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【注意事項】
・現ONE N’ ONLYメンバー(2025年3月 現在)
・高尾颯斗メイン
・ホラー
・TRPG(裏S区シナリオ)
※2chに投稿された裏S区を元としたTRPGシナリオのうちの一つ
・1部改変あり
・暴力描写有り
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『武道館前に飯食い行こ!!』
きっかけは哲汰が言った一言だった。その日はたまたま午前中に終わる仕事ばかりで満場一致で飲みに行く事にした。場所は直弥が決めたS区にあるちょっとオシャレな居酒屋だ。俺はその場所に時間もあるし…と歩いていくことにした。
それが後に後悔する。なんてことは、この時の俺は思っていなかった。
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「…え、ここどこ、?」
方向音痴では無いと思うけど、Googleマップの通りに進んでも一向にお店になんて着く気配がなかった。
【この先、300メートル先、右方向です。】
「言ったなGoogleマップ!?俺今お前しか信頼出来ないかんな、!?」
路地を抜け小道を進む。進みきったそこは明らかに山の中だけど、マップは真っ直ぐ山道を指していた。
「……行くしかないか。」
俺は山道を進んだ。辺りは段々と木の影で仄暗くなって来るのを感じる。虫も怖いし、お化けも嫌だ。もう全部出てきそうで怖い。そう思ったらなんだかこの道が怖くなってその場所を離れようと元来た道に戻ろうとしたその時。俺は足を踏み外してそのまま真っ逆さまに落ちていった。
─ こんな所で死ぬのか…? ─
─ まだSWAGとの約束も叶えられてないのに、 ─
俺は抗うことも出来ずに目をぎゅっ、と瞑って痛みを迎えた。
どさっ!
「ぃ”っ!……たくない、あれ、ここ…あ”っ、てかバッグどこ、!?」
死を覚悟して落ちたそこは民家にあるゴミ溜場。痛さなんて微塵もなくて助かるけど、手元に持っていたバッグやらなんやらはどこかに落としてきたらしい。幸いパスポートとかは持ってなかったから…なんて思ったけど全財産入った財布を落としたのはあまりにもデカすぎる。そして今いる場所だ。明らかに民家で不法侵入にしか見えない。そう心配になって俺は謝罪だけでもしようと体に着いた葉っぱやらなんやらを叩き落として正面の玄関へと回る。
「あのぉー…えっと…すみませーん。」
声をかけるも返答はなかったが、ガタン。と近くの小屋から物音がなった。
(こっちに誰かいんのかな、)
俺はその物音がなった小屋に足を進めた。懐かしいな、実家の周りもこんな感じで古めな家が多いんだよなぁ。そんなことを考えながら小屋の中を覗くと目の前には奇妙な箱がポツン、と鎮座していた。御札が箱一面にはられて何か怖いものを出さないように結界みたいに貼られてる呪符を見て怖くて仕方なくなる。
「ぇ…っ、なに…これ、やば、こわすぎ、むり、」
謝罪もできずにその場所を全力疾走する。こわい、何ここ。ほんとに東京?俺が知ってる東京じゃないぞここ。
─ぴりりっ、ぴりりっ、─
「んぎゃぁぁ!!…って、電話、!」
スマホの画面を見れば『哲汰』の文字が見え俺は慌てて電話に出る。
『お、出た出た。はやとー?今どこ居んの?みんなもう飯食い始めてるよ?』
「てっちゃん助けて迷子、」
『えぇ、迷子!?』
居酒屋特有のザワザワ音と共に哲汰の声を聞いたら何故か安心感と不気味感が全身を支配した。そういえば、ここの街はことが一つもない。こわい。余計に怖さが勝ってきた。
『颯斗今どこいんのかわかる?』
「えっと…うら…裏S区、?」
『はぁ?今俺らいるのS区だぞ?笑』
「いや、そうなんだけど、なんで…」
『颯斗、今お前裏S区居んの?』
「え、あ、居るけど…え、玲くん知ってんの?」
知ってるも何も…と玲くんは裏S区について教えてくれた。もうそれは10数年も前の✘✘年✘月✘日✘時頃。女子高生の誘拐事件があった。誘拐された少女の服装は✘✘高校のセーラー服に臙脂色のスカーフで……そんな事件があったのがこの裏S区らしい。
「…俺、もう帰れないのかな、」
『そんな訳ないだろ。俺らがそっち行くから、それ以上迷子になんなよ、』
「うん…って、あれ、?人が居る。」
どこの誰かもわからない人なのに、誰も居なかった街に唯一の希望の光って言えるくらいに安心した。俺はこの街から出る手がかりになるんじゃないかってその人の方に向かった。
