テラーノベル
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愛氷ちーちゃ@50fwせんきゅ
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#おふざけ☆
桜木ぁろ
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うちよそ
OCしか出てこない。話が全体的に重いし暗い。色々雑。微閲覧注意
一時的に帰ってきました。二次創作の投稿はもう少しお待ちください。
私生活との両立が難しく、投稿頻度は相変わらず不安定です。二次創作の方も少しずつ着手していますが一ヶ月以内に投稿されたら次の日に槍が振ります(大嘘)
含まれる内容
暴力、流血表現
母から浴びせられる罵倒をぼんやりと聞き流していた。
「あなたのような子を相手にするのはもう疲れた」
その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。いつかのために枕の下に隠していたそれを握りしめて思い切り振りかぶった。ゴン、と鈍い音が鳴ったかと思えば、悲鳴を上げて何か喚いていた。何を言っているか分からなかったけど、聞いてるだけで耳が痛くなって、うるさくて。だからもう一回振りかぶって、頭に振り下ろした。
ぬるりとした感触、まだ生温かい。でも、もう喚くことも動くこともなくなった。苦悶の表情を浮かべたまま動かないのを見ても、どうしても死んでいるようには感じなかった。追い込むように心臓めがけて何度も振り下ろした。骨が折れる音が疲れ切った心には酷く心地よかった。
私はこの日、自分の母を手にかけた。
動かなくなった母を引き摺って、山奥に母の死体を埋めた。煩わしい娘に振り回されることもなくなって、母もきっと喜んでいるだろう。
この辺りは治安が悪い。人殺しの容易い地方に住んでいてよかった。そう思うのはこれが最初で最後。
どこかもわからない場所に逃げたい。誰も、何も知らない土地に。
逃亡するため、殆どない私物を纏めて身支度を終えてから、父と兄に電話をした。母のことを仄めかすと、大して興味もなかったらしい。
「運が悪かったんだ。」
二人が無関心そうに言っていたその一言だけをやけに鮮明に覚えている。
家族にそこまで無関心になれるものなのか。普通がわからない。
お気に入りの黒い大きなフロッピーハットを被って逃げることにした。他者からの視線を遮れるというのは嬉しいもので、これなしで外に出るのはあまり好きじゃない。もちろん私自身が帽子好きなのもあるが。
朝も昼も夜も関係なく、ただふらふらと歩き回って、疲れ果て、そのまま眠りに落ちる。それを何日か繰り返していたら、活気に満ちた街に流れ着いた。
街を歩いていると、好奇の目で見られているのに気がついた。好奇、不安、軽蔑。でも害意のある視線はない。ただ、不快なことに変わりはない。
居心地の悪いまま進んでいると、肩に手を置かれた。
急な接触にびく、と体が跳ねた。
恐る恐る後ろを振り返ると、腕を組んで立っている女性がいた。その人は上から下まで全身をくまなく見ると、眉をひそめて言った。
「あんた、こんなところでなにしてんだい。あんたみたいな若いのが来る場所じゃないよ」
四十代後半ぐらいの老婦人。汚れて擦り切れた服を見て何かを察したのか、溜息をついた。
「行くところがないなら、うちに来な。衣食住は提供してやる。その代わり働いてもらうよ。」
言い終わると踵を返して何処かに行こうと歩いていった。
悩んでから、老婦人の背中を追いかけることにした。行き場所がないのは事実だったし、この生活にもそろそろ限界が来そうだったからちょうどよかった。
「来たんだね。まずは風呂に入りな。そのままの格好であるかれちゃうちの評判に関わる。ついてきな」
ついていくと広くもないが狭くもない風呂場に入った。
