初のノベル作品なのでおかしいところあるかもしれません。
橙桃です。本人様とは関係ありません。年齢操作あり→高校生設定
Rではないです。
地雷だよって方、通報される方は見ないようにしてください。
私の祖父と祖母の話にアレンジを加えながら橙桃におきかえてみました。
橙side
桃の花が咲き誇り、心の底から温かいと思える春。しかし、朝は肌寒い
俺は橙。15歳。高校1年生…まぁ、高校生ではないけれど。昔からお金がなく貧乏で、父も母も俺のために朝から夜まで必死になって働いていた。だが、やはりお金はなくなっていくもので、お金が必要になってしまう高校に行きたくても行くことができなかった。
俺は毎朝自転車で新聞配達のアルバイトをしている。自分の家の近所だけれど、だいぶ早い時間だからかいつも居るのは朝の散歩をしている爺さんぐらいだ。
爺さん「おお、橙。おはよう」
橙「おはようございまーす」
いつものように挨拶を交わす。そして全ての家に新聞を届けたあとはまた違うアルバイトに行く。これが俺の日課だった。
ある日のこと。いつもどおり新聞を届けるために、自分の家の斜め右のところにある家に向かった
だけど今日はいつもと違う
ポストの前に誰かがうずくまっている
橙「あの…どうかしたん?」
?「……いえ」
桃色の綺麗なふわふわな髪。青い水晶のような瞳。女らしい見た目とは裏腹に低い声。多分俺と同い年ぐらいだろうか。
橙「いやいや、絶対なんかあったやろ…辛そうな顔してるで?」
?「…ねこ…」
橙「猫?」
?「ここに昨日の帰りに子猫がいたの。昨日一応ミルクはあげたんだけど、今日もあげたほうがいいかなって…」
橙「猫いないん?」
?「うん…だからちょっと心配してた」
不安そうな顔をしていたから話を聞くと猫がいないことが心配だそうだ
橙「…それってもしかして茶色と白が混ざった感じの色した子?」
?「!!!そう!その子!見たの?!」
橙「まぁまぁ落ち着き。さっき3つ前の家の玄関で寝てたで。」
?「そっか…良かった…」
ありがとな。といい、彼は俺が教えたところに走っていった。
橙「何やねんw…ってか時間!」
橙「またいる…」
?「よ。おはよ。」
橙「おはよ。てかどしたん?また猫?」
?「いーや?猫にはもうミルクあげてきた。」
橙「そうなんや。」
?「なあ、お前って毎朝新聞配達してんの?」
橙「そうやけど」
?「なんで?」
橙「金ないから。」
ふーんと自分が聞いてきたくせに飽きたように自分のもみあげを触り始めた彼。こいつも結構猫っぽいなと感じながらポストに新聞を入れる。
橙「お前学校は?」
?「あるけどまだ行く時間じゃない。4時に学校行くやつなんていねーだろ。」
橙「そっか…」
?「……お前学校行ってないんだろ」
橙「えっ?!なんで分かったん?」
?「いやいや普通に予想できるでしょ」
?「名前。なんていうの」
橙「嫌や。個人情報」
?「ここまで話してきて個人情報もクソもねーだろ。」
おら、はやく言えとポカポカ叩いてくる彼。最初の印象とは全く異なっているなぁと何故か昨日のことなのに懐かしく感じる。
橙「はぁ…しゃあないなぁ俺は橙。15歳。」
?「げっ…年上かよ。俺は桃。14。」
橙「中3?」
桃「うん。」
橙「ふーん……てか敬語で話せや敬語」
桃「絶対嫌。」
橙「生意気なガキやな。」
桃「年1個違うだけじゃん」
橙「はいはい。ガキははやく学校行ってこーい」
桃「クソっ!橙のバーカ!」
橙「バカって言う方がバカでーす」
まるでバカップルのやり取りのような会話をする。悪い気もしないなぁ……って何考えてんや俺と自分にツッコミをする。
その後、桃と話をしているうちに時間は過ぎていきすっかり登りきった太陽を背に桃と別れる。今日はなんだかいい気分でその後のアルバイトは先輩に「何かいいことでもあった?」と言われるくらい順調にやり遂げることができた。
