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ゆき.
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目を覚ました瞬間、違和感がなかった。
吉田 … ぁ 、、
声が普通に出る。
体もちゃんと動く。
吉田 手も 、人間 … 。
戻った。
あっけないくらい、普通に。
胸の奥が少しだけザワつく。
嬉しいはずなのに、少し寂しい。
吉田 …… 馬鹿か俺は 。
小さく笑う。
何思ってんだ。戻れたんだぞ?
それでいい、それでいいはずなのに。
頭に浮かぶのは、
膝の上の体温だとか、撫でられた感覚。
吉田 ほんとに 、何言ってんの 。
全部、消えたわけじゃない。
ちゃんと残ってる。
だから余計に。
元に戻ったら、もう終わりなんだ。
この距離も、関係も。
全部。
吉田 ッ 、
胸が少しだけ苦しくなる。
佐野 起きてんの?
聞き慣れた声。
反射的に顔を上げる。
もちろん立ってるのは、
吉田 は 、やと 、、
当たり前なのに、変な感じ。
昨日まで見上げてきたのに。
今は、少し俺の方が低いくらい。
佐野 戻ったんだ 。
吉田 …… うん 。
短いやり取り。
なのに、妙に緊張している自分。
やはり、沈黙というのは少し気まずい。
吉田 … ぁ 、のさっ 、、!
佐野 ん?
今言わなきゃ、ダメだ。
直感でそう感じた。
今言わなきゃ、多分一生言えない。
吉田 俺 … 俺 … !
言葉が詰まる。
でも、逃げたくない。
吉田 猫の時 、のことっ!
全部覚えてるから 、、!
勇斗の表情が少し変わった。
佐野 … あぁ 、
吉田 だから 、!
喉が渇く。
でも、止まらない。
吉田 優しかったのとかっ 、
佐野 … 、
吉田 言ってたこととか 、、
全部、全部覚えてるんだ。
吉田 …… だからっ 、、!
心臓の音がうるさい。
ドクン、ドクンと鳴り響く。
でも、俺はもう覚悟を決めたんだ。
吉田 好きに 、、なった 、、!
もう誤魔化さない。
吉田 前から 、ちょっと好きだったけど 、
だとしても、あれは反則だ。
近すぎた、優しすぎた。
こんなの、好きになるに決まってる。
吉田 ごっ 、ごめん … !
最後にそれだけ付け足す。
関係を壊したくないくせに。
結局言っちゃった。
ほんと、バカ。
怖くて、顔があげられなくて。
この数秒が、俺には痛いくらい長い。
佐野 なぁ 、
声。でも少しだけ近くて。
顔を上げる。
目の前には勇斗がいた。
佐野 お前さぁ 、、
手が伸びてくる。
反射的に肩がすくんでしまう。
ぁ 、俺、、撫でられたんだ。
そう理解するのは思ったよりも速かった。
吉田 っ 、!?
頭を、優しく。
昨日までと同じみたいに。
佐野 … ほんと 、猫みたい 。笑
くすっと笑う。
その表情はどこか柔らかくて。
吉田 … 人間だってば 、
佐野 知ってるよ?
でも、手は頭に触れたまま。
佐野 俺も 、好き 。
心臓が止まる。
吉田 ぇ 、、
佐野 猫の 、お前 。
少しだけ意地悪そうに笑う。
佐野 めちゃくちゃ懐いてくるし。
吉田 それは… 、
佐野 可愛かった 。笑
その一言で、頭は真っ白。
佐野 でも 、
少しだけでが止まる。
佐野 今の方がいい 。笑
ちゃんと話せるし 。
距離が、近づく。
佐野 触っても逃げねえし 。
吉田 …… 逃げるかもよ 。
佐野 逃げんなよ 。
即答。
ずるい、本当ずるい。
佐野 … いなくなんなよ 。
あのときと、同じ言葉。
でも今は、ちゃんと意味がわかる。
吉田 … うん 。
今度は、ちゃんと頷く。
逃げない。
佐野 … 一個だけいい?
吉田 ん?
少しだけニヤッと笑う。
嫌な予感しかしない。
佐野 猫のときさ 、笑
吉田 … やめろ 。
佐野 めっちゃ擦り寄ってきてたよな 、笑
吉田 やめろって !!
思わず叫ぶ。
恥ずかしすぎるだろこんなの。
佐野 今やってみてよ
吉田 やるかいっ!!
即否定。
… したのに、なんか近づいてくる。
佐野 ほら 、
吉田 うぇ 、、/
無理、ほんと無理。
でも、、逃げないって言ったし、?
吉田 1回 、1回だからね 、、
小さく呟く。
ゆっくり、ほんの少し近づく。
そして、肩に頬を軽く押し付ける。
吉田 ぅ 、ぅう” 、、//
死ぬ。恥ずかしさで死んじゃう。
佐野 … ははっ!笑
笑う声。
でも、優しく抱き寄せられる。
佐野 やっぱ 、こっちのほうがいいわ 。笑
耳元でそう言われる。
吉田 ぅ 、うるさいっ 、、
でも、離れない。
もうこの距離を知ってるから。
やっと、同じ目線でいられる。
- end? -
コメント
6件
ごちそうさまでした(*´﹃`*)

実際警戒心強めのぬっこが近づいてきたら嬉しい気がする
よきまるさんだわ