「置いてあるものは好きに使いな。風呂で体を綺麗にしたら、洗面所に置いてある服に着替えて私のとこに来る。」
「…はい。」
老婦人が何処かにいってから風呂に入る。温かいシャワーに温かい浴槽。髪も体も洗えて心地良い。
体を拭いていると、鏡に自分が映る。傷だらけで顔色もよくない自分。見飽きた顔。でも清々しい表情だったと思う。
「…あがりました。」
返事は返ってこない。洗面所には老婦人が置いていったであろう新しい洋服。華やかさはないがシンプルで私は結構好きかもしれない。
通った道を辿って老婦人を探す。カウンターで本を読んでいたが、こちらに気がつくと本を置いてこっちに来た。
「だいぶマシになったね。ここは遊郭だ。本当なら、あんたはここで遊女として働いてもらうつもりだったんだけど…」
袖から覗く傷を見たのか、老婦人はいい顔をしない。
「そんな体で遊女が務まるとは思えないね。治るまでは雑用係だよ。」
その言葉に少し安堵した。
老婦人になんて呼んだらいいか尋ねると、女将さんと呼べと言われたから、あの人はここの女将。
女将さんの言った通り、遊女の仕事はできなかった。母からつけられた傷が醜いから。だから雑用ばかりしていた。
「顔はいいのに勿体ない。」
そう言われることにも慣れてきた頃、一人の変わったお客さんが来た。
「違う。」
整った身なり、上品な振る舞い、穏やかに微笑んでいた。自分に寄ってきていた遊女を全員、違う、の一声で一蹴していた。
「静かな子がいいな。私は、人と話すのに慣れていないんだ。」
彼の指名に女将さんも困っていた。ここで静かな遊女は珍しいし、彼のお眼鏡に適うかも分からない。女将さんと彼の声を聞き流しながら掃除していた。そうしたら、足音がどんどんこっちに近づいてきて、ふと顔を上げたら、彼が側に立っていた
「ねえ、君は?さっきから掃除ばっかりしてるけど…」
意外だった。美しく着飾って、華やかに笑う遊女じゃなくて、汚れた服を着て、無表情で掃除する私を見ていたなんて。ただ、私はお客さんと話すことを許可されていない。私は主役じゃない、主役を引き立てる脇役だから。
「女将さん、かなり多めに払うから、この子は駄目か?」
じゃら、彼が取り出した袋からは硬貨同士が擦れる音が鳴っていた。
「…物好きだね。いいよ、好きにしな。」
女将さんが袋を受け取って中身を確認すると、ほんの一瞬目を見開いていた。女将さんのあの表情は初めて見た。
「話が分かる人で良かった。じゃあ行こうか、お嬢さん。」
「行くってどこに?」
「え、外だよ、外。歩きながら話したほうがスッキリするでしょ?」
「話すだけなら遊郭じゃなくてもいいじゃないですか…」
「へえ、ここが遊郭なんだ。知らなかったな。」
あはは、まあいっかと笑顔を浮かべる彼に無性に腹が立ったが、ここで手を上げるほど野蛮じゃない。彼に引っ張られて外へ出ると歩き出した。
「…で、なんで私を指名したんですか。」
「なんで、って…うーん。正直、勘で決めたから明確な理由はないんだよね。まあ、強いて言うなら着飾ってなかったから、かな。」
「変な人ですね。」
「よく言われる。」
「でも、君は綺麗だよ。着飾らなくても、そのままが一番いい。」
「ありがとうございます。」
やっぱりこの人は変な人だ。
アレシアが来店するようになってからはや数ヶ月。私ばかりを指名する変な客として他の遊女にも認識されてきた。穏やかで割と優しいし、知らないことは色々教えてくれる。アレシアの持つ何かに対して何だかんだ惹かれているのかもしれない。
そういえば、初めて会ったときは男性だと思っていたけど、実際は女性だったなんてこともあったな。
珍しく室外で人の少ない道を歩いている時、アレシアが少し真面目な顔で切り出した。
「ねえ、イオ」
「自由が欲しいとは思わないの?」
「急ですね。」
「私は自由がないのって凄く苦痛なんだけど、イオはそうじゃないのかなって。」
