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「はぁ、」
俺、、いや、私は大きくため息を着いていた
何故かって?
時は昨日まだ私は男だった。
私こと原井碧生(はらい あおい)は祝日に暇を持て余していた。
「暇だなぁ、、」
日頃友達と遊ぶが今日は日程が合わなかった。親は今日親戚の用事でおらず自分一人だけが家に取り残されていた。
「あれ、今日は本屋空いてたっけな」
ふと考えついたのは本屋に行くことだった。
最近ハマリの漫画の続編を見てないことを思い出したのだ。
暇を持て余していた碧生は早速借りに行くことにした。
「あ〜、天気良すぎなぁ」
友達と遊ぶ時は普通家の中でゲームをするので日中の強い日差しを浴びることに慣れていなかった。
「まぁいいか、、こういう日もたまにはいいな」
碧生は早速本屋に向かった。
いつもとは、少し違う木漏れ日が美しい細道を歩いた。車1つと人が2人歩ける程度の道だ。
ふと目の前に黒塗りの車が止まった。
普通、事件系のドラマや小説ではこういう所に止まったら人をさらって行くのが定番だ、だが、さすがにそんなにテンプレな誘拐、まさか、目の前で起こるとは思わなかった。
ましてや自分が誘拐される側だとは。
「ええ、ええ!?」
ほんとに車の中から男が数人出てきて自分を拘束した。
そしてその中の1人が自分の口に小袋1杯分の粉を無理やり入れてきた。
「ゲホッ」
さすがに無理やり入れてきたのでむせ返った。
だが口を閉じられた。
もう今起きてることに理解が追いつかず息も出来なかった。
もう諦めて飲み込んだ。
変な甘さと苦味がする。
男たちは車に乗り逃げて行った。
「は!」
私は起き上がった。
もう夕暮れ時だった。
「あれ?何してたんだっけ俺」
理解は追いつかないがとりあえず家に帰る他なかった。
「はぁ、ほんとに何してたんだっけ」
必死に頭を回転させながら考えていた。
「あ、トイレ行かなきゃ」
記憶はないが尿意は来る、いやそれ以前に生理現象だろう。
私はトイレの中で違和感を覚えた。
今まで気づかなかったが下半身に着いてるはずの竿が無くなっていた。
「は?」
そりゃ普通の人ならこんな声をあげるだろう。
パニックだった。
だが出している途中で動くことなど出来ない。
とりあえず終わってから考えた。
一応下半身を再確認したが逆に女性のものになっていた。
一応性知識は中学校で学んだのである程度分かるがまさか、自分が女になるなんて思わなかった。
いや、普通に思わないだろう。
まず鏡を見た。
「なんか肉付き変わった?」
鼻は小さく高くなり、目は大きく、顔は全体的に小さく身長も低くなっていた。
「なんか心做しか髪も長くなってる声も高く、」
とりあえずその日は両親が帰ってくるのは遅いので適当にご飯を食べて寝た。
そして今に至る。
寝たらなんか記憶が思い出せた気がする。
ただこんなこと警察に言っても相手にして貰えないと思う。
ていうかまず、親になんて言おう。
今、真下のリビングに居るんだけどこんなこと言って変人だと思われたら元も子もない。
「くそっ!」
「言おう言おうそうしよう!」
半分焼きになりながらも、言うことを決めた。
足が重い。
階段をゆっくり降りながらリビングに降りた。
「おはよう」
「あら、おはよう今日は遅いわね声が変よ」
「う、うん」
リビングには母親しかいなかった。
そして私は息を飲んだ
「あの、、少しお話があるんだけど」
「ん?なにかしら」
「あ、、あの、、」
親の前でこんなに言葉が出ないのは初めてだ。
「俺、、」
「女の子になっちゃったんだよね」
「はい?」
「だから、、」
「女の子になったんだよね(小声)」
「……え?」
少し間が空いたその間は心臓の音がいつもの10倍ぐらいで聞こえた
「いや、ちょっと説明させて」
「う、うん」
「昨日、、本屋行こうとして」
「そして目が覚めたらこうなってた」
「こうなってたって、、、」
「まぁ確かに少し顔は変わってる気がするわ後声も」
「証拠になるのはあそこぐらい、、」
「あらそう、、」
「と、とりあえず碧生を信じるわ」
「お父さんは?」
「今、タバコ買いに行ってるわ」
「そっか」
「とりあえずお父さんには内緒にしてくれる?」
「わ、分かったわ」
「それにしても、再度見ると女の子っぽいわね〜」
「そ、そう?」
「学校は?どうするの?」
「とりあえず教師にだけ言っておいてその後どうにかする」
「まぁまだ、名前が女の子にも適用するからそこら辺はいいかな」
「わかったわ」
「とりあえず部屋に戻るね」
「はーい」
「はぁ、、」
こんな状況でも冷静に対処している自分は女の子になるのに受け入れているのだろうか
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃい気をつけて」
いつもなら友達と学校に行くところだが今日は断った。
