テラーノベル
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東京某所。橋の下。ここが私たちの、いつものスポットだ。
「ん…いた。相変わらず暇かよ、お前ら」
「よう。暇人。お前も来てる時点で終わってんだよ」
「お疲れ様です。何持ってきたんですか?」
「酒」
「主役じゃ〜ん俺おつまみ」
「僕は何もないです。強いていうなら煙草くらい……」
「私吸わないからパス」
「俺も」
「…吸えよ」
「はいでたハラスメント。クビなクビ」
「やめてくださいよ僕最近バイトクビになったんですから。あはははは」
「怖い」
名前も職業も年齢も知らない。ただ知っていること…共通点は。
「ほんと、私たち終わってんな」
「それな〜?」
“終わっているのだ”私たちは。
「ま、いいや。とりあえず…飲みますか」
「「「かんぱ〜い!」」」
何もない私たちが、何かを見つけるそんな日々。
何も生み出さないそんな会話が、たまらなく気持ちいい。
「てかさ〜ほんと終わってるよなこの国」
「国の前に自分見つめ直したらどうですか?」
「…お前酔うと辛辣になるよな」
「そうですか」
「終わってるのなんて今更じゃない?」
「俺さ!ニュース見たんだけどさ!」
ドンとビール缶をコンクリートに叩きつける。…中身が溢れそうで怖いんだけどな。
「政治家が寝てるだのジェンダーだの拉致だの戦争だの……もっと平和なやつ流せよ!」
「視聴率取れるしなぁ…てかお前の家、テレビあんの?」
「僕の家はありますよ〜古いのが」
「私実家暮らしだからあるけど」
「電気屋で見た。あそこのソファー座ったら寝落ちするところだった」
「お前ニ⚪︎リの展示されてるベッドに入るタイプ?」
「ニト⚪︎?いいよなあそこ。布団が柔らかい」
「伏字ずらすな」
「それはいいんだよ!んでさ、俺、めっちゃいいこと思いついたんだよ!」
「ぜっったいロクでもない」
「僕もそう思います」
「聞けや。あのさ、居眠りする政治家集めてデスゲーム主催したら絶対面白くね?」
「………お前さぁ」
「天才か?」
「僕以外終わってますね倫理観が」
「倒置法すんな」
「いや実際面白いだろ。は?最高じゃん」
「倫理観と経費の問題を無視したら面白いですねー」
「そこはネ⚪︎フリで独占配信するから」
「激アツじゃん」
「…あなたたちネト⚪︎リを何だと思って?」
「独占配信っていつもいってるところ」
「……大体あってます」
「てかそれやばいな。私が考えたってことにしてツイートしていい?」
「うわ、ここにまだツ⚪︎ッターが『X』に変わったこと受け入れてない人いるんだけど」
「は?ツイッ⚪︎ーは⚪︎イッターだろ」
「適合しろよ時代に…」
「あ、てかやばい。酒無くなった」
「え、飲むの早っ」
「お前のよこせ。代わりに抱いてやんよ」
「酒の対価にしては重すぎるしお前に抱かれるくらいなら首切る」
「マジかお前」
#実際の人物には関係ありません
#短編
えれめんたる
25
#心のSOS
「僕も同感です」
「マジかお前ら」
「何だろう。俺とお前の子供がまともになる未来が見えない」
「確かに。何なら私より先に人生に絶望して死にそう」
「はは、それな」
「何だお前せせら笑い界隈か?」
「何だよ”せせら笑い”って」
「ざっくりいうと冷笑のことや。前に『X』のポストで見た」
「お前適応しとるやんけ」
「文学的すぎん?」
「そんなもんやろ」
「そうかぁ……」
何もない。心底思う。どこを間違えたわけではないけど、きっと知らないところで小さな間違いを重ねている。
その積み重なりで、きっと今、私はここにいる。
笑いたきゃ笑ってろ。”負け犬”の笑いなんて、効きやしねぇよ。
コメント
5件
ひゃ~~えれめんたる先生凄、、、人を笑わせられるんですね!(文下手でごめんなさい)終始ずっと面白かったです! 社不の集まり過ぎて腹よじれたし!具体的な名前に申し訳程度のモザイク入ってると思ったらズラしてるから機能して無いのも笑いました! お互いディスってんのに割と仲良くつるんでる感じが好きです!
うわ、このゆるっとした空気感、めっちゃ好きです。橋の下で集まって酒飲みながら適当なこと言い合ってるだけなのに、なんだか切なくて。「終わってる」って連呼するけど、その言葉にどこか居心地の良さを感じてる感じが伝わってきました。 特に「何も生み出さないそんな会話が、たまらなく気持ちいい」って一文、すごく刺さりました。確かにこういう時間って何の生産性もないけど、でも心のどこかで必要としてるんだよなあ。 それに最後の「笑いたきゃ笑ってろ。“負け犬”の笑いなんて、効きやしねぇよ」ってセリフ、静かな強さがあってグッときました。この一歩引いた距離感、続きがめっちゃ気になります!