第六話:再会の灯
紗夜と蓮は灯台守のおばあさんのもとを訪ねる。彼女の家には古いノート、古写真、父の家具が残っており、それらを通じて二人は過去を探る。おばあさんは静かに昔を語り、父が灯台を守っていた日々、そして蓮の幼少期の話が交差していたことを示す。
ノートには、父が夜ごと記していた日記のような文章があり、そこには蓮の名前や、彼との交流を示す断片がある。古い写真には、灯台のそばで笑う少年と、若き灯台守の父。二人はその写真を見つめ、お互いの顔が重なるような錯覚を覚える。
その夜、紗夜と蓮は協力して一枚の大きなキャンバスに絵を描く。テーマは「海と光と記憶」。紗夜がランタンを掲げ、蓮が波を描き、そして背景には星空と灯台。筆を交わしながら、彼らは心を通わせ、過去と現在が一つになっていく。
蓮は絵を仕上げながら、「僕は自分の過去を怖がっていた。でも、君と一緒なら受け入れられるかもしれない」と告げる。紗夜は涙をこぼしながら、「私はずっと待っていたけど、これからは自分で光を灯す」と静かに誓う。