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夜の端っこに、座り込むみたいな時間だった。
屋上は風が強いはずなのに、
今は不思議と、なにも動いていない。
ただ、街の光だけが遠くで瞬いている。
🥔「……来ると思った」
低い声が、先にあった。
フェンスにもたれたまま、彼――akは、振り返らない。
その横に、ひとつ小さな影が寄り添っている。
🍅「来るよ、そりゃ」
軽い声で返すと、
その影――prちゃんが、くすっと笑った。
🍅「だって、ほっとけないもんね」
その言い方はやさしいのに、
どこか全部見透かしているみたいで、少しだけ居心地が悪い。
akは何も言わない。
ただ、夜の向こうを見ている。
🍅「ここ、好きなの?」
聞いてみると、少し間があってから、
🥔「別に」
素っ気ない返事。
でも、その場から動かない時点で、答えはもう出ている気がした。
風が遅れて吹いた。
prちゃんの髪がふわっと揺れて、
そのまま、akの袖を軽く引く。
🍅「寒いでしょ」
🥔「平気」
即答。
でも、引かれた袖は、そのままにされている。
🍅「強がりだなあ」
楽しそうに言うprちゃん。
その声に、わずかにだけ、akの視線が落ちた。
ほんの一瞬。
それだけで、空気が変わる。
夜は、こういう小さなことで深くなる。
🥔「……なんで来たの」
ぽつりと落ちた問いは、どこか遅すぎる。
🥔「呼んでないのに」
🍅「呼んでるよ、顔が」
prちゃんが先に答えて、また笑う。
その無邪気さは、救いにもなるし、逃げ場もなくす。
akはため息をついた。
でも、それは拒絶じゃなくて、
どこか、あきらめに近い。
🥔「放っといてくれればいいのに」
そう言いながらも、
フェンスから体は離れない。
🍅「無理だよ」
今度は、はっきりと。
🍅「だって、ここにいるじゃん」
夜の上に、言葉が静かに積もる。
遠くの光が、ひとつ消えた。
気づく人なんて、いないくらいの変化。
でも、ここでは妙に大きく感じる。
prちゃんは、そっと距離を詰める。
akの隣に並んで、同じ景色を見る。
🍅「ね」
小さく呼ぶ。
返事はないけど、
聞いていないわけでもない。
🍅「朝になったらさ」
少しだけ、言葉を選ぶようにして、
🍅「また普通に戻るの?」
その問いに、今度はちゃんと沈黙があった。
長くて、深い、夜らしい沈黙。
やがて――
🥔「……戻るしかないだろ」
akの声は、低くて、揺れていない。
でも、その手元では、
さっきからずっと、袖を引かれたままだ。
🍅「そっか」
prちゃんは、それ以上なにも言わない。
ただ、そのまま離さない。
夜は優しい。
優しすぎて、
終わりが来ることを、忘れさせるくらいに。
風がまた吹いた。
今度は少しだけ冷たくて、
でも、どこか穏やかだった。
三人分の影が、屋上に長く伸びる。
朝は、きっと来る。
それでも――
今だけは、まだ、このままでいい気がした。
こげ丸
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