TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する





「しよ、凛くん、///?、ここまで、来ちゃったんだから、さ///」

「っ、、///」

あの時の金髪の子が、まさか雪だったなんて。初恋だぞ。

「、俺、///、初めて、だぞ、、、」

雪は足で腰をホールドして、俺を逃がしてはくれない。器用に口と右手だけでコンドームを開ける。残った左手で俺の背中をゆっくりと近づける。

「私も初めてだから、///、ゆっくり手探りで、、、気持ち良くなろう?♡///」

クラクラするほど温かく濃い雪のいい香り。目尻の蕩けた可愛い顔、甘い声。明らかに、雪はやる気だった。

そんな俺もついには理性が完全に潰え、ゆっくりと、雪の唇に自分の顔を近づける。

「ゆき、///」

「ん、、///♡」

ついに唇が重なる。そう思った刹那、

ヴヴヴヴッッ、ヴヴヴヴヴッッ、と、電話の着信音が、静かな部屋に大音量で。

「!?」「!」

急いで電話に出ると、相手は、、、慶だった。

「あ、つながった、、、おーい、凛〜」

「け、慶!?、どっ、、どうした!?、、、」

予想外のことに、声が裏返りながら返事をする。

「な、なんだよ、そんなに必死に、?、何かあったか?」

「い、いや、特に」

ふと横を見ると、雪は目を逸らし、顔を赤らめながら小声でバカ、と言っていた。

聞こえてないつもりのようなので、黙っておくが。

「で、要件は、?」

「お!、そうそう、」

そう言って、蚊は言った。

「俺等のグルチャ、見てみろよ〜」

「?」

このグループには、俺、蚊、杏の三人が入っている。不審に思いながら、グループチャットを開く。すると。

「水族館?」

「そう、新しくできたらしいんだ!、来週の土曜日、三人で行かないか?」

そんなことか、と、思いつつも、親友の優しさに感謝する。だが、杏とこいつは。

「いいよ、俺は。大体気遣いすぎなんだよ、お前ら付き合ってんだからさ、もっと二人で、楽しめよ」

「でも、お前も居ないと、落ち着かないだろ?」

謎の反論により、イラつきつつも、あくまで綺麗に断る。

「次の土曜は予定があんだよ、最初から」

「予定、っても、お前、俺とあいつくらいしか友達いないだろ?、あ、家族か? 」

相当これは頭にきた。、、、しかし、友達がいないことに関しては事実だ。

「か、家族ではねえよ、」

「じゃあ、なんの予定なんだ?」

「う、うるせぇ」

困った。こうなってくると、もうこの蚊は蚊じゃなくなってくる。ねちっこく理由を言うまで離さない肉食のミミズだ。

弁明に戸惑っていると、、、

「貸して、」

「へ、?」

後ろから半ば強引にスマホを盗られる。

「えっと、慶さん、で合ってますか、?」

「え?は、はい、?女性、?」

「凛くんの、か、彼女です」

「へ、?凛に彼女、、、、?!?!、な、名前は、?」

「天鈴 雪といいます、」

内心、俺も慶と同じく驚いていたが、慶の驚きとは違い、恥ずかし半分、嬉しさも少し入り混じったものだった。それでもなお、唖然。

「その予定なんですけど、、」

少し恥ずかしそうにこちらを向きながら、彼女は言った。

「次の土曜、凛くんは私とデート、///、するので、残念ながら、水族館に行くことはできません」

恥ずかしがりつつ、しかしキッパリと、そう言ったのだった。




幸か不幸か、水族館の件については、ミミズこと蚊は驚愕しつつも納得し、事なきを得た。しかし、一番の問題?は解決していなかった。

「////」「////」

二人で赤面していた。それもそのはず。片や勇気を出して恋人のふりをして想い人を助けた美少女。片や想い人と付き合いたいという願望を下校の時から拗らせていた妄想癖持ちの青年。両想いなのだから、こんなにお膳立されるとギクシャクするのも無理はない。

「えっと、その、あ、ありがとう、雪、////、助かった」

「ん、///うん、大丈夫///、、、」

ここまで来ると、聞かない手はない。

「あのさ、////、俺と恋人になってくれる、か///、?」

「!、、、、、私の////、気持ちは、さっき伝えた通りだよ///、?」

バクバクと、ドクドクと。ものすごい速度で心臓が鳴る。

そして。

「俺も雪が好きだ、////、恋人に、なってくれ///」

「、、、、///、はい、、、///!」

やったああああああああ!!!!!!、、、、と、心の中で叫ぶ俺。子供っぽいが、めっちゃ嬉しい。さらに、この件が本気ならば、、、

「えと、凛くん、、、、////、、次の土曜、、、映画館でいいかな、////」

デートもマジだ。

「////、あぁ、、うん、///」

こうして、小学校からの数年の運命のおかげで、いわゆる青春を果たしたのだった。




「、、、、」

俺は今、待ち合わせ場所でデートプランのメモを見ている。そう、今日は雪との初デートだ。映画を見たあとの食事場所、時間を過ごすアトラクション。更には終電を逃したとき用のプランもある。もちろん正規ルートは日帰りだが。

