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ー思い出の川のうさぎと猫ー
夜中の2時。
すっかり人通りもなくなって、静かに風が吹いている。
六本木。
行ったことなどない。
それでも、自分を求めている者が居るのなら…
行かないということはできなかった。
お気に入りの川の目の前を通ろうとすると、見慣れないうさぎと猫がいた。
二匹で仲良しそうに川を眺めていた。
そこで、自分もこの川に来るのがもうないかもしれないと思って、
うさぎと猫の隣まで行って川を眺めていた。
そのうさぎと猫は、僕に警戒するどころか、寄り添って来た
それで、僕は話が通じないだろうけどと思いながらも、うさぎと猫にこう聞いてみた。
MZD「……君たちも、僕と一緒にくる、?」
まぁ、通じないよね…と思い、後ろを振り返る。
後ろを振り返ると、アイツがいた。
1号「よぉ、こんな夜中に何やってんだ?」
MZD「っ、?!」
こんな夜中に、アイツが居た。
後ろに仲間がいるのも見える。
1号「今度は小石は投げない。でもその代わりに…」
僕は嫌な予感がした。
でも、何をされるか分からない恐怖で体が動かなかった。
1号「お前の大好きな川で溺れて死んでしまえばいい。」
MZD「……え、」
そう言って、僕を川に突き落とした。
ここの川は普通の川よりも遥かに深い。
普通の人が泳いで上がって来れる深さじゃない。
2号「っはは!!お前本当に突き落としたんだなw!!」
1号「あったりめぇだろwここは普通の川より遥かに深いんだw上がって来れるはずがないw」
3号「流石にヤバいっすよww」
川の端で僕が沈んでいくのを見て笑う3人。
それを横で見たうさぎと猫が、ソイツらに威嚇しているのが聞こえる。
あぁ、僕は何も果たせないまま死ぬんだ。
……あの方の言うことも守れないんだ。
深く沈んでいくにつれて意識が遠のく。
そして、僕は……
(お前はまだ死ぬべきじゃない。)
(さっきも言っただろ。)
猫「ヴゥゥゥ…」
うさぎ「ヴゥゥゥ…!!」
1号「あ?wこんな動物ごときが俺らに威嚇か?w」
3号「コイツらも川に沈めてやったらどうだ?w」
(ヤ メ ロ。)
川の中から突然、何かの低い声が聞こえる。
2号「?!何だ?!」
3号「MZDか?!」
1号「いや、よく考えてみろ、あんな奥に沈んで声がここまで聞こえると思うか、?!」
ソイツらが戸惑っていると、川の端に黒い手が掴まる。
2号「?!何だよあの手、!!」
明らかにMZDではないことに気づき、さらに困惑している。
(コイツヲ突キ落シタノハ、オ前ラカ?)
そう言って、川の底からMZDを片手で持ち上げ問いかける。
その姿はまるで、
“黒い影の悪魔”だった。
1号「そ、そんなわけないじゃないですかー、」
3号「そ、そうだぜー、?」
(…… モウ一度聞コウ。コイツヲ突キ落シタノハ、オ前ラカ?)
今度はMZDを陸に置いて、黒い大きな槍を持ち、
あの時の、
“花の目”のようなものでソイツらを睨みつけた。
(嘘ヲツケバ、ドウナルカ分カルナ?)
持っている黒い槍を1号の首元へ突き出す。
もう少し槍の距離が近ければ、簡単に首が飛ぶ距離。
1号「ひっ、」
2号、3号「す、すみませんでした!!!」
そう言って2人は逃げていった。
(サッサト消エロ。二度トコイツニ…)
(手ヲダスナ。)
黒い槍をソイツの首元からどかし、睨みつける。
1号「すみませんでした!!!」
ソイツもさっき逃げていった奴らを追う様にして逃げていった。
(……可哀想に。神さまは何もしていないのに。)
さっきのうさぎと猫も、心配そうにMZDの方へ行く。
猫「んにゃ…」
うさぎ「キュー、」
しばらくして、MZDは目を覚ました。
MZD「…、うっ…ゲホッ……あれ、僕、生きて…」
猫「にゃ!!」
うさぎ「キャッ!!」
MZD「あれ、さっきのうさぎさんと猫さん……僕は川に沈んだはずじゃ…」
何で川に沈んだはずなのに生きているのだろうと考えていたら、
真横で、聞き覚えのある、
優しい雰囲気の声がした。
(…ようやく目が覚めたか。)
MZD「?!…さっきの、影さん……君が僕を助けてくれたの、?」
(……さぁな。)
その影が助けてくれたんだろうというのは分かる。
でも、「自分じゃない」と言うような雰囲気があった。
MZD「………」
(さっさと立て。夜が明けるぞ。)
MZD「わ、分かり、ました……君たちも、くる、?」
隣にいたうさぎと猫に話しかけてみた。
言葉は通じないだろうと思いながら。
だけど、そのうさぎと猫は、言葉がわかっているかの様に、
元気よく返事をした。
猫「にゃぁ!!」
うさぎ「きゅうっ!!」
MZDは帽子の下で微笑んで、行こう。と言う様に立ち上がった。
不思議と、服は川に突き落とされたせいで濡れているはずなのに、一切濡れていなかった。
でも、それもあの影さんのおかげだと感じ、気にせずに歩き出す。
2匹のうさぎと猫を抱えて。