いつもより早く学校に行き先生に言うことにした。
〜学校〜
「おはようございます」
誰よりも早く職員室に出向き担任である若手女教師である中井 蓮花先生を呼んだ。
「すみません早くに、少しお話がありまして」
「なにかな?」
「ここじゃなくて人のいないところで話したいんですけど、、教材室なんかはダメですか?」
「まぁいいけど」
私は急いで中井先生と教材室に入った。
「で、何かしら、」
「中井先生俺の顔今どういう風に見えてますか?」
「んー、少し顔が小さくなって女の子っぽくなったわね」
「そうなんです!」
「?」
中井先生は少し困った顔を浮かべた。
「それで、話とは、」
「信じて貰えないと思うんですけど、俺、女の子になったんです。」
人生で初めてだこんな漫画でも言わなそうなセリフを言ったのは。
「ちょっと何言ってるか分からないわ、もしかしてからかってるの?」
「そうですよね、、そう思いますよね、、、」
私はズボンのベルトを解こうとした。
「え?何やってるの原井くん?」
ベルトを解きズボンを下げた
「きゃー!って、、え?」
「こうすればわかると思うんですけど、、」
「わ、わかったから早くあげて!」
「あ、すみません」
少し強行すぎたかもしれない1歩間違えればわいせつ行為だろう、、、いや、完全にわいせつ行為だ。
しかしこれが手っ取り早い手段だ。私はそう自分に言い聞かせて中井先生に話を続けた
「これで分かったと思うんですけど俺こと私は女の子になりました。」
「え?でも入学の時は男の子だった、、よね?」
「ちょっとかくかくしかじかで、、、」
「え、、へぇ」
微塵も信じていないような目でこちらを見ている
「まぁ信じなくてもいいって言うかそれは置いといて、少し勘違いされるのも嫌なので今のうちに言っておきました」
「ふぅ、良かった。朝から下半身見せつけられるこっちの身にもなってみなさいよ」
「す、すみません」
「まぁたしかに声も高くなったね身長も低くなった気がするし、ほんとに女の子みたい」
「ほんとですってー」
「アハハ、、、」
とりあえずトイレは出入りが少ない場所を使う事にした。
幸いなのがうちの学校は性に対して策を出しているので制服は女子でもズボンを履ける。
私はまだ高校1年生だから修学旅行はないけど1年生は山で宿泊会があるから、いつかバレるだろう。
身体に関しては喉が変とか誤魔化せるけどいつまで続けられるかは分からない。
とりあえず1週間は続けよう。
それまでにミングアウトの仕方を考えよう。
「はぁ」
ため息を着きながら席に座ろうとすると
「おーい」
という声と共に肩を軽く叩かれた
「ビクッ」
「どうしたんだよwちょっと課題見せてくれない?」
「うん、いいけど」
「せんきゅー」
「(はぁぁあ)」
とてもびっくりした。
「(今までなかったんだけどなぁ女の子になった弊害か)」
今まで意識してなかったが女子になると異性から叩かれたらビックリする。
自分が反応してるのではなく無意識になってると言うか。
「この調子で1週間かぁ」
〜家〜
「ただいまぁ」
「おかえり」
「あ、あれ?」
リビングの扉を開けるとそこにはお父さんが座っていた。
「会社は?」
「、、今日は休んだ」
「なんで?」
私は尋ねた
すると割り込むように母親が話に入ってきた
「私ねあの後お父さんに言ったのよ」
「え?」
私の疑問を聞き入れてないかのように話を続ける
「そしたらね家に帰ってきた息子、いや、娘と話がしたいって」
「そんな隠されるよりは真剣に話して真実を話してもらった方いいって会社を休んだのよ」
「あ、そうなんだ、、」
「そ、それでお父さんなんでこうなったかって言うt」
「もう知っている」
「そっか」
「お前はこのままでいいのか?」
いつもの堅苦しい父親は基本喋らないがこの時だけは違ったように感じた。
「なんで?」
「おまえはこのままだと色々と大変なことになるぞ」
「だから今のうち引越したりとk」
「いらない」
「もう、私はこのままでいい、友達もいるし、先生にも打ち明けてきた。今頃引っ越す理由なんてない」
私は久しぶりに父親に反抗した気分だった。
「そうか、、」
「分かった、困ったことがあればなんでも言え」
「うん!」
私はそのまま2階に上がって言った。
私は、1週間の間色んなことに慣れた。
男子への接し方、色々、もう今では完全に女の子だ。
もう慣れてしまって今ではカミングアウトする気などない。
もし胸が大きくなったらその時はもう言うしかないけど今のうちはまだ大丈夫だ。
身体のことはもうみんな慣れてしまったのか分からないけど何も無いように過ごしている。
しかし1週間もすればいろんな変わったことにに気づく。
例えば性格が優しくなったし字も少し綺麗になった気がする。髪はショート程度に収めている
私は、この一週間で色々変わってしまった。
でもそれでも楽しい。
私はこの事をカミングアウトする日は来るのだろうか、とりあえずはこのまま生きて見ようと思う。