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プロローグ
いえ、大丈夫です。私が呼んだんですからさあどうぞお掛けになってください。お茶を持ってきますね、あっ紅茶がいいですか?水でいい?分かりました。少しお待ちください。はいどうぞ本当に水で良いんですか?ホワイトニングを汚したくないため?そんな理由であっすみません紅茶とか飲めなかったのかなぁって思っちゃって勝手な勘違いでこんなことも言ってしまってすみません。ご職業は新聞記者でしたっけ?あっネット記者か本当にすみません。多忙なはずなのにこっちの無理なお願いに来てもらって本当に申し訳ないです。謝りすぎ?確かに。謝りすぎていたかもしれません。ごめんなさいあっまた、あっお水どうですか?って私何聞いてるんだろう―とてもサラサラで美味しいよ ありがとうございます。って言っても水道水なんですけどね、じゃあそろそろ本題に入りましょうか。今日は僕の友達である花梨に聞いた事を話したくて、花梨から聞いた話はとても衝撃的で聞いているだけで胸が苦しくなりました。苦しくなるというか逃げ道が無いように感じるんです。じゃあ早速話しますね。
本章
あっごめんごめん待った?って待ったに決まってるよね10分も遅刻したから私から誘ったのにほんとバカだよねこういう所があるからモテないんだよ私はあっまたネガティブ発言言っちゃったこういう所もだよね。今日はこのカフェで良かった?あっ良かったここずっとあるけど全然外見は変わってないし今令和なのにここにいるとなんだか昭和にいるような感じがして私、歌謡曲よく聞くからもしかしたら昭和が好きなのかもしんないってこんな話はどうでもいいか。じゃあ中に入ろう、ってなんで私が仕切ってんのなんか変な感じ。あっ2名です。じゃあどこに座る?あそこがいい?おっいいじゃん。景色も最高だし風通しもいいから自然のエアコンだね。でもこれ料理冷めないかなえ?猫舌だから逆に冷えて欲しい?なにそれ猫舌だったけ?もうそんなの憶えてないよ私は平気だから逆に冷めちゃうとせっかく温かく持ってきてくれた料理が冷めるのは残念だけど今日は私の無理なお願いに来てくれたんだから我慢するよまぁ冷めても美味しいものは美味しいからね当たり前か。じゃあ何食べる?うわっ高っ昔より全然値上がりしてる。もう1〜200円くらい値上がりしてるよね昔はワンコインとかで済んだのに。世の中生きづらくなっていくわ、で何にしたの?コーヒーゼリー?えっ結局冷たいものじゃん私に申し訳無いからどういう事?あ〜あの話の為にね別に良かったのに、っていうかコーヒーゼリー食べれたっけ昔あげようとしたけど嫌いだからいらないって断ったよね?クリームがあるからそれで誤魔化して食べてる?あ〜そういう事ねじゃあ私もコーヒーゼリーにしよっと、すみません。コーヒーゼリー2つください。あとドリンク何にする?分かった。コーラと烏龍茶ではいお願いします。じゃあコーヒーゼリーが来る前に何があったか話すね。私お姉ちゃん智美の息子の悟くんって憶えてる?そうそうとても優しくて頭の良かった。最近見てない?そりゃあそうだよだって悟くん7歳の時に亡くなったもん。じゃあここからは真面目な話。お姉ちゃん学生時代は全然モテなくてモテなかったというかモテたくなかったが正しいんじゃないかと思う。お姉ちゃん根から真面目で部活とかも全力でやるタイプだから合唱コンクールとかがあると家で自主練とかするしそのくらい熱心な人だったの。逆に自慢じゃないけどバレンタインの時私6人の男子生徒からチョコもらったんだよね多いのか少ないのか分からないけどその内4個が本命で内心とても嬉しかった。だって自分が綺麗だなんて思わなかったから逆に綺麗なのはお姉ちゃんの方で多分お姉ちゃんは自分でも可愛いって思ってると思う。そう思うのも申し分ないくらいお姉ちゃんは可愛かったからでも、誰もお姉ちゃんに目を向けなかった。逆に告白されるのは醜くてブスなこの私、えっ?今はとても綺麗だって?当たり前じゃんだって100万以上かけて整形したんだからってそうじゃない。そんな私を見てお姉ちゃんはこっそりと私の事を妬んでたと思う。なんであいつがって。