テラーノベル
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「献血」
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ある日。久しぶりにヘラった日。世の中が真っ暗に見えた。真夜中で、実際真っ暗ではあるけど。
ベッドに寝そべり、布団にくるまっている。
そして、立ち上がる。フラフラとした足取りで引き出しからカッターを取り出す。
刃を出し、腕に当てようとする。
「…だめだ…」
やろうと思ったけど怖かった。びびりなせいでできなかった。指先がぷるぷると震えていた。
「…やめよ。」
カッターを机に置き、スマホを手に取った。
布団に潜り、暗い中画面を見つめる。いわゆる、エゴサ。
病んでるせいでアンチコメントばかり目に入る。
「…ぐすっ、はぁ。」
天井と睨めっこ。スマホの光だけが部屋を照らしている。
午前4時。やっと寝ることができた。
浅い眠りにつく。目尻には雫が溜まったまま。
朝。午前8時。ゆっくりと瞼を上げる。眩しい日差しに目を細める。
起き上がり、立ち上がった。オフな服に着替える。外には出かけられるくらいの。
リビングへの階段を降りる。そうだ。献血に行こう。血も見れる。社会貢献にもなる。
そのまま玄関に向かい、靴を履いた。
「あれ、アキラじゃん!どっか行くん?」
「あぁ…少し」
「…ふーん。気をつけてな!」
返事をしないまま、扉を開けた。
「ちくっとしますよ」
「…っ」
看護師さんに血をとってもらう。何気にびりびりと電流が走るような鋭い痛み。我慢できるくらいではある。
どんどん取られていく真っ赤な血。匂いはしない。
「終わりましたよー。」
傷に絆創膏を貼られる。看護師さんには優しくしてもらえた。
「…ただいま」
がちゃりと音を立ててドアを開けた。
リビングには3人とも揃っていた。
「お!アキラ帰ってきた!ご飯できとるでー」
「おかえり凪ちゃん。」
「…早く食べよ!」
笑顔が眩しいくらいの3人の笑顔。声も明るくて幸せそう。
目の前には美味しそうなご飯。色とりどりの野菜やお肉。
「よし!いただきまーす!」
「いただきます」
一口いただくと、美味しさが口いっぱいに広がった。だんだんと心が回復してきている気がする。
「…でさ、アキラは朝からどこいっとったん?」
「ぇ…、まぁ、お、お店です…」
「へー…ところで凪ちゃん。どっか怪我してる?」
びくっと体が震えた。3人の視線が一気に集まる。
「アキラどっか怪我しとるん!?」
「手当ちゃんとした!?」
「は、はい…」
「ふふっ、凪ちゃん嘘下手すぎ。」
「…まぁ、察してはいたけど。」
「うん…アキラバレバレやって。」
バレていた。その事実に目を開く。クマが濃くついている目で、3人を見る。
「まぁ…リスカとかはしないってわかってるけど、何かしらしたよね。献血とか?」
図星。体が固張る。
「もう、ヘラったなら言ってよー」
「クマ、ついてる。」
鏡を差し出され、自分の顔が見えた。気力がなく。目の下に濃いクマがある。
醜い顔だな、と自分を責めた。
「凪ちゃん。なにでヘラったのかはわかんないけど、俺たちに相談してよ。そんなに信頼できない?」
「いや、ちがいます…」
「でしょ?そんなに自分責めないで。」
「ほらアキラ。ぎゅーする?」
たらいに手を広げられて誘われた。癒して欲しい気持ちが強くてすぐに飛び込んだ。たらいの服に顔を埋め、息を思いっきり吸う。
温かくて包まれている感じがした。
「…ありがと。」
「お、アキラが甘え出した。」
「うるさい」
「まぁまぁ、ヘラ凪ちゃんは俺らに甘えたいんだから。」
「…」
今までのもやもやが一気に晴れて、落ち着いた。
安堵と温かいのがあってうとうとしてきた。睡眠不足なのもあって睡魔が私を襲った。
「…あれ?アキラ眠い?」
「は、ぃ」
「おーおーまだ寝るなぁ」
「僕が運ぶから雲雀退いて。」
「は!?俺が運ぶ。」
「お前ハグしたじゃん。セラはアキラにめっちゃ話しかけたじゃん。僕何もしてないじゃん!!!」
「ひばりぃ。ここは譲ろう〜」
「くそ、わかったよ」
「いえーい!!!」
眠すぎて何も話を聞いていなかった。
そして気づかない間に私の体は浮いていて、奏斗にお姫様抱っこをされていた。
「寝室へレッツゴー!」
「…」
奏斗の笑顔を見て、こてんと奏斗の胸元に頭を傾けた。
「え、もう寝たんだけど。」
「クマすごかったし、睡眠不足でしょ。」
「うんうん!…はいどうぞ。」
「てんきゅ」
たらいが布団をよけ、そこに奏斗が私を下ろす。
布団をかぶされ、いびきもかかず静かに寝息だけが響く。
「…一緒に寝ていい?」
「は?俺が寝る。」
「いや僕ね。」
「はぁ!?お前さ__」
少し騒がしかったけど、ぐーすかぴーすか寝た。
翌日は過保護なくらいに私を心配していてしつこいくらいだった。
でも、それと同時に次からは3人を頼ろう、と心に決めた。
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おわり
リクエストやってないのがちでごめん。
とりあえず自分の好きなやつ
不穏なのとかだいっっっっすきでぇ…
まぁ今度こそリクエストだします
ばい
コメント
2件

初コメ失礼いたします 私もこういうの大好きです… 過保護な3人もてぇてぇ…好きです… 最高でした!
うわぁ…この話、胸がぎゅってなったよ😭💕 ヘラった時のどんより感とか、カッターを手に取ったけど怖くてやめちゃうところ、すごくリアルだった。でも献血に行くって発想、自分を傷つけずに済ませようとしたのが健気すぎる…。 家族にバレてたシーン、あたたかくて泣きそうになった。特に「ぎゅーする?」からの流れ、もう完全に心溶けた…! 次はちゃんと頼れるようになったアキラが見たいな。続き楽しみにしてるよ〜🌸💕
yhj√
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#ご本人様とは関係ありません
あざらし
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