テラーノベル
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とある国のとある街の国際空港。
出発ロビーには不思議な雰囲気の三人組がいた。
一人は緑髪のおさげにサングラスをかけた背が高く体格の良い男性。
一人は金髪に黄色の仮面を付けた中肉中背の男性。
間に挟まれるように立つ、ピンクのお団子ヘアーに紙袋を被った女性。
特異な風貌ではあるが、来た時と異なり三人の周りにはたくさんの住民が別れの挨拶に来ていた。
さぶ郎の周りには警察やメカニックの女性が、ぺいんの周りには出前に行った救急隊や警察官たちが、ミンドリーの周りにはカフェのクマの店員をはじめとした飲食店の店員がいた。不破率いるギャングたちはで姿を見かけることができなかった。
「さぶちゃん、もう帰っちゃうの?」
「今日でお休み終わりなの」
「寂しいわぁ。また遊びに来てね?」
「あい!」
「ぺいんさん。出前助かりました」
「前にも言ったけどお医者さんでもちゃんと食べてねぇ」
「警察署への出前も助かりましたよ。あと相談にも乗っていただいてありがとうございました」
「仕事だからね。これからも大変だと思うけど、がんばってね」
「ミンドリーさん。店はうちで見ておくから、また来たときに声かけて」
「こちらもいろいろお世話になりました。店のこと、よろしくお願いします」
そんな中、人の輪の外からぺいんに声をかける警察官がいた。
「伊藤さん」
「小柳君」
小柳は以前と同じように真直にぺいんを見据えて話した。
「………いつか、そちらの街に行きます」
小柳の強い意志を感じたぺいんもまたまっすぐに見据えて返事をした。
「楽しみに待っているよ」
やがて搭乗時間となった。
飛行機に乗り込むタラップで遠くから「ぺんちゃん、元気でね」と聞こえた気がした。
見上げると空港のビル屋上に何人かの人影が見え、手を振っているようだった。光の加減で顔までは確認しづらいが、ぺいんを「ぺんちゃん」と呼ぶ人はこの街で一人しかいない。
三人はそちらに向けて手を降った後、飛行機に乗り込み飛び立った。
数時間後には慣れ親しんだ元の街が眼下に広がった。あちらの街と同じくこちらの街も快晴だ。
空港から本署に直行した三人は大勢の仲間たちに迎え入れられた。
特にぺいんの元には後輩を中心にたくさんの警官が駆け寄ってきた。
「おごせーん!」
「おごせん!おごせん!おごせん!おごせん!」
「ただいまぁ」
ぺいんは駆け寄ってきた後輩たち一人一人に声をかける。
「おご先、ヘリ練…………」
「しばらく警察ヘリに乗ってないからなぁ。たっちーも、もう僕との練習なんて必要ないんじゃない?えびすや二部の方が上手いでしょ」
「そういう話ではないんですよ」
ぺいんは立花を軽くあしらい、その後ろに控えめに立っていたよわきやえびすに声をかけた。
「よわきも久しぶりぃ」
「あなたは本物のぺい先ですか?」
「ちょっと休暇に行っていただけなのに忘れちゃったのかな?よわきは」
「おーごーせーんー。寂しかったぁ」
「えびすはマーキングしなくていいからね。他の人の話を待っていて偉いね」
ぺいんたちから少し離れたところではさぶ郎が霊明に声をかけられていた。
「さぶ郎殿。休暇はいかがでしたか?」
「たっくさん遊んだよー」
「楽しかったようで何よりです」
騒がしい警官たちを輪を少し離れたとこから見守っていたミンドリーは、署内から現れた署長と皇帝に声をかけられた。
「ドリー、帰ったか」
「署長、ただいま戻りました」
「お土産は」
「ないです。それより休暇中の情報共有をお願いしたいのですが」
「お前なぁ。もうちょっとコミュニケーションというものをだなぁ」
「あ、皇帝。休暇中の情報共有をお願いしていい?」
「いいぞ。じゃぁ署長室行こう。ぺいんとさぶ郎は………まぁ後でもいいか」
ぺいんとさぶ郎と警官たちとの話はまだまだ終わらないようだ。それを眺めながらミンドリーと皇帝は署内に戻る。どちらも口元で笑みを浮かべた優しい表情だ。
また、いつもの騒がしくも楽しい毎日が始まる。
たくさんの仲間とともに。
とある街の中華屋さん ─完─
コメント
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初コメ失礼します!! 最近イッキで全部読みました! まじで文才ありすぎですね😎✨ 終わっちゃうのは悲しいですけど、これを見返してまた明日も頑張ります💪