でもそう考えるのも無理は無い私もそう思ってたからでもそんなある日お姉ちゃんに転機が訪れたの。それは高校を卒業した日同級生の男子生徒に呼び出されてよく学園ドラマで見る校舎裏での告白それをやられたらしいの。その時お姉ちゃん泣き崩れたみたいでそんなに嬉しかったんだなってもちろんお姉ちゃんの返事はYES。いつも私がモテてたのになんか自分でモテていたって言うの恥ずかしいな。まぁいいやそれでいつもモテてた私だけどついにお姉ちゃんに逆転されちゃったでも悲しくも悔しくもなく逆にお姉ちゃんに恋人ができたって聞いたら驚きもしたけどそれよりも嬉しさと喜びがあった。少し言葉は似てるけど私にとっては全く違う言葉に聞こえる。お姉ちゃんに新しい彼氏が出来たってお母さんたちも聞くと大喜び!かと思ったら ーえ〜なんで智美に彼氏が出来んの、その人見る目ないんじゃない。予想外の答えだった。普通愛娘ならおめでとうとか言うのにうちのお母さんは全然素っ気ない感じでお母さんバツイチで最初に結婚した夫の間に生まれたのが智美。で再婚して、その再婚相手との間に生まれたのが私なの。お母さんは最初に結婚してた夫にあまり好感を持っていなくて離婚した原因もその夫の性格が自分に合わなかったからっていう理由で、それだったらさ別に結婚しなきゃいいのにお母さんイケメンには疎いから性格なんかどうでも良くて顔重視の人だから結婚した後にあんなことになってまぁ自業自得なんだけど。でもそのストレスを何故かお姉ちゃんの方に向けて、あれをしろ、これをしろって命令ばかりでマッカーサーかよって、面白くないよね。そのせいでお姉ちゃんお母さんにちゃんとしたところ見せたいもんであんな真面目になったんだと思う。多分お母さんは嫌いな人の間に生まれた智美姉ちゃんを意味もなしに恨んでるんだと思う多分その人の血が混じってるから?って何の話だっけあっそうそう、お姉ちゃんが付き合い初めたんだけどそれから2〜3年経ったある日急にお姉ちゃんから連絡が入ってきて、生理が来なくなったってあったからもしかしてと思ってすぐに妊娠検査薬を買って渡した。結果は、陽性だった。妊娠したの。陽性結果が現れた時お姉ちゃんお得意の泣きが出た。でもそれが喜びの涙か絶望の涙かは分からないけど、きっとあれは喜びの涙だと思う。お姉ちゃん子供が欲しいって言ってたもん。その彼氏さんもとても喜んでた。その後夜景の前でプロポーズされたみたいで、1番ベタなプロポーズだけどその時もお姉ちゃん爆泣きしたみたいで周囲の人から変な目で見られたみたい。それでもお構い無しにお姉ちゃんは泣き続けた。少し話を飛ばすね。その後数ヶ月たったある日、お姉ちゃんが子供を産んだの、男の子で体重3000g以上で生まれてとても大きかった。きっと将来はガタイのいい立派な男の子になるなってそんな子にお姉ちゃんは悟って名付けた。理由は聞かなかったけどその言葉にピッタリのとてもかっこいい顔つきで少しだけ彼氏の顔の方が似ていたけどお姉ちゃんのようなシュッとした鼻もあった。生まれた時からこんなにかっこいいなんてすごい。わたしもつい悟くんにメロメロになった。
それから7年後の夏お姉ちゃんが私の住んでいる家の近くに引っ越すって聞いて私はお姉ちゃんに会うことよりも悟くんに毎日のように会えるのが嬉しかった。お姉ちゃんが隣に引っ越して以降毎日のようにお姉ちゃんの家に訪れたもちろん、悟くん目当てで。いつも来てるのに悟くんは元気にこんにちは!って挨拶してそれだけでも今までの疲れが吹っ飛ぶくらい悟くんの顔は可愛かった。そんなある日お姉ちゃんにーもう私たちと一緒に住む?って言われたんだけど ーいやっそんなの申し訳ないよ、2人の邪魔しちゃいけないしって言ったんだけど大丈夫の一点張り。でもよくよく考えたら毎日玄関から出て歩かなくても起きてすぐに悟くんに会えるなら良いと思って、一緒に暮らすことにした。そしたらあいつの態度が激変してあっあいつってのはお姉ちゃんの事ねでもここからはあいつって呼ぶ。あいつ私が住み始めたことをいいことに私に向かってあぁしろ、こぉしろって命令してまるでお母さんが昔お姉ちゃんに言ってたかのように親の血が混じってるんだなってつくづく思った。でも住まわせてもらっている以上反抗はできなかった。