失った。