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…次の日…
……昨日は尋問があったけど、尋問官さんは大丈夫かな
(これを持っていけばいいかな…?)
紙袋に入れたものを見た後フェリクスは時計を見てた
(まだ、早い気がするから…)
「とりあえず朝食を取りに行こ!」
フェリクスは紙袋を持って自室から出て、食堂に行った
―――食堂―――
今日は1番【フェニ】さんと2番【ノワール】さん、3番【クラリッサ】さんが居た、俺は朝食を取って席に座った
(…今日肉あるのか)
〚どうしましたか?〛
「っあ、2番さん!」
2番さんはいつも通りに本の形をした魔道具で話しかけた
「2番さん、少しお願いしたいんですが…」
〚はい?〛
「俺の肉を食べて貰えませんか?」
〚いいですよ〛
「ありがとうございます!」
俺は2番さんのトレーに肉を渡した
「本当にありがとうこざいます」
〚大丈夫だよ〛
2番さんはそう言って朝食を食べ始めた
(2番さんって本当に食べ方が綺麗だな…、いや…人の食べているところ見るのは失礼だろ俺)
「いただきます」
(早く食べて、…渡そ)
「…4番」
「…っ!?」ビクッ
〚3番さんおはよ…〛
フェリクスは席から立ち上がり1番の後ろに隠れた
「……」
「」ガタガタガタガタ
「4番、巻き込まないでください」
「話しかけたのは3番ですが」
1番は無関心そうにそう言った
「っあ、3番さんでしたか、いきなりの事で驚いてしまいました」
「本当にごめんなさい」
「…そうですか。」
「ところでそれはなんですか。」
3番さんは紙袋に指を指した
「っあ、これは尋問官さんにあげようとしている物です!」
「そうですか、失礼しました。」
(理由は言わない方がいいか…、とゆうか気遣い上手と興味ない人だけだから話が進まない)
「1番さん…いきなり隠れてしまい失礼しました」
「……」
(うん…無視されるのは心に少しくる)
フェリクスは席に戻った
「早く食べて、渡しに行こう…」ボソ
「……」
「……」
「……」
「……」
(いくらなんでも、静かすぎない…)
(10番さんはノンデリだけどムードメーカーなんだな…)
フェリクスはそう思いながら、朝食を食べ終わった
「ごちそうさまでした」
フェリクスはトレーを片付けて、紙袋を持って食堂を出た
「……居るか」チラッ
「「…!」」
―――廊下―――
(……廊下がやけに長い。灯りは点いているはずなのに、端がやけに暗く見える。靴音が響くたび、背後で誰かが同じリズムで歩いている気がして…心臓が速い)
「…どうしよう」
「…被験者がどうしてここにいるんですか?」
「…ッヒェ」ビク
フェリクスは後ろにさがって紙袋を構えた
「…お化けではありません」
「っあ、尋問官さんを連れてきた人でしたか」
その人はこのプロジェクトのリーダー【ツギハ】さんだった
「お化けだと思ってしまい…本当にすみません」
胸を撫で下ろしながらも、心臓の鼓動は治まらなかった。
「そう、ところでどうしてここに居るの」
「っあ、実は尋問官さんに渡したい物があるんです…」
「ふーん」
「もしよかったら教え…」
「それは無理かな」
「……そうですよね」
フェリクスは少し凹んだ
「代わりに渡すことはできますが」
「っえ、いいんですか」
「まぁ渡すだけです」
「ありがとうございます」
フェリクスはツギハに紙袋を託した
「それでは失礼します」
フェリクスは自室へと向かった
ツギハは無表情のままで呟いた
「……渡したい物ね」
―――被験者の部屋辺り―――
(…渡して貰えたかな?)
「……」
「…そこに…誰かぃる…んですか」ビク
「お…ばけですか?」
「…ッハ?、違うが」
背後の角から出てきたのは5番さんだった
「…5番さんだったですね、声をかけてください」
「……朝の調子だと話しても無駄だと思ってな」
(…めっちゃくちゃ心にくる)
「…早く話してくれる」
「っえ…何を?」
「尋問の事…時間を無駄にしたくないので」
「わかった、実はかくかくしかじかで」
……数十分後……
「へぇー、心の中に入るね…2番と同じで情報はなしだな」
「っえ、2番さんと話したんですか?」
「情報を得るためにだ…勘違いすんな」
5番は無表情ながら猫なのに狼のような冷たい目線を送った
「そうなんだ」
「……お前、お化けにはビビるよな」
「アハアハ」
「実は俺、お化けは物理で倒せないのと…」
「これ以上はいい」
「そうですか…、っあ思い出しました」
「…なんだ」
「尋問官【カルディア】さんとリーダー【ツギハ】さんが入って来た時、何故か足音が1つしか聞こえなかったんです」
「…ふーん」
「…ありがとうな、代わりに1つだけ聞いていい手紙のこと以外なら」
「うーん」
(いきなり言われても…部屋に籠っている件は聞いても)
「じゃあ、他には誰に聞いたんですか?」
「…1番と3番だ」
「ありがとうございます!」
「…待って」
俺はその場から離れようとしたら、5番が止めた
(何!?)
「…紙袋には何を入れた」
「っえ」
突然の問いに、フェリクスは肩を震わせる。
「えーと……冷やした果物ゼリーです。甘さ控えめだから…体調悪い時でも食べやすいかなって。それと、昨日の件のお詫びの手紙をです」
「……あいつに紙袋を渡したな」
「そうですが?」
「…リーダーのことは信じるな、警告だ」
5番そう言って部屋に入って行った
「…あの人、本当に猫の獣人なの?」
(猫っぽい仕草もしないし…)
「…5番の事は本当なの」
フェリクスは何かを考えながら部屋に入って行った
―――尋問官【カルディア】の部屋前―――
「ちょっと散歩しよ!」
(昨日ことがショックすぎたから、気分転換)
「…うん?」
ドアの前に少しクシャクシャの紙袋があった
「なんだろ…」
カルディアは紙袋を拾って部屋に入った
「何が入っているんだろう…」ガサゴソ
袋の中には冷えたゼリーと、一通の手紙。
(手紙は誰からだろ…)
「っあ!」
「フェリクスさんからだったんだ、渡していいのこれ?」
(とりあえず、手紙を読もう)
『尋問官さんへ
昨日の件はすみません、気持ち悪くなりましたよね。お詫びに紙袋の中にあるゼリーをもらってください
By 4番』
「…ふふ」
カルディアは小さく笑った。
(彼なりの優しさなのかな…)
「少しだけだが気分が良くなった…」
「本読みに行こ」
カルディアはそう言って部屋を出た
……続く
出し忘れてた……
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