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#日記
ねむ。@社長
75
こはる
1,094
なぁう♪
487
c)「おー!ツッキー、おはよー」
朔)『朝から元気だな』
c)「青春してる?」
朔)『してねぇよ』
a)「月城くん、おはよう!」
朔)『おはよう』
そんな会話をしていると——
ガラッ。
勢いよく教室の扉が開いた。
陽彩)「おはよーございまーす!」
c)「うぉ、高橋きた!」
a)「陽彩ちゃんおはよ〜!」
相変わらず明るい声。
教室の空気が一気に軽くなる。
高橋陽彩。
気づけば、自然に話すくらいには距離が縮まっていた。
陽彩は俺の机の横まで来ると、
にこっと笑った。
陽彩)「月城くん、おはよ」
朔)『……おはよう』
陽彩)「なにその間」
朔)『別に』
陽彩)「冷たっ」
そう言って笑う。
……いつも通り。
どこか、少しだけ違和感があった。
笑ってるのに、
どこか無理してるような。
朔)『高橋さん』
陽彩)「ん?」
朔)『……寝不足?』
陽彩)「え?」
少し目を丸くしてから、
陽彩は笑った。
陽彩)「なにそれ。クマできてた?」
朔)『いや、なんか顔色悪い』
陽彩)「気のせい気のせい!」
軽く手を振る。
いつもの調子。
……でも、少しだけ声が弱かった。
⸻
一時間目。
先生の声が静かな教室に響く。
黒板を叩くチョークの音。
ノートをめくる音。
俺は板書を写しながら、
ふと隣を見た。
手が止まっていた。
ペン先が、
ノートの上でぴたりと止まっている。
朔)『高橋さん?』
陽彩)「……え?」
反応が少し遅い。
顔を上げた陽彩の額には、
うっすら汗が浮かんでいた。
呼吸が浅い。
顔色も、朝より悪い。
朔)『大丈夫か?』
陽彩)「へーき」
笑う。
でも、その笑顔は弱い。
朔)『全然へーきに見えないけど』
陽彩)「だいじょ——」
カタン。
ペンが床に落ちた。
陽彩の身体がふらつく。
朔)『っ、高橋さん!』
咄嗟に腕を掴む。
倒れかけた身体が、
少しだけ俺にもたれた。
軽い。
思ったよりずっと。
陽彩)「……ごめ」
朔)『謝んな』
先生)「高橋!?」
c)「え、やばくね?」
教室がざわつく。
陽彩は立とうとするけど、
足元がふらついていた。
先生)「保健室行くぞ」
朔)『俺、連れていきます』
先生が少し驚いて、
すぐ頷いた。
先生)「頼む」
⸻
廊下。
教室の騒がしさが遠くなる。
静かな廊下を、
陽彩と並んで歩く。
でも、いつもみたいに軽い足取りじゃない。
歩幅が小さい。
呼吸も少し荒い。
朔)『無理すんな』
陽彩)「してないって」
朔)『してるだろ』
陽彩)「……」
返事がない。
珍しい。
いつもなら、
何か言い返してくるのに。
少しして。
陽彩が小さく笑った。
陽彩)「月城くんって、結構怖いよね」
朔)『は?』
陽彩)「すぐ見抜く」
朔)『分かりやすすぎるだけ』
陽彩)「ひどーい」
声は笑ってるのに、
やっぱり弱い。
⸻
保健室。
薬品の匂い。
白いカーテン。
静かな空気。
保健室の先生が、
陽彩をベッドへ寝かせた。
保健室の先生)「少し休みましょう」
陽彩)「……すみません」
先生)「謝らなくていいの」
カーテンが閉まる。
俺は外の椅子に座った。
戻れと言われれば戻れる。
でも、足が動かなかった。
数分後。
カーテンの向こうから、
小さな咳が聞こえる。
息を整える音。
弱々しい声。
陽彩)「……また迷惑かけちゃった」
先生)「迷惑なんて思ってないわ」
少し沈黙。
先生)「また、無理して学校来たの?」
長い間。
それから。
陽彩)「……来たかったから」
朔)『……』
“また”。
その言葉が引っかかった。
先生が出てきた。
保健室の先生)「月城くん。ありがとう。もう大丈夫だから授業戻っても——」
朔)『……少しだけいます』
先生は少しだけ困った顔をして、
でも何も言わなかった。
⸻
静かになった保健室。
風で窓が揺れる。
カーテンが小さく揺れる。
朔)『高橋さん』
陽彩)「……月城くん?」
弱い声。
朔)『帰ればよかったんじゃないか』
陽彩)「大げさだなぁ」
朔)『顔、真っ白だった』
陽彩)「……見ないでよ」
その言葉に、
俺は少し黙った。
いつもの陽彩じゃない。
ふざけない。
笑わない。
ただ弱い声だけ。
朔)『心配するだろ』
陽彩)「……」
朔)『大丈夫って言っても、説得力ない』
沈黙。
返事がない。
俺は少しだけ、
カーテンを開けた。
白いベッド。
横になる陽彩。
顔色が悪い。
呼吸が浅い。
細い腕。
閉じかけた目。
初めて見た。
“元気な高橋陽彩”じゃない姿。
朔)『なんで隠すんだ』
陽彩)「……え?」
朔)『しんどいなら言えよ』
陽彩は天井を見つめたまま、
小さく息を吐いた。
陽彩)「……心配されるの、苦手なんだよね」
朔)『それだけか?』
陽彩)「……」
黙る。
視線を逸らす。
それだけじゃない。
そう分かった。
風が吹く。
カーテンが揺れる。
長い沈黙。
やがて。
陽彩が、
ゆっくり俺を見る。
少しだけ笑った。
でも。
その笑顔は、
今にも壊れそうだった。
陽彩)「月城くん」
朔)『ん?』
陽彩の唇が、
小さく震える。
そして——
陽彩)「……実は、私ね——」
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