テラーノベル
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電車が減速し、アナウンスが流れる。
「……次は〇〇、〇〇です」
がたん、と揺れた車内で、いるまはすぐにらんの手を握った。
「……降りんぞ」
らんは一瞬きょとんとしたが、何も言わず頷き、そのまま引かれるようにしてホームへ降り立つ。
混雑から解放されてもなお、表情は曇ったままだった。
痴漢に触れられたときの感触が、まだ肌に残っている。
消えない嫌悪感が背筋を這い、らんは唇を噛んだ。
そんな様子を横目で見ながら、いるまは舌打ちし、短く言った。
「……今日は泊まってけよ」
唐突な誘いに驚いたらんは、思わず足を止める。
「えっ……でも……」
「でもじゃねぇ」
いるまは振り返り、真っ直ぐに言い切った。
「……一人で帰したら、また思い出すだろ。俺のとこ来い」
その声は荒っぽいが、強引さの奥に滲む気遣いが伝わり、らんは胸が熱くなる。
頬を赤らめ、小さく「……うん」と頷いた。
いるまの家に着き、乱雑に見えてどこか落ち着く部屋。
だがらんの表情はまだ固く、笑顔を作ろうとしてもぎこちない。
いるまは靴を脱ぎながらちらりとらんを見やり、眉を寄せた。
「……まだ気にしてんのか」
らんは言葉を返せず、視線を落とした。
あの指の感触が、胸の奥まで残っている気がして、消えない。
そんならんの沈黙を察したいるまは、肩を回してから不意に言った。
「……風呂、入んぞ」
「えっ……!?」
らんは耳まで真っ赤にして振り向く。
だがいるまは真剣そのものの表情で続ける。
「嫌なもんは、流して忘れりゃいい。……一緒に入れ」
乱暴な言葉の裏にある優しさに、らんは胸がいっぱいになる。
ためらいながらも頷き、そっといるまの袖を掴んだ。
「……いるまと一緒なら、忘れられるかも」
その声は小さく震えていたが、いるまには十分だった。
照れ隠しのように鼻を鳴らし、らんの頭を軽く撫でる。
「……俺が洗い流してやるよ」
二人はバスルームへと向かい、静かに扉を閉めた。
湯気の立ちこめるバスルーム。
湯船にお湯を張る音が響く中、らんはタオルを胸元でぎゅっと握りしめ、恥ずかしそうに俯いていた。
「……やっぱ、一緒は恥ずかしい」
ぽつりと呟いたらんに、いるまはタオルを肩にかけたまま振り返る。
「何言ってんだ。俺に隠すもんねぇだろ」
ぶっきらぼうな口調だが、その目は真剣だった。
らんは唇を噛み、痴漢に触れられたときの感覚を思い出してしまい、体を震わせる。
「……でも、まだ……残ってる気がして……」
その言葉に、いるまは舌打ちした。
「クソ……やっぱ許さねぇ」
そして、らんの手からタオルを取り上げ、湯船の縁にかける。
「……俺が洗ってやる。全部忘れさせるから」
らんは目を丸くしたまま抵抗しようとしたが、いるまはその肩をぐっと抱き寄せた。
お湯をすくってらんの背中に流す。湯気とともに、不安の影が少しずつ溶けていくようだった。
「背中……くすぐったい」
「我慢しろ。……ったく、こんなとこ触られてんなよ」
石鹸を泡立て、いるまは手のひらでらんの背中を優しくなぞる。
背筋にそって丁寧に、肩甲骨から腰へ、そして腕へ。
「……力、抜けよ」
強引な言葉なのに、不思議と安心感を覚えて、らんは次第に体から力を抜いた。
やがて胸元を庇うように手を重ねたらんに、いるまは低く言う。
「……そこも洗わせろ」
らんは一瞬、赤面して首を振った。
「だ、だめ……」
だがいるまは、その手を優しくどけ、湯をかけて石鹸の泡を滑らせる。
「……他人の汚ぇ手の感触なんざ、俺の手で上書きしてやる」
その声に涙が滲み、らんは胸の奥が熱くなる。
「……いるま……」
洗い流されたのは、身体だけじゃなかった。
湯気の中でらんは小さく震えながら、いるまに抱きついた。
「ありがと……」
泡をたっぷり立てた手が、らんの胸元に触れる。
指先が柔らかなふくらみに沿ってゆっくり円を描くと、らんは肩をすくめ、小さな声を漏らした。
「……っ、ぁ……や、やだ……」
拒むような言葉の裏で、声は甘く震えている。
いるまはその反応に目を細め、さらに丁寧に撫でるように洗う。
親指で敏感な突起を軽く擦ると、らんの背筋がびくんと跳ねた。
「ひゃっ……! だ、だめ……そんなふうに……」
らんの頬が熱く染まり、思わずいるまの腕を掴む。
「……声出てんぞ、らん」
囁きながら、いるまは洗う手を止めない。むしろ、ゆっくりと撫でる範囲を広げていった。
「や……っ、いるま……ぁ……」
甘えるように名前を呼んだ瞬間、自分でも驚いたように口を押さえるらん。
だがいるまはその手を外させ、濡れた額に唇を落とした。
「……もっと呼べよ。汚ぇ記憶なんざ全部消してやる」
胸を包む手の温かさに、らんの瞳は潤み、湯気の中で蕩けるように細められる。
