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出産後体調が回復したお母さんと兄は先に退院した。
母「お世話になりました。里(さと)をよろしくお願いします。」
看護師「里ちゃんの事はお任せ下さい。ゆっくり海君と休んでくださいね。何か気になることがありましたらいつでもご連絡下さいね。」
母「ありがとうございます。退院の日は蝶華(ちょうか)と海の3人で迎えに来ます。」
看護師「お待ちしております。」
お母さんと兄が退院した後、私は病院の保育器の中で1人寂しいと思いながらも手厚い看護を受けて過ごしていた。
ここで初めて出てきた名前、里(さと)というのは私のことで蝶華(ちょうか)は2つ上の姉のことである。私は三人兄弟の末っ子として誕生していたのだ。
看護師「元気ねー。早くお母さんやお兄ちゃん達に会いたいねー」
私「おぎゃーおぎゃー、ふにゃ」
看護師「あら、可愛い泣き声ねー」
入院中は看護師さん達に可愛がられてたからか寂しさもすぐに飛んでいき私はみるみる元気になり体重も増えていった。
保育器の中で1週間がたった頃、先生より退院許可がおりた。
私はようやく兄と姉と両親が待つ人生の拠点となる家に帰宅することが許されたのだ。
私「(やっと家族と一緒に過ごせる。みんなに会え
る。)」
胸をときめかせ、みんなに会えるのが嬉しく退院日はよく泣いていたそうだ。
看護師「退院おめでとうございます。」
母「ありがとうございます。里がお世話になりました。」
「やっと帰れるねー里ちゃん、海も蝶華もお家でまっ
てたんよー」
里「おんぎゃーおんぎゃー」
海「おんぎゃーおんぎゃー」
看護師「双子ちゃんは泣く時も一緒にねー」
母「ほんまや、ふふ」
お母さんは私が元気になっているのが嬉しかったのかずっと笑顔だった
でもこの時に気付くべきだったのだと思う・・・・・・・・・私の誕生が不幸かそれとも幸せなのか・・・
今後人生の中で一番の不幸の原因、いや、地獄への出発となり、一生私を苦しめる出来事の1つが起こっているということに・・・・・・
まぁこのことは後に分かるということで、今は産まれたことへ感謝、帰宅出来ることへの喜びを満喫し一時的に忘れることにしよう。