前に少しだけ反抗したことがあったんだけどその時は ーなんであんたが私に反抗してんの?こっちに勝手に住んでるくせに、しかも妹なんだから姉に向かってあーだこーだ言うんじゃねぇよって別に勝手に住んでるわけじゃないし逆にあいつが私に勧めてきたくせにそれが無かったかのように言いやがって。姉が何とか分かんないけど私は一瞬にしてあいつのことが大っ嫌いになった。もう姉でもなんでもない。私を奴隷のように扱う悪魔のような女王。しかも自分になにか不幸なことが起きたり、失敗したりすると私に理不尽な怒りをぶつけるの。こうなったのは全部お前のせいだ!お前がいなければ良かったのに!ってそういう時私はイラつきよりも変が勝ってたまに笑いだしそうになる。そういう時は違うことを考えて無視するようにしてる。反抗すると絶対面倒臭いから、これが大人の対応って感じ?そんな中心を救われたのはやっぱ悟くんだった。きれいな瞳で見つめてきてか細い声で大丈夫?と心配してくれて。そんな声で言われると疲れも何も吹き飛んだ。もう私は悟くんにしか興味が無くなった。悟くんを自分の息子のように可愛がった。でもそんなある日悲劇が訪れたの。どんな家庭でも不幸は来るけどとうとうこの家にもやってきた。悟くんが急に苦しみ出して、さすがにあいつも心配して病院に行くことにした。MRIなどの機械に悟くんは怯えてたけど我慢して検査を頑張ってたそして出た結果が名前は長すぎて忘れちゃったんだけど、かなり重い病気で最初は何ヶ月間か入院することになった。それと同時に余命宣告もされたの。私も隣にいたけど衝撃を受けた。あいつも驚いて動揺してた。それもそうだろう自分の愛息子なんだから。私の心にもぽっかりと穴が空いたような感じがしてここに住んでいるのは悟くん目当てでこの2人の目的で住んでいるのではない逆に一緒に住むのは嫌だったけどしょうがなしにその2人と住み続けることにした。余命宣告されてから2時間後。家に戻った私たちは電気もつけずに薄暗い夜の街灯が私たちを微かに照らしながらお姉ちゃんは泣いてた。お得意の泣き芸だ。嗚咽のような泣き方で尋常じゃなかった。するとまた私に対する理不尽喧嘩。ーお前せいだ!お前がちゃんと悟のこと見なかったから悟があんな目にあっちまったんだ!私は何も言い返さなかった。でも病気が私のせいになるはず無い。もし早く見つかっても結果は同じ。余命宣告されて私が理不尽に怒られるだけ。それから毎日悟くんのお見舞いに行った。飽きられても構わなかった。それから数ヶ月経った後にやっと退院することが出来て、悟くんはとても嬉しそうだった。この時あいつは仕事だったから私が代わりに迎えに行くことになったのそんな道中だった。どこかで見覚えのある後ろ姿だった。正面を見てみるとあいつの夫だった。若い女性と何か話してる。その後夫はその若い女性の手を握りそのままキスをした。悟くんはその光景を見て不思議に思っていたけど私はすぐに不倫だと分かった。その光景から1週間後あいつにまた悲劇が訪れた。夫に離婚を切り出されたの。もちろんあいつは理解が出来なかった。多分夫は、あいつの態度に我慢が来て不倫相手と暮らすことを決めたのだろう。するとあいつは泣くと思ったらまるで化け物のような叫び声で近くにあった小物を投げ飛ばした。あまりにも激しかったから止めることが出来なかった。そんな修羅場に悟くんが来ちゃったもんで、危ないよって避けさせようとした瞬間あいつが投げた小物が思いっきり悟くんの頭に当たって私は小さい頭から赤い血が出るのを見逃さなかった。そのまま倒れた悟くんは目を覚まさない。我に返ったあいつは極度に悟くんの心配をしてた。そのうちにあの最低夫は隙を見て逃げて行った。すぐに私は救急車を呼び悟くんは救急搬送されたんだけどもう遅かった。そのまま救急車内で悟くんは息を引き取ったの。あいつは悟くんを殺した。自分の愛息子を殺したんだ。私の宝物と言っても過言では無い。私は悟くんに色々と救われてきたのあいつのせいで悟くんは・・・なんにも悪くないのにあいつが投げた物に当たって死ぬなんて。でも多分あいつも想定外の事だったと分かっているけどあいつは私に色々と文句を言ってきたやつだ。あいつにお前が投げた小物のせいで死んだと伝えた。