「やべっ!たすかったわ!ちょっと出方聞いてみるわ!」
『え、その人大丈夫なの、?』
「大丈夫っしょ、なんか笑ってるし、陽気な人見っけたわ!」
『笑って…まて、颯斗。絶対に行くな、声掛ける前に全速力で逃げろ、』
「何言って…ただの陽気なお兄さんだ…よ、」
─ ギャハハハハッ!ギャハハハハッ! ─
顔は、声は笑っているのに目は笑ってない。こいつはおかしい、やばい。そう思った頃にはもう遅かった。
「ぐはっ…、!」
「もう大丈夫、今楽になるからなぁ?」
高く振り上げられた拳を思いっきり顔面で食らった。それからも鳩尾や腹を殴り続けられて意識がどんどん遠のいていく。
─ バンッ、ボゴッ、パチン、 ─
自分の体からなってる音とは思えないくらい乾いた音が響く。山縣に殴られてる時の愛之助ってこんな気持ちなのかよ。なんて、余計な事を考えるくらい頭は冷静なのに体は動かなかった。スマホからはメンバーの『はやと!』『はやと!』って何回も俺の名前を呼ぶ声が聞こえたけど、俺はそこで意識を手放した。
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目を覚ませばそこは真っ暗な部屋だった。いや、違う。頭から紙袋を被せさせられてるだけ?手も足も縛られて…。夢なら早く覚めてくれ。
─ ギャハハハハッ!大丈夫、もう✘✘✘は祓えるからな! ─
甲高い笑い声が徐々に聞こえてきて、目の前では1人の女の子が殴られている。女子高生くらいで、セーラー服で、臙脂色で…見れば見るほどさっき玲くんから聞いた容姿と酷似していた。大の大人の、それも男の俺が殴られてこんなに痛いんだ、あんな華奢でか弱そうな女の子があんなに殴られたら、もっと痛いに決まってる。
「ぁ?こいつ起きてん…ぞっ、!」
「オラッ、!」
近づいてきた男の1人を蹴り上げ紙袋を取る。頭を打ったらしくその場で悶え苦しんでる男を横目に手足の結束バンドを取りもう1人のタコ殴りにしていた男に、体当をして女の子を抱き上げる。
「ごめん、!もう少し我慢してて、!」
こくん、と僅かに頷く女の子は震えていて、大丈夫だから、と言わんばかりに強く抱き締め上の階へと駆け上がった。地上に出れば少しの抵抗の為に入口に近くにあったストーブを重石として乗っけてなるべく遠くの茂みへと隠れた。
「もう大丈夫だからね、」
頭に被せられた紙袋を取り手を縛っていたロープを外してあげる。女の子は今にも泣きそうな顔で「こわかった…、」と俺に抱き着いてきた。抱き締め返そうと思い手を広げるけど俺の手もぶるぶると震えていて、そこでやっと俺自身も怖かったんだな。と理解した。
「ゎ…わたし…やっとお家にかえれるんですね、」
スカートをギュッ、と握り目に涙をうかべる少女の顔を見て心底心が傷んだ。世の中にはこんなに無垢な少女を拉致監禁して、暴力を振るう大人が存在するんだ。俺はその子に向かって大人代表として謝ったけどその女の子はくしゃっと笑いながら「お兄さんが謝ることじゃないのに」と言ってくれた。この子はなんて強い子なんだろう。早く親御さんに会わせてあげたい。それに、なんかこの子楓弥に似てる。人懐っこそうでくしゃって笑う感じが。俺は無意識にもその子の頬を撫でた。
「ぁ…ぇっ…と…」
「…ぁ、ごめん、!まって、セクハラじゃない、!ほっぺ汚れてたから、その、!」
「…ふふっ、、、って、あれ、お兄さん腕怪我してるじゃないですか、!」
「あ…ホントだ、、」
殴られた時だろうか、それとも落ちた時だろうか。俺は腕を切っていて、服の上からでもわかるくらいには血が滲んでいた。大丈夫だから!って俺は笑ったけど女の子はスカーフを首から外して俺の右腕に巻き付けてくれた。
「学校で止血の方法を教えてもらったので…」
学校の授業も役に立つことがあるんですね。と幼く笑う彼女を見てやっぱり年相応な子なんだろうな、と関心を持ちながら自分の腕をみて、ありがと。と俺も笑って見せた。
「あ、そうだ。お兄さんお名前なんて言うんですか?」
「俺?俺は高尾颯斗っていいます。キミは?」
「えいこです。宮下えいこ。」
「え、!えいこっていうの!?」
「はい、?永久の永に子どもの子で永子です。」
「宮下…永子…。あははっ。俺の友達のあだ名?と同じじゃん笑」
