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……3日後……
『一昨日、フリージアの花言葉調べたら…』
「憧れ…クラリッサさんはアモーラさんに憧れてたのかな…?」
「独り言ですか。」
「っワ!?」
覗き込んだのはツギハさんだった
「いつの間に?」
「返事がなかったから、寝ているのかと思いました。」
「…ごめん気づかなかった」
「いいですよ、尋問の時間なので尋問室へ向かいましょう。」
「はい!」
カルディア達は部屋から出て尋問室へ向かった
『4番の被験者記録見とこ!』
被験者4番の記録…
・名前 フェリクス
・年齢 18歳
・性別 男性
・種族 人
・身長・体重 161cm/48.2kg
・宝石の瞳の能力 病気や未知の病の抗体を得る能力
・追記 肉が苦手である、体の成長が止まっている
『…なんで追記に肉?』
「着きました。」
「あっありがとう!」
「それでは、失礼します。」
そう言ってツギハさんは私からは離れて行った
「どうゆう子かな…?」
カルディアは尋問室の扉を開けた
―――尋問室―――
「失礼します」
「……」
「あ、あの…」
「……」
目の前に居る子はどこか不安で周りをよく見ていた
『気づいてないの…それとも…』
『…ペン落としてみよ』
(カラ)
「……わっ!」
その子はいきなり椅子から立ち上がり隠れ始めた
「っ…ひぇ…」
『…こうなるとは思わなかった、本当にごめん』
「…そこに誰かいますか?」
「居る…」
「い…いや、いないよ」
「っえ…」
フェリクスさんはいきなり1人で話初めてた
「そ…そうだよ、さっきまで…」
「っあ…居たんですか」
「…うん」
その子は私にようやく気づいたみたい
「恥ずかしところをみせました、昔の癖で独り言が多いです。」
「本当にごめんなさい」
「大丈夫ですよ!」
「お化けが苦手で薄暗かったので」
確かに今日の尋問室は電気がチカチカしていた
「それでは、始めよっか!」
「お願いします」
『安心したのかな?』
フェリクスさんの雰囲気は急に落ち着いた
『さっきまで怯えてたのに…突然落ち着いたな…』
「能力を得た経緯を教えて」
「うーん、生まれた時にですね」
「ありがとうございます」
フェリクスさんは困った笑顔でそう言った
頷きながら、それをメモした
『生まれた時にも発現するんだ』
「まるで…祝福みたいでしょ…嬉しいとは思わないけど…」(ボソッ)
彼はあまり嬉しそうには言わなかった
『なにかあったのかな…』
「実はお願いしたいことがあるんです」
「なんですか?」
私はフェリクスさんに目を向けた
「次5番さんの尋問するんですよね」
「そうだよ」
「実は、一昨日に被験者全員に5番からの手紙をもらったんです」
『手紙?』
「なんて書かれてたの?」
「こんな感じです、この研究にどう思うって書かれていました」
「ありがとう」
『でも、自ら聞くことは考えてなかったのかな…?』
「それでお願いです」
「5番さんに手紙のことと部屋から出ることをお願いしたいんです」
『…私の立場でそこまで関わっていいのかな…でも、この子の真剣な目を見てると断れない』
カルディアは考え込み、しばらくしてこう答えた
「……一応聞いていい」
「なんですか?」
「他の職員にもお願いしたんですか?」
「試してみたんですが…無理だったみたいです」
「…ありがとうね」
『どうやら、失敗に終わったみたいね…逆に怖くなってきた』
電気は未だにチカチカしていた
「あと…聞きたいことがあります」
「なに?」
「3番さんに何をしたんですか…」
「…っ?!」
私はいきなりのことに思わず声が詰まった
「あの時の3番さんは…少し気持ちが乱れていたように聞こえました」
「…聞いてくれる」
「はい」
「実はかくかくしかじかで」
私はフェリクスさんに3番(クラリッサ)さんに何をしたかを答えた
「…そうですか、地雷を踏んでしまったんですね」
「…はい」
「目を見た時に3番さんの心の中に入ったですね」
「うん」
『あれ…立場かわってない、彼の言葉に反論はできないけど…』
「ねぇ、なんで彼女の変化に気づいたの…?」
「…俺…耳がいいです」
「聞きたくない音が聞こえるほど…」
彼の瞳は少し罪悪感と寂しさのある黄緑の瞳をしていた
私の視界は真っ暗になった
―――フェリクスの心の中―――
しばらく暗闇の世界だったが急にオルゴールの音に混じって、遠くからくちゃくちゃという音が聞こえる…そして足元の感触がなく、宙を歩いているようだった
「……ここはフェリクスの心の中」
私は周りを見てみたら絵本にある不思議で可愛らしい世界に居た
『なんだろ…まるでアリスの世界にいる気分だ』
近くに花が咲いていた
「…ダチュラ?」
『確か…この花は…』
「今日は仲間たちとお散歩だ!」
近くからフェリクスの声が聞こえた