電話先でも泣いていることが分かった。とても悲しそうな声をして、ー私のせいだ、私のせいだって自分に言い聞かせてた。その後私は家に帰ったんだけどあいつの姿が無かった。コンビニでも出かけたのかと思ってたけどバックも財布もあったから公園にでも行ったのかとでもこんな真夜中に公園に行く理由はないんじゃないかな。そんな時置き手紙を見つけたの。その置き手紙にはこう書いてあった。「私のせいで悟は死んでしまった。私のせいなんです。私は私なりの償いをしなければなりませんここで謝っても悟には届きませんので私は悟に直接謝りに行きます。ありがとう、さようなら。」私その手紙を見てすぐにお姉ちゃんを探すことにした。ここからはお姉ちゃんって呼ぶことにするね。お姉ちゃんを必死に探したらお姉ちゃんが乗ってる車を見つけた。その後周りを探したけどお姉ちゃんは見つからなかったその後日お姉ちゃんが遺体で見つかった。崖の上からの飛び降り自殺だった。私にいじめをしてきたけど家族でもあり姉でもある私は少しだけ悲しくなった。だけど居なくなって清々したという気持ちもあって変な感情に縛られた。ここまでかな話は。ごめんね話長くなっちゃって。でも本当に優しいよね君は、こんなに長話したのに全然飽きずに聞いてくれてありがとう。
7月10日生瀬花梨(28)が自宅で死体となって発見された。
終章
友人と話してから3日後、花梨は悟君が眠っている墓に、墓参りすることにした。この日は生憎の雨であり小さな水たまりがレインコートを着ている花梨を波打ちながら写っている。あまりにも雨が凄くて一旦中止しようかとも思ったが花梨はこの大雨の中行くことを決意した。同じ霊園に智美の墓もあったが同居していた時に見下されていた恨みがあるため花梨は智美の墓にはお墓参りしなかった。罰が当たるかも知れないと思ったが、お構い無しに智美の墓を通り過ぎた。悟君の墓の目の前に立ち止まると花梨はゆっくりと両目を閉じ、手を合わせた。いつもより長く集中して祈り続けた。目を瞑るとそこには悟君との思い出が鮮明にフラッシュバックしていた。懐かしい思い出が頭の中で過りふっとニヤつくこともあった。花束を置き花梨は後にした。花束は色鮮やかで僅かに赤色の花が多く、雨雲の中から太陽が出て、花に付いていた雫がキラキラと輝いている。花梨はレインコート脱ぎ、スキップするような歩き方で帰って行った。その後ろに花梨のこと見つめる人物がいた。黒いコートを頭深くまで被りサングラスとマスクをしていた。ストーカーか、花梨も気にしてはいたが大好きなテレビが始まる時間なので無視をした。すっかり暗くなった街に街灯が点くと、その街灯に大量の蛾が集まるのを見た。少し肌寒くなり鍵を開け花梨は家に入った。電気を点けようとしたが何故か点かない。街灯は点いていて近隣の家も明るくなっている。暖色系のライトや寒色系のライトだと分かるほどに電気料金を払っていなかったためか、でも毎月花梨は忘れずに払っている今月もしっかりと払っていた。そしたらなぜ。携帯のライトを点け一先ず上がった。音も無い家では歩く度に床が軋む音が耳障りのように響いてきた。携帯のライトで目の前を照らしいたその時だった。後ろから何かが駆け走るような音がした。花梨は恐怖におののき後ろを振り返るのを躊躇った。でもその選択が間違いであった。花梨は思いっきりハンマーのような鈍器で殴られた。頭から血が流れる。その場で倒れた花梨は頭に血を流しながら横に立っている人物が誰か確認した。そこにはいつも見た事がある顔だったそれは、智美の夫の功夫(いさお)だった。功夫は妻を殺したと勘違いして花梨を殺害する事にした。だったらなぜ功夫はあの時逃げ出したのか本当に智美のことを愛しているのなら不倫もせずにそのまま智美のことを守ってあげれば良かったのに。そもそも家族が崩壊した一番の原因は功夫にあるはずだ。功夫が不倫して離婚届を出さなければあんなことにもならなかったはず。でも今目の前にいる功夫は全く反省している様子は無い。そのまま花梨は死んでしまった。殴られたのは1回だけだったが当たった場所が悪く大量出血により死亡した。死体となった花梨を見て不敵な笑みを浮かべた。そのまま花梨の死体を放置し消えていった。その後功夫の行方は今も不明だ。