注意/ここから自傷行為が入ります。イラストはありませんが、嫌な方は飛ばしましょう。
ーもう僕を放っておいてよー
僕は隣にある机に置かれた、カッターを手に取る。
そして、腕に巻かれた包帯を外して、
MZD「………」
その傷に思いっきり刺した。
MZD「うっ、ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ッ”!!!!」
刺したところから流れ出す血を見ると、もっと痛みが増すような気がした。
でも、
これで良いんだ。
誰も助けてくれる人なんていやしない。
それだったら、
1人で苦しみを抱えるより、さっさと終わらせたほうが楽な気がしていたんだ。
僕の目からは涙が大量に出ている。
そのうちの左目だけは、包帯のせいでさえぎられているけれど。
(やめろ。)
僕は傷にカッターを刺し続けた。
死ぬほど痛い痛みに耐えながら。
少しでも刺すのをやめたら、気絶してしまいそうだったから。
だから僕はずっと刺し続けた。
(そんなことをするな。)
刺し続けていくうちに、痛みが消えていくような感じがした。
そのうち涙も止まっていったが、
傷は刺し続けている間永遠と広がり続け、血は止まらない。
その間も、床は血の海になっていった。
ずっと刺していると、貧血になって来たのか、睡魔が襲って来た。
少しでも目を瞑っていたら、そのまま眠りについてしまいそうなほど。
だから、僕は気絶する前に、
腕をカッターで貫通させた。
さっきまで無くなっていた痛みがまた襲いかかって来た。
そして僕はそのまま床に倒れて気絶した。
(もうやめてくれ。”神さま”。)
(お前が死んだら…)
僕はどれくらい気絶していたのだろうか。
気がつけば、昼の1時だったのが、夜の12時だった。
部屋は暗くて見渡しにくい。
立ち上がって部屋を移動しようとした時、
MZD「……うぐっ、!?ア”ア”ッ”、!!」
腕に激痛が走った。
そうだ、思い出した、
僕はカッターで腕を……
僕は咄嗟に腕を見る。
腕を見た時、信じられないことが起こっていた。
僕はカッターを腕に刺して気絶したため包帯など巻けるはずがない。
なのに…
僕の腕には血塗れの包帯が巻かれていた。
ここは僕の家だ。
僕以外に誰も住んでいない。
なのに、何故包帯が巻かれているのか、分からなかった。
相変わらず痛みはある。
僕は包帯を取ってみた。
包帯を取ると、手術後のような縫い目があった。
それで僕は気になったんだ。
MZD「……僕以外に誰かいるの、?」
そう考えるしかなかった。
しかし、返事は返ってこない。
やっぱり居ないよね…と思って落ちていたカッターを取る。
包帯を外し、
縫い目をカッターで切る。
そして、
また自分の腕に刺す。
早くこの世界から解放されたいという意志を持って。
死にたいという意志を持って……
(何故そこまでして死にたい。)
何度か刺していた時、微かに何かの声が聞こえた気がした。
しかし、どこを見渡しても何もいない。
MZD「……聞き間違い、だったかな…」
聞き間違いだったと思い、またカッターで腕を刺そうとした。
しかし、そのカッターの刃は、自分の腕には刺さらなかった。
何者かの黒い手に、そのカッターが刺さった。
(やめろ。)
(もうやめろ。)
そう言って、自分の影の中から現れた、黒い悪魔のような者。
その黒い悪魔のような者は、”花の目”のようなものでこちらをイラついた様に見つめて来た。
MZD「……え…」
(何故そこまでして死にたいという意志を持つのか。)
(少なくとも、俺には分からない。)
(だが、一つ言えることとして、)
(……お前はまだ死ぬべきじゃない。)
MZD「っ……」
(お前を必要とする奴がこの世にいることを忘れるな。)
(お前は”あの世界”を作る、たった1人の…)
(”神さま”だから。)
MZD「……神、さま、?」
(あぁ。そうだ。)
(俺はお前のことをずっと見ていた。影の中からな。)
(そして、お前を必要としている奴を見つけていた。)
(だが、お前は自覚していなかったんだな。)
MZD「………」
ソイツの言葉は、少し棘があるように感じた。
でも、決して、悪気はないという感じがしていた。
(お前がどれほど辛い思いをしているかはよく分かっている。)
(だが、死にたいなんて考えるな。)
全て、”僕のため”に言ってくれているのだと。
(ここから六本木へ向かえ。)
(お前を求めている者が何者なのかが分かる。)
(お前を求めている者を探し出せ。)
(いいな?)
そう言って、影の中へまた姿を消した。
いつに間にか、腕はまた縫われていて、包帯も巻かれている。
アイツの手を刺したカッターは、
床に落ちていた。
MZD「もし、さっきの方が言うことが本当なら……」
僕は部屋の電気をつけ、
緑色の帽子を取り、
血塗れになった服を着替え、
家を出て行った。
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