『近くにいるようだ…今はフェリクスの方へ行ってみよ』
フェリクスの近くにはウサギやクマなどのぬいぐるみが歩いていた、フェリクスの姿はアリスっぽい姿をしていた
今日は▢▢退治をする
「うん、そうだね」
『なんて言ったの…?でも楽しそうには言っていない』
フェリクス達はどこか遠くに行ってしまった…
『早く行かなきゃ…』
カルディアはフェリクスの居る方へ向かった
「はぁ…はぁー」
『ここら辺だったはず…?』
「……!?」
そこには赤い綿がついて倒れているクマのぬいぐるみがいた。微かに肉の臭いとくちゃくちゃという音も聞こえる…フェリクスはぬいぐるみに祈りをしていた
やってくれ……
「ごめんね…そしておやすみ」
『ぬいぐるみは人ってことかな…あの赤い綿はなんだろ』
フェリクス達とぬいぐるみはその赤い綿のぬいぐるみに火をつけた
本日の犠牲者は1名だ
皆の者、今日は戻るぞ
「分かりました」
フェリクス達はあっという間にどこか行っていた
カルディアは最初、ふわふわの花やぬいぐるみに目を奪われたが、赤い綿に胸の奥がざわつくのを感じた。
「…ファンタジーっぽいけど…不気味だ」
カルディアはフェリクスの方へ行った
……数十分後……
そこではお茶会みたいな感じのことをしていた、みんな楽しげに話していた、フェリクスの顔は楽しげだった
「…フェリクスはこの空間が好きだったのか?」
…フェリクス明日は大規模の▢▢退治だが大丈夫か
「大丈夫です、みんなと一緒にいることが幸せなので」
フェリクスはライオンのぬいぐるみに幸福そうな笑顔で返した
早く▢▢戦争を終わらせるために頑張ろうぜ
…あぁ
ライオンのぬいぐるみは少し悲しげな顔をした、ライオンの方からくちゃくちゃと音もした
「……」
フェリクスあとで来てくれ
「分かりました」
フェリクスはライオンのぬいぐるみに着いて行った
『…嫌な予感がするんだけど』
カルディアは2人のあとを追った
なんで呼んだかわかるか…
「…感染したんですね」
あぁ…正解だ
俺はもうすぐあいつらになる…この特別のハンマーをお前にやるから…
俺をやってくれ…
「…え、…俺じゃなくても…」
…お前には特別の力があるから、お前ならできる
「……」
…うぁぐぁ
ライオンのぬいぐるみは急に苦しみ始め…赤い綿に蝕まれていく、カルディアの近くに赤い綿が飛んできた
「…っひぇ」
触れてみたら綿のようなフワフワした感覚ではなく、気色悪い触り心地だった
…はゃく…ぉれをゃれ
「……」
フェリクスはハンマーを持ち、こう言った
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
…ァりかとう
ハンマーからは炎がでて赤い綿を燃やしぬいぐるみも燃えた…近くにあったダチュラの花は枯れていた
「……っ?!」
私は微かに幻覚がはれて、実際に起こったものを見てしまった…
―――尋問室―――
「…起きましたか」
気づけば、蛍光灯のチカチカする音だけが響く、いつもの尋問室に戻っていた。
だが、手のひらにはまだ「赤い綿」のざらついた感触が残っている。
「…色々話し込んでしまって疲れてしまいましたか」
「ん…ん、大丈夫だよ」
彼の顔は悲しげだった…
「またいつか話そ…今は気分が悪いの…」
私はそう言って尋問室から出た
―――自室―――
「ゴホッ..…ウェ」
『…気持ち悪い』
「ハァ…ハァ…」
私はいつの間にか洗面器に吐きこんでいた、心臓が止まりそうな光景を見たからしょうがない…
『…フェリクスの心の中は一見明るそうに見えるけど』
「…まるで悲劇の物語のようかな」
『これから…彼をどう見れば』
(コンッコン)
誰かが部屋の扉を叩いている
「大丈夫ですか?」
「っあ、ツギハさんですか!」
「辛いものを見た感じですか?」
「…はい」
「しばらく、休暇をとりますか?」
「いえ、ノノカのために早く終わらせなきゃなので」
「…そうですか、体調には気を付けてください」
そう言って、ツギハさんは離れて行った
「……」
『…少し寝よ』
カルディアはベットへ向かった
……続く
その後のフェリクス
「大丈夫かな…」
「明日、尋問官さんに会えたら謝罪しなきゃだ」
「いや…他にも必要か」
「ゼリーとか流し込みやすい物を渡そうかな…」
フェリクスは独り言を話し始めた
「……」
「うるさ…明日聞こ」
「……?」
『誰かが僕の背後にいたような…』
「…もしかして、お化け…?!」
「…は、はやく部屋に戻ろ」
フェリクスのキャラ設定
18歳の男性
家族は不明…3年前にとある組織に入っていた
見た目は四葉のクローバーみたいな黄緑色の髪にどこか寂しげで罪悪感があるような黄緑の宝石の瞳を持つ。カーディガンがお気に入り
宝石の瞳の能力は特別の抗体を手に入れる能力
性格はお化けには臆病だが穏やかで話好き
次の話で心の声の()が変わります