歌詞パロ💛💙(NOスノ歌)
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とある時代のある場所
この街は裕福で幸せそうな雰囲気が表立っているが、見えない一部の場所は薄暗い廃れた雰囲気が漂っていた
これは、そこで生きている少年の物語ーーー
「こらっ!!お前っ!また盗みやがったな!」
表通りにあるパン屋の主人の怒号が飛ぶ
周囲の人間が何事だと振り返る中、 追いかけてくる小太りの主人には決して追いつけないであろうスピードで人々の合間を風のように走り逃げる少年
少年は、守ってくれる人間もおらず、ただただ日々空腹を満たすためにひとり、盗みを覚え、風のように走る術を覚えた
窃盗という犯罪を犯しながらも、走る少年の心は清らかで穢れることはない
ただ、“生きる”ために、生きているだけなのだ
天国も地獄でさえも、ココよりマシなら喜んで行ってやるが、結局のところ誰もそんなこと知らないから
『人は皆、平等』
などと嘯くこの廃れた世界で生きていくしかないのだ
パンを抱いて、主人を撒き、路地裏を曲がったところで足を止める
そこには小綺麗な格好をした貴族であろう太った男とその使用人数人に商人のような男たちが数人行列のようにゾロゾロと歩いていた
視線を合わせないようにすれ違うと、 その中に1人、ボロ布のような服に身を包まれ商人に引き摺られるように歩く少年に目を奪われ思わず立ち止まる
汚れた服を着て、髪の毛も肌も決してキレイとは言えないが、その少年はとても美しかった
キラリと輝く金色の耳飾りが少年の美貌を際立たせている
「貴様、何を見ている!去れ!」
「っ……」
ブクブクと太った貴族が声を荒げ、少年は無言でその場を去る
去り際に、行列の中の少年と目が合った
この街には、見えないところで人身売買が横行している
それは臓器の売買であったり、労働奴隷、性奴隷……
この少年はきっと、遠い街から売られてきたのだろう……
一瞬目が合いすぐに逸らされたその美しい瞳には涙が浮かんでいた
一旦その場を離れたが、そっとバレないように後をついて行くと坂の上の豪邸に行列は吸い込まれていった
それを確認して少年は暗い街の中に戻り、闇の中で空腹を満たした
翌日、日が傾いたころ再度豪邸の前へ
見張りのいない塀をよじ登り、広い庭に入ると目に入った小さな離れ
なんとなく、そこにあの少年がいるような気がしてそっと近付く
離れの入り口には格子が頑丈に付いていて、簡単には開けれないようになっていた
裏側に回ると小さな窓、ここにも格子が付いている
覗き込むと、上等な布の、しかし簡素な衣類に身を包んだあの少年が1人座り込んでいた
建物の周囲を見渡し、小さな格子のついた空気穴を見つける
「おい」
「え……?」
声をかけると中から耳障りのいい声が
「誰……?」
「売られてきたのか?」
「………キミは誰?」
「俺はヒカル、この街に住んでる……って言っても家はないけど」
「ヒカル……何しに来たの?」
久しく人に名前を呼ばれたことなどないヒカルは少年の口から呼ばれた自分の名にドキッとした
「昨日、お前を見かけて気になって」
「……」
「お前、名前は?」
「……ショウタ」
「ショウタ、ここに売られたのか?」
「……そうだよ、家が商人だったんだけど詐欺にあって……親に奴隷として売られた」
なんてことないように言うショウタ
この世の中では親に売られるなどよくある話なのだ
「この屋敷で何をさせられてる」
「さぁ?ここの主人が家をしばらく空けてるみたいで今のところただここにいるだけ」
「……なら、俺と一緒に逃げよう」
「は?無理でしょ」
「助けてやる」
「どうやって?売られた以上、俺にはもうどうしようもないし、ヒカルにそんな力あるの?」
「………でも」
「いいよ、俺はもうどうなったって」
「そんな……」
自嘲気味なショウタの声に言葉を失った時、屋敷の方から気配がした
