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「まずは…優希に言うか」
優希は3歳からの幼なじみで、1番付き合いが長くなんでも相談する仲
「もしもし」
『もしもし?久しぶり笑』
1年ぶりに聞いたこの優しくて明るい声
「うん、久しぶり」
『どしたの?なんかあった?』
「今日はね、伝えなきゃ行けないことがあって…」
『なに?』
「私ね、」
一息置いて続ける
「あと半年しか生きられないんだって」
『…え?』
電話口から息のような声が聞こえた
『嘘だろ?なんで…』
「昔から心臓悪かったでしょ?それがもっと悪くなったんだって」
『「だって」って…他人事かよ』
「あははっ笑でも怖くないし、言われた時も「そうなんだぁ」くらいにしか思ってなくて…」
『お前、それ嘘だろ?』
「なんで?」
『お前は誤魔化す時絶対にわざとらしくあははって笑うから』
やっぱり優希には全部お見通しなんだな
「うん、怖いよ。本当はめちゃくちゃ怖い。みんなに会えなくなるし…お父さんやお母さんに怒られちゃうし笑」
私の両親は既に他界している。今私が死んだら向こうで絶対に怒られるだろう
『……俺も怖いよ。遥に会えなくなるの』
「…ねぇ、今度一緒に水族館行こうよ」
『は?水族館?』
「水族館、一緒に行こ?ちょうどイルミネーションもやってるし!あ、彼女とかいる!?浮気になっちゃう」
『いや、彼女はいないよ。お前が大丈夫なら俺はいいけど…』
「やった!じゃあ、今週の土曜日の13時に駅ね!優希との最後の思い出作りだね」
『…最後とか言うなよ』
ちょうどここは電波が悪くて聞こえなかった
「うん?なに?」
『なんでもない。土曜日だな。楽しみにしとく』
そう言って電話は終わった
(最後に…気持ちを伝えよう)
私はある決心をして、土曜日を迎えた