テラーノベル
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夜。静かな部屋の中で、サヤカは布団にくるまっていた。
ナツギのことが頭から離れず、思考は止まらなかった。
“あの人は何を考えているんだろう?”
“どうしてあんなに秘密を抱えているの?”
胸の奥に芽生えた疑問と不安が、冷たい闇の中でじわじわと広がっていく。
それでも、彼女の中には揺るがない決意があった。
「守らなきゃ、私が。」
冷たい空気を感じながら、彼女は目を閉じた。
翌朝。
窓から差し込む淡い光がカーテンを揺らす。
サヤカは目を覚まし、いつものように静かに動き始めた。
身支度を整えながらも、彼女の心はナツギのことばかりでいっぱいだった。
“あの冷凍庫、何かを隠しているんだろう。”
“でも、彼が壊れてしまわないようにするため、証拠を消すため、きっと必要なことなんだ。”
そう思い込もうとしながらも、頭の片隅で違和感がちらつく。
それでも、彼のためにできることを探し続ける。
彼の秘密も、痛みも、全部受け止めたいと願った。
職場。
静かなオフィスに着くと、サヤカはナツギの隣に座った。
胸の中に溜め込んだ言葉が、今にも溢れそうだった。
「ナツギくん」
彼の目がふと彼女に向く。
「昨日……廃工場のあの冷凍庫、見に行ったの。」
ナツギは驚きの色を隠せず、ほんのわずかに体を強ばらせた。
サヤカは続ける。
「何かを守ろうとしてるんだって思った。証拠を消すため……でも、私は、あなたを守りたい。」
その言葉は軽く、けれど確かな意志を帯びていた。
ナツギは黙って彼女を見つめ、やがて小さくうなずいた。
二人の間に、言葉以上の理解が流れた。
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