第五話:真実の波紋
翌朝、嵐は去り、灯台は無事だったが、周囲には木片や小さな瓦礫が散らばっている。紗夜と蓮は朝靄の中で互いを見つめ合い、一晩の衝撃を共有する。
蓮は静かに紗夜に、自分が見た記憶の断片を話す。幼い頃、誰かと灯台近くで過ごしたこと。波の音、懐かしい声。そしてその人物が “父” と何らかのつながりを持っていたような気がするということ。
紗夜はその言葉に動揺しながらも、自分の父が灯台守として働いていた話を始める。父がランタンを大切にしていたこと、そしてある夜を最後に帰ってこなかったこと。彼女は涙をこらえながら、自分の胸の奥にある後悔と寂しさを語る。
蓮はその話を聞き、自分の記憶との重なりを感じる。そして、紗夜にこう提案する。「一緒に過去を調べよう。君の父さんと僕の記憶が繋がっているかもしれない。」