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アリスはモートが外へ出た後も老婆がお湯で手首の傷を洗ってもらっていた。
「まあまあ、ばい菌が入ったら大変大変! まあ! なんてことでしょう! 鞭で打たれような裂けた傷!!」
老婆はあまりにも酷い傷なので、悲しみのあまり次にハンカチを薬湯に浸して絞ると、アリスの手首に優しく巻いた。
アリスは何気なく。窓の外を覗いた。
霜の降りた路上に粉雪が無音に舞っていた。風はなかった。
これから聖パッセンジャービジョン大学へと通学しないといけなかった。
モートがどこかへと行ってしまったので、時間なので一人で行くことにした。アリスはいそいそとショルダーバッグを持ち、今日は袖の長いカジュアルな白のロングコートを着て、路面バスに乗ろうと屋敷から道路へと繋がる橋を歩いた。
橋の上の雪は今朝に老婆が綺麗に雪かきをしてくれている。
アリスはその老婆の厚意に嬉しさで心が一杯になった。