「っ、また来るから」
そう言って、ヒカルは屋敷を離れた
何もできなかった自分に腹が立って走りながら叫ぶ
このままじゃきっといつかショウタはあの太った主人の穢れた手に……
そう想像できるくらい、窓から見たショウタの見目は美しかった
家族も家もなく路頭を彷徨うヒカル
家族に売られて思考を放棄しているショウタ
何故神様は俺たちを愛してくれないのか……
ヒカルはそんな事を思いながら暗い街を叫びながら走った
それから数日
毎日ヒカルはショウタの元に通った
「ねぇ、一緒に逃げよう」
「……だから無理だって」
毎日繰り返される会話
「逃げたところで、俺に行く場所なんてない」
「俺と一緒にいればいい」
「ヒカルはなんでそんなに俺にかまうの?」
「……ショウタの事が、好きだから」
「………ありがとう」
「絶対助ける、待ってて」
「………」
同意はなかった
翌日
街が寝静まった夜
ヒカルはとある屋敷に忍び込んだ
そこはたくさんの武器をコレクションしていると有名な豪邸
窓を割ってすぐに目に入った長剣を手に取る
ガラスが割れる音に気付いたのだろう
人の気配が近付いてきて、ヒカルは慌てて剣を抱えて屋敷から逃げ出した
「絶対助けるからな……ショウタ」
風のように走っていた姿には程遠く、重たい剣を引き摺りながら目的の屋敷までの坂を登る
しかし、辿り着いた離れにはショウタの姿はなかった
嫌な予感がして屋敷を見上げると薄らと光が漏れている部屋が
どこにそんな力があったのか、ヒカルは剣を振り上げ屋敷の窓を勢いよく割った
「誰だ!!」
すぐに何人もの人間がヒカルを取り囲む
「うわぁぁぁぁぁっ!!」
この理不尽な世界の理に、怒りと憎しみを剣に込めただひたすらに振った
どのくらい剣を振り続けたのだろう
気付けば周囲は血で真っ赤に染まっていた
「……ショウタ……」
人間だったモノを踏みつけながら屋敷を歩く
長い廊下の中、1つの部屋のドアが開いていて光が漏れている
「ショウタ……っ」
血で濡れた剣を握ったまま、その部屋に辿り着く
そこには
ベッドの上、裸で座っているショウタが
「……ショウタ」
ヒカルの声にゆっくりと振り向いたショウタは微笑んでいた
目に光はなく、ただ微笑んでいた
その身体には陵辱の跡
「ふふっ」
痛々しい姿とは対照的にショウタは楽しそうに笑う
「だぁれ?貴方も俺を抱いてくれるの?」
ショウタの魂は壊されていたのだ
「ぅ………あ゛あぁぁぁぁぁぁっ!!!」
力を込めて最後の一振りをーーーーー
屋敷を後にし、1人坂を下る
泣くことすら忘れてしまった
ふと空腹感を思い出す
そういえば、ショウタと出会ってからほとんど食べてないことにヒカルは気づく
無理矢理重たい剣を振り回したせいで身体中が悲鳴を上げていた
でも身体以上に心が痛かった
ヒカルは耳につけた金色の耳飾りをそっと撫で、ゆっくりと暗闇の中に消えて行ったのだったーーーー
ーーー時は流れ
「翔太、ピアス戻ってきたんだな……」
照はメンバーの翔太をなんとなく眺めていた時、無意識に呟いた
「は?」
「え?」
怪訝な表情の翔太と、自らが発した言葉の意味を訝しむ照
「お前何言ってんの?」
「さぁ?俺にも分かんない」
「なんだそれ」
2人が出会ったのは偶然か必然か………
新しい2人の物語は続いていくのだった
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初ノベル
主が長年推しているアーティストさんの曲をお借りしました☺️
元になった曲分かる方いますかね……?
タイトルまんまにすると色々とバレそうなので変えてますw
分かった方がいたらぜひ教えてください👍
久しぶりにノベル書いたから文章とか変かも💦
コメント
11件
はじめてコメント失礼します。 ポルノグラフィティの「カルマの坂」じゃないでしょうか?違ってたらすみません💦
元ネタ知らんが、やっぱりバッドエンドw