そんな俺は、楽しみすぎてなんと集合一時間前に着いていた。だが、

「ぁ、ぇ、凛くん、?」

「ぁ、雪」

なんと、二人とも集合時間より一時間早く来ていたのだ。 まずい。これではデートプランがパーだ。

「えっと、どうする?、何処か、行く?」

「うーん、」

雪は考え込んで言った。

「ここで、凛くんと一時間くらい話すのも、悪くないかな?」

「、///」

「ガチ照れしてるし、////、こっちまで、恥ずかしい///」

照れてしまったが、話をするのは実際ありだ。学校での接し方や、公表するのか。登下校はどうするのかなど、話したいことは沢山ある。

「じゃあ、学校ではどうするか、とか決めるか。まず慶は言わないから心配しなくていい」

「うん//、えと、学校では、その、友達でいかない?」

「俺も、周りに隠す方が好きかな。バレていじられて別れるとかは困るから」

実は前にも彼女がいた事があるんだが、別れた原因はまさにこれだった。

「学校行くときはこれと同じ理由で、別々に」

「うん、でも、その分帰りは一緒に///、ね、、同じ方向だって言えば、大丈夫だと思うから///」

正直、一緒に登校したいが、発覚につながるので、これだけは出来ない。辛いぜ。

「あ、もうこんなに、」

雪の言う通り、スマホを覗くと、時は待ち合わせの五分前になろうとしていた。

そういえば、雪もスマホを手に入れたんだった。ついに、ついにこの時だ。

「あの、連絡先交換しないか?」

「あ、うん、///、、、もう付き合ってるしね、//」

ピッ、とQRコードを読み取り、笑い合う。これで夜も話せる。嬉しい。

「じゃあ、行こっか、//」

少しキザに振り向いて、手を伸ばす。このまま手を繋ぎたい。デートプランそのゼロだ。

「うん!、」

そっと、手を取ってくれる雪。最高だ。

このままいいデートにする、と意気込む俺なのだった。




「ふぅ」

その後、雪と俺は映画館に足を運んだ。

映画はホラーミステリー系のものだった。あらかじめ選んでおいたのは俺だが。

なぜこのジャンルにしたかというと、下手な恋愛モノや濡れ場のあるハリウッドを見て気まずくなるよりも、雪が怖いぃ、と言って腕にしがみつく展開のほうが美味しいからだ。しかし実際は。

「あぁ〜、面白かった〜!、まさか最初に出会った通報者が犯人だったなんて、と思わせておきながら、真犯人は別にいる、なんて展開、想像できなかったよ〜!あの死体隠蔽も中々すごい隠し方だったし!」

「お、ぉぅ、なら良かった、」

どうやら俺の彼女は、ホラーやミステリーに強いらしい。そして俺は、もう少しイケると思っていたのだが、なかなか、いや凄く怖かった。もうヤダ。もう少しで雪の腕にしがみつくところだった。

「、次はどこに行く?」

こちらの様子を見た雪が、話題を変えてくれた。ありがとう。

「次はカフェで食事とか、どうかな?」

「イイね!、最高!」

ここまで喜んでくれるとは。嬉しい限りだ。

そして、歩くこと数分、そのカフェに着いた。そして、このカフェを選んだ理由。それは、、、

「わ〜、 !パフェ!」

そう、基本女子なら誰でも好きなパフェ。まだ日が浅く、好みなどを知らないため、できるだけメニュー数が多いところをチョイスした。雪も嬉しそうだし、我ながらファインプレーだ。しかも空いている。

少しすると、水色のパフェが来た。

「ホントに奢りでいいの、?、」

「初デートくらい、カッコつけさせてよ、///!」

少し恥ずかしがったが、本心だ。それを汲んでくれたのか、雪は美味しそうに、

「ん〜!!、、、甘くて美味しい、♡」

「ははっ、それなら良かった///、選んだ甲斐ある よ」

ナイス俺!、ガッツポーズ!

「、、じゃあ、、、、はい、///」

雪はスプーンにクリームとフレーク、そこにブルーハワイシロップ、果物が乗った、このパフェを一つに凝縮したような、そんな一口分をスプーンに乗せて、言った。

「あーん、////♡」

果たして、俺の心臓はこのデート中、最後まで持つのだろうか。


第三話《完》




この作品はいかがでしたか?

18

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