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月城 蓮桜音
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水羽
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本日4人目の相談者は、六十代男性だった。
「母親が二十年寝たきりで、昨年死にました。」「それは長い間のご看病、大変でございましたね…」と門跡は労をねぎらった。「いいえそうでも無いんで…」「と言いますと?」「母親は寝たきりだっただけで、ボケきってはいませんでした。介護は大変でしたが、私は働くのを止めて母親に尽くしたのは、何事も気前よく支払うからなんです。」「はあ…」「私は家のローンが有りましたが、母が年金を殆ど投入してくれたお陰で完済出来ました。」「お母様とは同居だったんですよね?」「いいえ、始めは私も家庭があってその家を建てたんです。ところが母が色んな病気になって、ついに寝たきりで、嫁さんは逃げましたし、娘や息子も出て行きました。その家は私がたまに帰宅した程度で無人状態でした。母は公団で何れ同居と思って居ましたが、寝たきりで死んでしまったので、無借金の私の家はどうしたらいいか悩ん出るんです。」「そのまま住まわれてはいけないんですか?」「私一人は広すぎるんで、売って家賃が安い所に引っ越したほうが良いですかね?」
山富士は悩みを聞きながら思った。(そうか、こういう場所の相談は金持ちが来るんだわ!今迄一人も金銭の苦労を訴えた人はいない…)「奥様とは離婚されたんですか?」「いいえ未だ籍に入っています。母が死んであいつが戻って来るのもシャクなんですよ。」「たしか善川(ヨシカワ)さまはこの幻覚寺にお墓が有る方ですね?」「そうですよ。その時は坊さんに弔って貰いました。」(金隠氏の事だわ)
「奥様の籍がそのままだと再婚も出来ませんねえ。」「そうなんですよ。あいつは介護の苦労も知らず子供らとぬけぬけと生きて居ます。」善川氏は憤慨していた。
「お一人で生活なさいませ。あなたが死んでもあの家の相続で揉める様にしたらいいんですよ。」と山富士は悪知恵を仕込んだ。
コメント
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みぅです🤍 第54話、読みました。このお寺に来る人、みんなお金に困ってないんですね…。山富士の「金持ちしか来ない」って気づき、なんかじわじわ来ました。善川さんの「あいつが戻ってくるのもシャク」って言葉に、長年の家族のしこりがにじんでて重たかったです。最後の悪知恵、笑っちゃうけど現実的で怖い…。続きも気になります🌙