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〜 いわふか篇 〜
Side 深澤
もう何時間歩いたか判らない。
前を歩く照は疲れてる様子は無いけど、
正直俺はめっちゃ疲れてる。
「ふっか、大丈夫?」
照が振り返って俺にペットボトルを渡してくれる。
「ん….ありがとぉ、」
俺はペットボトルを受け取って水を飲んだ。
「あとちょっとだけど、歩ける?」
照が心配そうに顔を覗き込んでくる。
「ん…歩く。」
俺は頷いて足を踏み出した。
「無理しちゃ駄目だよ。」
照が再び前を歩き出す。
幸いこの辺にはゾンビは少ない。
(もうちょっと水飲みたいかも…)
「ねぇ、照…」
照が振り返る。
「なに?…っ、ふっか!!」
照が焦ったように俺の手を掴んで走り出す。
「っえ、?」
訳も判らず振り返るとゾンビが一体見えた。
(襲われかけたのか、)
俺達は近くの建物に入って避難した。
「ふっか、怪我してない?」
照が手を離して問い掛けてくる。
「ん、大丈夫、御免ね、ありがと。」
俺は笑って答える。
ペットボトルの水を少し飲んで照の方を見ると、
照は窓から外の様子を伺っていた。
「この辺、研究所とかあるのかな、」
ピストル片手にそう呟いている照は正直めちゃくちゃかっこいい。
流石俺の恋人って感じ。((
そんな事を考えつつも俺は立ち上がる。
「照、代わるよ。休んできな。」
「…ん、ありがと。気をつけてね。」
僅かに渋ったような顔をしたけど素直に代わってくれた。
俺は照と入れ替わるようにピストルを手にして窓から外の様子を伺った。
しばらく外を見ていると、
「….ふっかぁ、」
後ろから照が抱き着いてきた。
「んわっ、どうしたの?」
俺は驚いて声を上げる。
「代わる。ふっか休んで。」
「ぇぇ、でも…」
「いいから。ふっかになんかあったら困る。」
「ん、判ったよぉ、」
そこまで言われると仕方ない。
俺は諦めて照の近くに座り込んだ。
10分くらい経ったと思う。
「ふっか、この辺ゾンビ増えてきてる。移動しよう。」
微かに焦ったような声で照が俺に呼びかける。
「ん、判っ_」
バキバキバキッ!
「!?」
「!!」
突然照の背後のドアが壊れた。
木製で古びたドアは簡単にゾンビによって破壊される。
入ってきた一体のゾンビが近くに居た照に襲いかかる。
「….ッッ!!」
「照!!」
バンバンッ
大きな銃声が2回鳴り響いた。
__
続く
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