「……いるま……っ……」
甘く、頼るように繰り返す声がバスルームに響いた。
いるまの指先が、ふくらみの頂点を摘む。
濡れた突起を軽く転がし、きゅっと引っ張ると、らんは声を詰まらせる。
「ひゃっ……! や……っ、あぁ……っ」
泡の中で敏感に尖った場所が引き延ばされるたび、らんの喉から甘い声が漏れる。
その声を塞ぐように、いるまは顔を寄せ、らんの唇を深く奪った。
舌を絡め、啜るように口づけながら、胸の突起をさらに強く弄ぶ。
「んんっ……っ、ふぁ……あっ、や、やだ……っ……きもち、よすぎ……っ」
らんの身体は湯気の中で小刻みに震え、腰まで抜けそうになり力が入らない。
指で突起を強く引っ張られると同時に、口内で舌を吸われ、頭の奥まで痺れるような快感が走る。
「……っあ、あぁ……っ、んんんっ……!」
弾けるように胸から電流が走り、らんはついに悲鳴のような喘ぎを上げた。
腰を突き上げるように跳ね、胸だけで絶頂を迎えてしまう。
「……らん……胸だけでイったのか」
唇を離したいるまが、意地悪そうに囁く。
恥ずかしさに耳まで真っ赤に染めたらんは、息も絶え絶えにいるまの胸に顔を埋める。
「……だ、だって……っ、いるまが……」
その甘える声を聞きながら、いるまは濡れた髪を撫で、もう片方の胸を包み込む。
再び突起を転がす指が動き出すと、らんは抵抗する余裕もなく、熱に飲まれていった。
絶頂の余韻に震えながらも、らんは湯気に濡れた瞳でいるまを見上げる。
頬は赤く、吐息は熱っぽく揺れていた。
「……いるま……っ、下も……触ってぇ……」
甘えるような声で囁くらんの言葉に、いるまの目が鋭く細められる。
「……お前……そんなこと言っていいと思ってんのか?」
囁きながらも、右手はゆっくりとらんの太ももをなぞり、秘部へと伸びていく。
ぬるりと湯に濡れたそこを指先で撫でられた瞬間、らんの体はぴくっと跳ねた。
「ひぁっ……あ、あっ……っ! や……だめ……っ」
否定の言葉とは裏腹に、潤んでしまう感覚に、らんは湯船の中で腰をすり寄せてしまう。
「……濡れてんな……誰に触ってほしいのか、ちゃんと言えよ」
胸の突起を摘まみながら、いるまは耳元で囁く。
「……い、いるまに……っ、触ってほしいの……っ」
涙混じりに告げるらんに、いるまの口角がわずかに上がる。
「……素直じゃん…」
そう言って、いるまの指は秘部の柔らかな襞を丁寧に広げ、中へと入り込んでいった。
いるまの指先が、湯に濡れたらんの秘部へと沈んでいく。
ぬるりと抵抗なく迎え入れる感触に、いるまは低く鼻で笑った。
「……かわいいな」
囁きと同時に、指をくちゅりと動かす。
「んぁっ……あ、あぁっ……! いるまっ、そこ……だめ……っ」
らんは湯気に包まれながら、胸を押さえ、震える身体を必死に支える。
「……ダメじゃねぇだろ。声、勝手に出てんぞ」
ぐっと指を曲げ、柔らかな壁を擦り上げると、らんはびくんと跳ね、湯が揺れる。
「ひっ……あっ、あぁんっ……っ! だめぇ……っ、いっちゃ……」
喘ぎ声が浴室に響き、いるまの手の中で震える。
「俺が許すまで、いくんじゃねぇ」
胸の突起を捻りながら、秘部の奥と粒を同時に責め立てる。
「やっ……ぁあっ、いるまっ、いるまぁ……! もう……がまんできない……っ」
涙を浮かべ、甘えきった声で名前を呼ぶらんの姿に、いるまの目が熱を帯びる。
「……そんな顔されたら、仕方ねぇな。ほら、好きにいけ」
その言葉と同時に強く擦り上げられ、らんは絶頂に達し、湯をはね散らしながら身体をのけぞらせた。
(抱き潰してぇな…)
いるまが心の中で呟き、らんを見つめる。
その瞬間、光が全身を包み込み、らんといるまの視界が一瞬白に染まる。
光が消え、互いの姿を確認した時、いるまだけが男の身体に戻っていた。
「……ん?戻った…?」
いるまは自分の手を見下ろし、筋肉質で力強い男の体に戻っていることを確認する。
その隣で、らんは以前、抱き潰された記憶を思い出し、反射的に頬を赤らめた。
身体の奥が熱く疼き、自然と胸が高鳴る。
「……っ、あ……や、……」
恥ずかしさと期待が入り混じった表情で、らんは湯に濡れた髪をかき上げる。
いるまはその顔をじっと見つめ、低く囁いた。
「……なんだ、お前……覚悟できてんのかよ」
言葉の端に、いつもの荒っぽい独占欲が滲む。
らんは小さく頷き、胸の奥から甘い吐息を漏らす。
「……ん……いるま…」
そのままいるまはらんを抱きしめる。
濡れた体が触れ合い、身体の熱が直に伝わる。
「……じゃあ、抱き潰してやるから覚悟しろよ」
コメント
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毎回、毎回楽しませていただいております!感謝!…
yaeさん本当に神です。最高です。マジでありがとうございます!!
イヤァァァァァァぁぁァァァぁぁぁぁ