テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
83
150
月輪熊 フォロバ
103
Prolog
蝉の声が響く、最後の夏休み。
及川「 ねえ、来年も一緒に
花火見よーよ 」
「 ……うん、約束 」
その約束を守れないことを、
私だけが知っていた。
____________________________________
簡易 profile
名前 / 白船 らら
年齢 / 高校三年生
その他 / 及川 さん に 話して ない
秘密 が あるらしい ?
____________________________________
及川「 ららちゃん、今日暇? 」
らら 「 暇だけど ? 」
及川「 じゃ、決まり。
及川さんと遊びに行きまーす 」
らら 「 勝手に決めないでよ 」
及川「 えー、いいじゃん 」
らら 「 ふふ 笑 、まあいいけど」
こうして過ごせるのも、あと少し。
それを知っているから、私は笑った。
____________________________________
及川「 今年の夏、なんか早くない? 」
らら 「 そうかな ? 」
及川「 だってもう夏休み終わるよ? 」
らら 「 ……うん」
及川 「 来年はさ、もっと遊ぼうよ」
らら 「 ……来年も?」
及川「 当たり前じゃん。何その顔」
らら 「 ううん。なんでもない」
笑って誤魔化す。
来年なんて、私にはない。
____________________________________
夏休み最後の日。
約束していた花火の日。
及川「 ららちゃん、遅いー! 」
らら 「 ごめん 」
及川「 まあ、俺が待ちたかっただけ
なんだけどね」
らら 「 なにそれ ? 」
及川「 だってららちゃんと
一緒に見たかったし」
心臓が、少しだけ痛くなる。
そんなことを言われたら。
期待してしまう。
らら 「 ねえ、及川さん」
及川「 んー? 」
らら 「 私ね ____ 」
言えなかった。
好き。
ずっと好きだった。
でも、言わない。
言ったら、
きっとこの人は私を忘れられなくなる。
らら 「 ……なんでもない」
及川「 えー、
なにそれ。気になるんだけど」
らら 「 秘密 」
及川「 じゃあ、また今度聞くね」
らら 「 ……うん」
花火が夜空に咲く。
その横顔を、私は最後まで見ていた。
____________________________________
そして、卒業式。
ららの席だけが、空いていた。
及川「 ……今日も来ないの? 」
岩泉「 ……及川」
及川「 なに、岩ちゃん」
岩泉「 もう、待たなくていい」
及川「 ……え? 」
岩泉「 あいつはもう、来ねぇよ」
その言葉の意味を、
すぐには理解できなかった。
いや。
本当は、理解したくなかった。
今年の夏。
ららが笑って言った。
『 来年も、一緒に花火見ようね 』
あれは約束だった。
俺にとっては。
でも――
あいつにとっては、最後の約束だった。
及川「 ……俺、言ってないんだけど 」
岩泉「 ……何をだよ」
及川「 好きって」
返事はない。
空いた席も。
もう、あの笑顔も。
及川「 ……来年も、
一緒に見たかったなぁ 」
春の風が、静かに教室を通り抜ける。
私の最後の夏休みは、
及川さんにとっても、
きっと忘れられない夏になった。
____________________________________
後書き
ここまで読んでくださり、
ありがとうございました !!♪
今回は、両片思い×最後の夏を
テーマに書いてみました。
「また今度」がもう来ないと
知っていたららと、
最後までそれを知らなかった
及川さん。
二人の切なさや対比が
少しでも伝わっていたら嬉しいです。
また 私 が 凄く 久しぶり に 書いたので
少し 変 部分 が あるかも 知れませんが
多め に 見てください 。
最後まで読んでくださり、
ありがとうございました🪄︎︎☆
コメント
1件
おおお…! これマジで泣いた😭💔 夏の終わりと約束の切なさが詰まりすぎてる〜〜! ららが「言ったら忘れられなくなる」って想いを飲み込むとこ、胸がぎゅってなったよ…。及川さんの「好きって言ってない」も、もう届かないのにって思うと余計に切ない!! 最後の花火のシーンがずっと脳裏に焼きついてる…。両片思いのまま終わったのが、逆にリアルでエモすぎるよ…! めっちゃ好きな作品に出会えて嬉しいです、ありがとうございます🌸✨ 続きとか番外編とかあったらめっちゃ読みたい……!!