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時は経ち俺は高校1年になった。
空手は18歳以下の大会で三冠を手にする程強くなった。
空手を始めた時なんでも出来る気がしてやってみるとほとんど出来た。
これにはコーチの先生も驚いたのか「素晴らしい才能だ」と言ってわずか10歳で大会に出た。
優勝は逃したが2位になった。
まさか自身もこんなにできるとはさすがに思っていなくてコーチよりも驚いていた自信がある。
音楽の方も順調だった。
母さんが毒親になるのではと思ったが案外普通に優しく教えてくれた。
もっとガチで来るかと思ったと伝えたら「もちろんガチで教えてるけど、押し付けるのは絶対だめだって分かってるから嫌ならすぐ言ってね」と言われた。
母の優しさに泣きそうになる。
音楽において俺はヴァイオリンをやる事が多い。
母さんがピアノで俺がヴァイオリンをしてコンサートや大会に出る事が増えたのだ。
もちろん母さんはピアノが1番上手いからというのもあるが俺が個人的にヴァイオリンを弾くのが好きなのだ。
個人の大会では三冠まではいかずとも何回か最優秀賞をとったことはある。
「ほんと天火は天才ね、すぐに何でも出来る」
「母さんや周りの人の教え方が上手なんだよ」
「ふふっありがとう」
「天火は勉強も出来るしな」
父さんからはちょっとした英語を教えて貰っている。
父さんは近くの大学の教授で英語を担当している。
なのでたまに家族で海外に旅行に行ったりして教えてもらったり時々日常会話を英語にしたりしている。
いや、前世に比べて今世の俺のスペックが高すぎる。
これならキャラをみんな救えるかもしれない。
そうと決まればすぐ行動だな。
少し歩くとバイク屋さんが見えてきた。
ここはあの真一郎君がやっているバイク屋だ。
もうすぐマイキーの誕生日だしあの二人が強盗しにやってくるだろう、その前に電話で止めてやる。
看板に書いてある電話番号をメモしすぐに帰る。
俺はモブ。
キャラに関わらず生きていくのが正解だ。
そうして俺はその日が来るまで待った。
ようやくその日がやってきた。
俺は母さんが出かけているすきに電話をかける。
『はい、お電話ありがとうございます』
「あの、バイク屋の真一郎さんでしょうか?」
『え、あぁ、そうです』
真一郎君って敬語こんな感じなんだな。
『?あの…』
「あ、あぁすいません」
いけない、早く伝えなければ。
「今日公園で子供二人があなたのお店のバイクを盗むって話をしていたんです」
『ええ?!』
「多分小学生位の子達でした、でも念の為ヘルメットを被っておいて下さい」
『え、あの』
「それだけです!」
そういい俺は電話を切った。
はぁ、めっちゃ緊張した。
まだ終わってないぞ俺。
次は佐野家だ。
マイキーの家は俺の家からそんなに遠くなく歩いて10分位の距離にある。
なのですぐに道場の電話番号を暗記した。
俺はまた電話をかけた。
『はい、佐野ですけど』
この気だるげな感じ絶対マイキーだ!!
会話できるなんて!
『?』
はっ、マイキーが困ってる早く言わなきゃ!
「あの、真一郎さんのお宅でしょうか?」
『あ?真一郎?そうだけど』
「あの!今日公園で男の子二人が真一郎さんのお店のバイク盗むって言ってて」
『はぁ?』
「気をつけて下さい!それだけです!じゃあ!」
『は?おい!?』
俺は緊張のあまりまた電話を切った。
怖ぇし緊張で腰抜けそう。
これで多分大丈夫なはずだ。
真一郎君は分からないけどマイキーはなかなかのブラコンだし絶対お店に行く。
そうすれば場地君と一虎君は盗め無いだろう。
俺はそう信じて1日を終えた。
次の日、ニュースには何も情報は無かった。
多分大丈夫だったんだろう。
小学生の殺人事件なんて絶対ニュース確定だからな。
俺はやりきった気持ちで高校へ向かった。