テラーノベル
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タイトル:その呼び方、ずるい
撮影の合間、スタジオの片隅。
スンリは設営されたモニター横に座りながら、MV撮影の様子をじっと見つめていた。眩しい照明の中、ジヨンが真剣な顔でパフォーマンスをする姿は、家で見る姿とはまるで違う。
👼「かっこいいっすよね、ジヨン兄さん」
横にいたテソンが、ふとスンリに声をかけた。
🐲「……はい。いつもと違って、ちょっと驚きました」
👼「んふふ、それはね〜、誰でも惚れるって」
そこに、紙コップの水を手にしたヨンベがやってきて、スンリに差し出した。
👼「水、飲んどきな。空気乾燥してるから」
🐼「あ、ありがとうございます」
素直に受け取りながら、スンリは二人に囲まれるように座った。
👼「スンリくんってさ、ジヨン兄さんのこと普段どう呼んでるの?」
🐼「え? ……えっと、『ジヨン兄さん』、ですかね。家でも、そう呼んでます」
テソンがなぜかニヤニヤしながら、ヨンベの肩をポンと叩いた。
👼「やっぱりな〜。じゃあさ、ちょっと提案なんだけど」
🐼「はい?」
👼「“オッパ”って呼んでみたら? ジヨンオッパって。絶対反応おもしろいと思うんだよね〜」
☀️「おいおい……」ヨンベが苦笑しつつ、「でも、それちょっと聞いてみたいかも」と乗っかってくる。
🐼「……え、でも、そういうの、気恥ずかしいというか……」
👼「いやいや、大丈夫。俺らには普段あんなクールぶってるくせに、たぶんめちゃくちゃ動揺するから」
👼「スンリくんの声で言われたら、ぜったい赤くなるよ」
そう言われたら、ちょっとだけ見てみたい気持ちが出てきた。
少し悩んでから、スンリは深く息を吸った。
⸻
撮影がひと区切りついて、ジヨンが水を取りに戻ってきたタイミングだった。
スンリは立ち上がって、少しだけ背筋を伸ばす。
🐼「……あの、ジヨン……オッパ///」
スンリが若干ジヨンの事を見上げながら言う
ジヨンの動きが、止まった。
水を取ろうとしていた手がわずかに震え、目だけがスンリのほうに向けられる。
その顔には、明らかに「予想してなかった」反応が浮かんでいた。
🐲「……っ、何、急に///」
視線をそらし、耳がうっすら赤く染まる。
🐲「いや、別に……お前、そういうの、やめろよ。気持ち悪ぃ……/」
声は冷たいが、どこか嬉しそうで、妙に言葉がまるくなっていた。
後ろからクスクスと、ヨンベとテソンの笑い声が聞こえる。
👼「やっぱり赤くなったー!」「かわいい~兄さん~」
🐲「……うるせえ、お前らマジであとで覚えとけよ」
ジヨンは照れ隠しのようにキャップを深く被り直し、水を一気に飲み干してその場を離れた。
⸻
それから少しして、スタジオの裏手。照明の届かない静かな場所。
ジヨンは壁にもたれながら、深くため息をついていた。
🐲「……なんであいつ、急にあんなこと言ったんだ」
🔝「かわいかったじゃん」
隣に来ていたTOPが、肩を軽くぶつけて笑う。
🔝「お前さ、照れてんのバレバレ。あれ、俺でも笑いそうだった」
🐲「は? 別に……照れてねぇし。あいつが変なこと言うから、驚いただけだし」
🔝「はいはい。不器用ジヨン様の、最高のリアクションいただきました〜」
🐲「……マジでうるせえ、お前」
ジヨンが顔をしかめると、TOPはふっと笑って言った。
🔝「でも、良かったじゃん。お前、最近ずっとあの子に距離置かれてる気がするとか言ってたろ」
ジヨンは何も言い返さなかった。ただ、ふいにスンリの顔を思い出す。
——照れながら、それでも勇気を出して呼んだ「オッパ」。
少し、胸の奥がくすぐったかった。
刑務所の方のスンリと大違いですね笑
コメント
1件
スゥゥゥゥ(゜-゜) これは、…天使ですね…💖 もうスンちゃん可愛いすぎます