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四つのパネルが、目の前で淡く揺らめく。 どれも強力な力を約束しているが……同時に、鎖のような重みも感じた。
(……深淵の竜は論外。狂気に蝕まれる未来が見える)
(悪魔のような炎の裁定者──力は申し分ないが、制約が厄介すぎる)
(策謀家は戦闘力が足りない。囚人は条件が不明)
俺は視線を落とし、静かに息を吐いた。
涼介「……契約はしない」
ドゲの笑みが固まる。
ドゲ「……は?」
涼介「他人に鎖をつけられる趣味はない」
場の空気が凍りつく。
周囲の生存者たちが、信じられないものを見る目で俺を見ている。
【観測者たちが騒然としています】
【一部の観測者が、あなたの自立心に感嘆しています】
【観測者《悪魔のような炎の裁定者》があなたの選択に困惑しています】
【観測者《静かに囁く策謀家》が愉快そうに笑っています】
次の瞬間、胸の奥に熱い衝動が芽生える。
それは、世界の理に刻み込まれる“物語”──説話だった。
【説話《鎖なき者》を達成しました】
内容:いかなる観測者の鎖にも繋がれず、自らの意思のみで生き延びようとする者。
効果:行動制約を受けないが、観測者からの支援は限定的になる。
(……これでいい。俺は俺の物語を歩む)