「やばい!何か居る!」
心拍音がうるさくなる。
近づいてくる度に
ドクッ ドクッ
「あっ……」
ピピピピ……
僕は布団の上に横たわっていた。時計がうるさく鳴り響く。
「なんだ、夢か……怖い夢だなぁ……」
ほっと一息なでおろし、時計のアラームを止める。
ぼーっとしていると、家中に響き渡るような大声で、「直也!ごはん!」と母親が叫ぶ。
(よく朝からそんな声出るな)
そう思いながら、階段をかけおりる。
リビングには新聞を読む父、キッチンで何やら作る母。いつも通りだ。
…いつも通りだよな?
ふと疑問に感じる。当たりを見渡す。何の変哲もない。しかし何やら違和感がある。
(なんだ……?)
何やら不気味な気配がする。
そのままずっと見渡していると、
「何してるの?直也。」
と言われた。必死に誤魔化すため、
「何も無いよ。」
そう言い返す。
そしていつも通り飯を食べ洗面所に向かう。
歯を磨き、顔を洗っている時、なにやら後ろに気配を感じる。
恐る恐る鏡を見る。
そこには夢に出た奴がいた。
首を回し唸っている。耳鳴りが聞こえて回りがブラックアウトしていく……
ピピピピピピピ……