あれからというもの、猫はだいぶ成長して桃の世話も必要なくなったというのに桃は毎朝ポストの前にいる。俺も今までとは違う道で、彼の家を最後にしたことで1時間ほどの会話ができるようになった。
桃と会話していく中で、分かったことはたくさんある。家族のこと。学校のこと。猫が大好きだということ。………好きな人がいるということ。最後のことを聞いたのは最近で、聞いた瞬間から何故かモヤモヤして苦しくなった。だけど心配はかけたくなくていつも平然と喋る。彼も男だ。そりゃあ学校に好きな人ぐらいいるだろう。そう思うけれど、心のモヤモヤは消えないままで。
俺、桃のことが好きなんやなぁ
ふと思ったことだったけど『好き』って文字がびっくりするくらいしっくりきた。相手は男。だけど白くて細くて消えてしまうように儚い。そこら辺にいる野良猫を抱いて会いに行けば満面の笑みを浮かべて喜んでくれる。そんな彼に人生で初めての恋心を抱いた。
桃「ねぇ、橙。」
橙「ん?」
時がすぎ、少し寒くなってきた頃。いつもどおり会話に花を咲かせていたとき、彼が突然俺の名前を呼ぶ。名前を呼んでくれただけで舞い上がりそうだがその気持ちを抑え耳を傾ける。
桃「俺の好きな人の話…なんだけど////」
顔を赤らめてぽつりとつぶやく。そんなところも愛おしいが、内容は俺が苦しくなってしまうもの。
桃「俺…さ、告白するの恥ずかしくて…告白できない…そいつ天然だからさ、気づいてくれなくて」
橙「………。」
桃「どうしようかな、ずっと言えないままいつかは会えなくなっちゃうのかな」
少し泣きそうな彼の言葉に自分も考えてしまう。このままずっとこうやって話していけるのか。今、隣りにいる彼が突然消えてしまったら。そう考えると不安でしかなくて。
橙「っ…桃!!」
桃「ビクッ…どしたの」
橙「今から聞いてほしいことがある!」
桃「…。」
後悔はしたくない。この言葉が彼の。こいつの。桃の背中を押せるなら。
橙「桃のことが好きや!」
桃「えっ…」
橙「大好き!好きすぎて心臓持たへん!」
桃「橙…」
橙「桃と会話していくうちにずっと隣に居たいって思うようになったし、桃の隣を俺以外に渡したくあらへん!」
桃「でも…俺、男だよ?」
橙「そんなん関係あらへん!誰が男に恋しちゃだめって言ったん?これは俺の人生やから、俺は桃が好きやから…」
桃「……。」
橙「ごめんな。急に…。桃の話聞いて、不安になったんよ」
桃「うん…」
橙「ほらっ俺はちゃんと告白したんやで?!桃もいつまでも恥ずかしがっちゃだめ!!男やろ?!ちゃんと好きって伝えろ!」
桃「………分かった。伝える。」
そう言うと桃は俺の前に仁王立ちした。
桃「俺も…!橙のことが…っ、好きっ!!!…です…」
橙「え?ほ、ほんまに?」
桃「うん…////」
橙「俺のことが好きなん?」
桃「だから、そう言ってんだろ!////」
どうしよう…嬉しすぎて表情筋ゆるっゆるになっとる…。
橙「…桃?」
桃「ん?…」
橙「俺と付き合ってください。」
桃「…っよろしくお願いします。////」
橙「赤くなっとる〜w」
桃「なってないし!バカ橙!!////」
橙「バカって言う方がバカでーす」
まるでバカップルみたい…いや、みたいじゃなくてそうなんやけどw
朝の空気は冷たいけれど、俺たちの繋がれた手は暖かい。
コメント
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え、やば、…クオリティ高…() めっっっっっっっちゃ最高だったぁ、…!! バカップルの伏線(?)好きぃ、…() 最後の言葉めっちゃ素敵だぁ…!! ノベル書くのうますぎじゃない??( ˙꒳˙ ) てんちゃんの祖父母めっちゃロマンチックな体験しとる…()