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「……シャツもだ」
「そっ、それは、無理ですって!」
だって、シャツまで脱がせたら、ハ…ハダカになるじゃないですかーー!
「……なぜ無理なんだ?」
酔っているのか、誘っているのかも知れないような、仄かに目の縁が紅く染まって、潤んで艶めいた眼差しでじっと見つめられて、
直視すらできずに、キョロキョロと挙動不審気味にあちこちへ目を逸らす。
「……脱がせて、くれないのか?」
ああもう、脱がします! 脱がせますから、そんな目で見ないでほしいと、半ばどうにでもなれというような気持ちで、ネクタイへ手を伸ばした。
もしかしたら、ネクタイを解いて首元をくつろげたら、シャツを脱がせることは忘れてくれるかもしれないという期待を込めつつ、
「じっとしていてくださいね……」
と、ネクタイの先に手で触れた。
だけど、男の人のネクタイなんてほどいたこともなくて、どうすればいいのかがよくわからずに、逆にまた締めるようなことにもなって、
「…うんっ、苦しい…」
と、苦悶に顔を歪められる羽目になってしまった……。