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玲流side
…悲しいし寂しい。でも、せっかく希望をくれたならそれを無駄にするのは失礼だから
複雑な気持ちに呑み込まれながら生活してはや一ヶ月。ついこの前卒業の発表もした。
もう、後戻りはできない
正直に言うとブラフラのデビューとほぼ同じタイミングだったのが申し訳ない
何回も謝った。大切な最初の期間でこんなマイナスな発表をしてしまったこと
みんな全然大丈夫ですよって言ってくれて。…この子達なら大丈夫やなってなっとった
…ブラフラのデビューライブは、直前でネイロちゃんが体調不良でどうしようかとかなってたけど…気合いでどうにかしたらしい。こったん心配しとったなぁ…
そん時は舞台裏におったけどほとんど音響に専念しててちむと2人でドタバタやったからマジでどんな公演になったかは覚えてない
「あ、れるさん!」
後ろから可愛らしい声が聞こえる。
「お、らみやん」
「おはようございます!今日は何かあるんですか?」
人懐っこくて、多分ブラフラで一番話してる子。事務所で会ったら絶対話しかけてくれる。
…もうすぐいなくなる先輩に、なんでそんなに構おうとするん?ひづみがくにのに話しかけるとかなら分かる。大ファンやって言うとったし。
…なんでらみはれるに近づいてくるん?
「そうだ、れるさん!配信でコラボしません?プラベだけじゃなくて!」
元々2.5次元メインの事務所なのもあって配信の頻度が高い。ゲームもやるし雑談もやるし歌枠もやる。
らみとかはゲーム得意やからそこらへんよくやっとるらしいけど…
「れる人気者で忙しいからやれるか分からんで〜w?」
…なーんて嘘。これから先が長いブラフラのチャンネルにれるが残るわけにはいかん。
数年後、誰かが見た時に「え、この人誰?ふーん、卒業した人なんだ」みたいになるのが怖い。未来が多くある人のチャンネルに過去を残すのが申し訳ない
ブラフラは、まだ間に合う。れるがいる動画がないから。
「分かってるんですけど…!私がれるさんの予定に合わせて時間こじ開けるので!お願いします!」
手を合わせてお願いしてくる。
前々から何回もお願いされてるけどサラッと流してきた。
「…なんで、コラボしたいん?もうすぐ卒業なのに。」
そう言うとらみは目を見開いてれるを見つめてきた
「れるは、もうおらんくなるよ?過去の人を、自分のチャンネルに残してええん?」
純粋な疑問だった。傷を翼に変えろ。未来に向けて前を向いて突き進む彼女がなぜここまでお願いしてくるのか。過去を残そうとするのか
「過去だから。ですよ」
少し震えた声で何かが溢れ出したかのように表情が歪む
うるうるとした目が刺さる
「今、コラボしないと…れるさんいなくなっちゃうじゃないですかッ…」
絞り出したような一言
…あぁ、れるバカやな
もうすぐいなくなるからいいやじゃなくて、もうすぐいなくなるから今のうちにやっておかないと…もう思い出は残せないもんな
「過去を未来に背負っていくのがブラフラですから!」
真剣な目。…ええな、過去を未来に…か。
「…そうよな。」
少し考え込む。いいのか、これで
でも…
「…ええよ。コラボしよ」
やり残したことは、なくしたい