「…まあ、苦痛じゃないと言ったら嘘になりますね。」
「なら、どこか遠くへ逃げようよ。誰も私たちのことを知らない、私たちだけの夢の世界に。」
「そんなの無理ですよ。私にはここしかない。」
「…でも、ここにいても何も変わらない。物語を変えるのはいつだって自分自身だよ、イオ。」
やっぱりこの人は変な人だ。私のことを知らないのに知ったような口を挟む。知らないはずなのに全て知られてる気分になる。
でも、この人となら良い気がして来る。
「私と一緒に逃げてくれる?」
「……俺でいいんですか?」
「私は君と一緒じゃないと嫌だよ。
…どうしたい?逃げる?それともここにいる?」
差し出された手。一見細くて折れてしまいそうだけど、筋肉もついていて心強く見えた。
どうせ変わらない運命なら、賭けてみてもいいんじゃないだろうか。
震える手でその手を取った。
予想外だったのか少しの間が生まれ、やがて嬉しそうに微笑んで手を握った。
「もう戻れないからね、イオ。」
握られた手を引っ張られる。痛くはない、でも振り切れない。
走れる?と聞くアレシアに、流石に走れますよ。なんて笑って返す。
「じゃあ、ちゃんとついてきてね。」
その言葉を皮切りに、速度がどんどん上がっていく。背後から複数の足音が聞こえる。見られていたのに気づいていなかったのは私だけだったらしい。アレシアは動揺すること無く私の手を握ったまま走った。
「アレさん、気づいてたなら教えてくれればよかったのに、」
「あは、ごめんね?あんまり時間が残されていなかったから、仕方なくだよ。」
適当なアレシアを不満そうに見つめても、返ってきたのは適当な笑い声だけだった。
「今から逃げるけど、追いかけられるから気をつけてね。」
「言うのが遅いんですけど?」
アレシアが言った通り、背後から足音が聞こえる。捕われたその先には、きっと私たちにとって明るい未来はない。
私は再び遊郭に戻され、アレシアは二度と外に出られない。陽の光も見れるか分からない。
「イオってば、随分と人気者だね?」
「軽口叩いている暇があるなら、この状況なんとかしてくださいよ、!」
「あはは、どうしようもできないかな!」
へらっと笑っている。今がこんな状況じゃなければ何とも思わなかっただろうに、今見ると物凄く苛ついた。
この逃走劇に終わりはない。どこまで行っても彼らは追いかけるのをやめないだろう。
住宅街を駆け、閑散とした商店街を駆け、森を駆け、獣道を駆け。
やがて行き止まりについてしまった。
眼前に広がる底の見えない谷底。初めて手にかけたあの日よりも怖いはずなのに、不思議と恐怖はなかった。私には、どこまでも行く足があっても、どこかへと行く勇気がなかった。笑える話だ。あの日にすべて断ち切ったつもりだったのに、実際には切れていなかったらしい。
決して離さないように繋いだ手を握りしめた。温かい、生きている人間の体温。
二人で顔を見合わせると、アレシアがくす、と小さく笑う。
「次は上手くいくといいな。」
「次があるかはわかりませんけどね。」
一歩、二歩、三歩。
貴女と二人ならきっとどこまでいっても楽しいから。
よその子
イオ
母殺しの華。希望の少ない人生だった。一人称は私、俺。
うちの子
アレシア
華攫いの姫。自由の少ない人生だった。一人称は私。
相互のいむとさん宅のOCちゃんをお借りしました。ちゃんと出演許可は得ました。
冒頭が割と設定そのままなのは内緒
コメント
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読み終えたよ〜!重くて暗い世界観なのに、なぜか目が離せなかった…😭 イオが母を手にかけるシーン、衝撃的すぎてしばらく動けなかった。でもアレシアとの出会いで少しずつ変わっていく感じが、すごくエモかった。最後の逃走劇、二人で飛び込むところ、切なすぎる…!次は上手くいくといいな、って願わずにはいられない。続きが気になるよ〜!🌸