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俺の選択に、乗客たちの視線が集まっていた。 驚き、呆れ、そして一部の観測者のざわめきが、皮膚の裏まで響くように伝わってくる。
【観測者たちが騒然としています】
【一部の観測者が、あなたの自立心に感嘆しています】
【観測者《悪魔のような炎の裁定者》があなたの選択に困惑しています】
【観測者《静かに囁く策謀家》が愉快そうに笑っています】
その時、車内に電子音が響いた。
【メインシナリオ#1:生存の誓約 終了】
【生存者数:5】
【生存者一覧】
ユ・サンア(20代前半の女性)
カン・ヒョンソ(27歳/元軍人)
イ・ギリョン(小学生ほどの少年)
ハン・ミョンオ(40代/会社員)
ペク・リャンス(=白川涼介)
(……やはり赤城龍真は死んだか)
予想していたことだが、改めて数字で突き付けられると胸の奥が冷える。
この結果を喜ぶ観測者もいれば、露骨に不満を示す者もいた。
【観測者《深淵を覗く黒焔の竜》があなたへの敵意を増大させました】
【観測者《静かに囁く策謀家》が満足げに拍手しています】
【観測者《悪魔のような炎の裁定者》が沈黙しました】
精算ウィンドウが続けて開く。
【業績:生存者】 報酬:コイン+300
【追加業績:契約拒否】 報酬:コイン+200
【総獲得コイン:500】
(……使うか?)
一瞬だけステータスウィンドウを開くが、すぐに閉じた。
今ここで筋力や体力を上げても、次に何が来るか分からない。
限られたコインは、もっと確実に生き延びられる場面で使うべきだ。
(契約拒否で支援は減る。だからこそ、無駄遣いは命取りだ)
俺は数字を確認しながら、他の生存者たちの表情を観察する。
サンアは安堵と警戒が入り混じった顔、ヒョンソは冷静に周囲を見回していた。
ギリョンは目を見開き、ミョンオは何か言いたげに唇を動かしている。
ドゲ「いやぁ、思ったより生き残りましたね! これは観測者様方も退屈しませんよ」
軽く笑ったその声に、胸の奥で嫌な予感が膨らむ。
――この平穏は、長くは続かない。