「ハ? 」
声に出たのも感情が押し寄せた声だ
何故この人は俺を人外だと見抜けたのか
そんな疑問でいっぱいだ
親以外知らない事なのに
知らない人なのに
「ふは、なんでって顔してるね」
当たり前
だって、一度もバレた事ないのに
知らない人にバレた
バレたバレたバレたバレたバレたバレたバレたバレたバレたバレたバレたバレたバレたバレたバレたバレた
お母さんの約束破っちゃった
バレて過ごしたら、狙われるって
ゆうれい…、は狙われるって
この人もジンガイって言う奴らしい、 だけどそれも信用ならない
ジンガイも狙ってくるかもしれない
早く逃げないと
そう思っても、足が震えて立ち上がらない
なんとか重い体を起こせたが歩けない
息がどんどん荒くなる
頭が混乱する
言葉…単語で頭がいっぱいになる
何も、知らないくせに…
ふとそう思った
「君は、なんの人外?」
「…」
彼は俺に問いかける
だけど俺は無視を貫き通す
ジンガイっていい事なの?
俺は、どうなの?
俺ってなんなの?
自問を繰り返す
自答はしない
分からないから
俺という存在が分からないから
街の鐘が鳴る
ゴーンゴーンと頭に響く音で
この時間帯に帰らないと怒られてしまう
殴られてしまう、約束を守らなければ
俺は彼を無視して足を何とか立ち上がらせ、その場から去ってしまった
「またね」
そう小さくつぶやく彼の言葉を聞いて逃げた
彼の言葉の意図を掴んで
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