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目黒が復活したのは2日後。

阿部は、仕事終わりに会いに来てくれていた。

目黒は詳しくは語らない。

阿部も、無理に聞いたりしない。

大事な思い出として、目黒の心に封じ込めた。


目黒ー亮平くんに心配かけたから、ご馳走作るよ。

阿部ー食べる食べる。

目黒ー今回はちょっと参っちゃった。

阿部ー仕事、ちゃんと出来た?

目黒ーそれは大丈夫。

阿部ー帰って来た日、凄く疲れてたよ?

目黒ーん、さぁ、出来た。

阿部ー美味しそう。


楽しく笑いながら食事をし、久しぶりに熱い夜を過ごす。

朝には阿部は目黒に抱きしめられていた。

幸せだと思うと同時に、可哀想な彼女を思う。

詳しくは知らないが、ファンであることを抜きにしての付き合いだったのではないだろうか?


目黒ー翔太くん、亮平くんには内緒だけど。

渡辺ーん。

目黒ー彼女、俺の腕の中で亡くなったんだ。

渡辺ーそうか。

目黒ー痩せて細くて、折れそうな身体を俺に抱きしめて欲しいって。

渡辺ー阿部に内緒にする必要ないと思うけど?

目黒ーなんか、亮平くんには彼女の話したくないんだ。

渡辺ー無理にしなくていいんじゃないか?

目黒ーそうだよね、俺と翔太くんしか会ってないし。

渡辺ー亡くなる3日前に、俺が行ったのは内緒がいいな。

目黒ーあの日は楽しかったね。

渡辺ーあの子も笑ってたしな。

目黒ー急変すると思ってなかったし。翔太くんが帰った後から具合悪くなっていったし。

渡辺ー俺が撮った写真、携帯に送ってやる。

目黒ーありがと。


目黒にもたれ笑ってる大葉樹の写真がフォルダに増えた。

これは目黒と渡辺だけの写真。

阿部に見せることはない。


撮影が終わって帰って来た。

阿部が部屋にいる。

肩の力を抜いて阿部を抱きしめる。


阿部ー晩ご飯食べた?

目黒ーお弁当が出たから食べた。

阿部ーコーヒー淹れようか?

目黒ーお願いしていい?

阿部ー手洗ってきて。

目黒ーん。


ゆっくりコーヒー飲んで、阿部と他愛もない話をする。

目黒は樹を忘れられずにいる。

だんだん動かなくなって、冷たくなっていく身体。

最期の手話は、「ありがとう、大好き」だった。

ありがとう、大好き

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