俺は少しでも気を緩めさせようと森の中を拉致監禁されていた場所から遠くなるように歩きながら色々な話をした。その中で俺が永子ちゃんについて知ったのは、永子ちゃんは歌が好きでアイドルになりたいこと。勉強は苦手だけど絵を描くのが好きなこと。グミが好きで食べすぎてよく親に怒られること。なんだか段々とその子に兄心が芽生えて楽しそうに話すその子のために早くこんな場所からは出してあげたいと心から思った。
「颯斗くんはアイドルなんだね。通りでこんなにかっこいい訳だ…」
「永子ちゃんもアイドルになりたいんでしょ?じゃあ俺と同じステージにいつか立てるかもね!」
「確かに!私颯斗くんと同じ所で歌いたい!」
「んはっ。いいねぇ、まじこっから早く出て一緒に歌って踊るか!」
そんな楽しく笑っているのもつかの間、ガサガサと奥からもの音が聞こえた。刹那、居たぞ!!と叫ぶ声が聞こえて俺らは森の奥へ奥へと走った。
─ はぁ、はぁ、はぁ 。 ─
─ ガサッ、ガサガサッ、パキッ、ガサッ ─
俺らの息遣いと追いかけてくるために木々を掻き分ける音が聞こえてくる。心臓が爆発しそうなくらい痛い。
「俺の手、絶対離すなよ!」
「う、うん、!」
手をしっかり握り山の奥まで走り続け、次第に今どこを走っているのかすらも分からなくなってくる。ただひたすらに、その場所から逃げて永子ちゃんを家に帰えす事しか頭になかった。
─ グラっ、─
「…えっ、?」
俺は足を踏み外し崖へと一直線に落ちていく。永子は、?見えない、けど、走って逃げてくれているのか。分からない、怖い。次こそはホントに___
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─ ……と、!…ゃと、!…と、! ─
誰かが俺を呼ぶ声が聞こえる。懐かしくて、温かくて、いつも俺を呼んでくれる声…
「はやと、!!大丈夫か、!?」
「ッ…えい、く、?」
よかったぁぁっ、と泣きながら俺に抱きつく永玖。辺りを見渡せば警察とメンバーの姿があった。
「助かった…のか…?」
続々とメンバーが俺に抱き着いてぼろぼろの俺を心配してくれる。ぼろぼろ…あれ、このスカーフ…
「永子、!」
「ぐすっ…おれえいくだし、、」
「ちげぇーよお前じゃない、!高校生くらいの女の子もいませんでした、!??」
「いえ…周りには誰も居ませんでしたけど…?」
まずい、まさか俺が落ちたから永子ちゃんも止まってそのまま…。嫌な予感が募り俺は頭を抱えた。身体中が痛い、だけど永子ちゃんの事を置いていくことなんて出来ない。
「…近くに小屋はありませんでした?」
「ありましたけど、誰もいませんでしたよ、?」
「っ、地下は!?地下もちゃんと見ましたか、!」
「地下…、?」
俺は警察の人に案内され小屋にたどり着く。間違いない。俺らが監禁されていた小屋だ。中に入れば埃臭くて、至る所に草が生えていて明らかに廃墟と化していた。山のように積まれたものを片っ端からどければあの時閉めた扉と目が合う。ここだ、ここの中にまだ。俺は何故かそんな気がしてゆっくり扉を開けた。
─ ギィィ… ─
錆び付いた音を立てながら地下への扉が開く。1歩、また1歩足を進める度に乾いた音が響いて俺らが監禁されていた部屋へと歩みを進める。見覚えのある扉に手をかけ扉を開けばとんでもない腐敗臭がした。さっき閉じ込められた時はこんな匂いなんてしなかったのに…。警察から借りた懐中電灯を灯しながら部屋の中に入れば最初に見た御札の付いた箱と目が合う。
─ 私はここにいるよ。 ─
箱からそう言われた気がして俺は箱に歩みよる。
「颯斗…?なにして…え、?」
俺はそこにあった箱の御札をベリベリと剥がし始めた。着いてきてくれたメンバーと警察は目を丸くしてその場に立ち竦む。それもそうだろう。いきなり呪いの箱みたいな物の札を剥がし始めるんだから。怖いに決まってる。だけど俺は、この札を剥がす事も、この箱を開けることも、怖さなんて微塵も感じなかった。全ての御札を剥がし終えゆっくりと俺は箱を開けた。
「……ぇっ、、、?」
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あれから1週間、俺は取り調べやらなんやらでしばらく警察にお世話になった。あの時開けた箱の中には変わり果てた永子ちゃんの姿があった。死因は暴行による内臓破裂。死後10年以上立っていたから俺への容疑はすぐに晴れたけど俺の思いは曇ったままだった。そして今日は永子ちゃんの葬式に参加するためにS区に来ている。今日は歩きじゃなくて玲くんの運転で。俺はS区に行く道中に玲くんから裏S区についてあの時よりもっと詳しく教えてもらった。
「…裏S区には、嫌な風習が昔からあったらしいんだよ。病気とか霊障とか、全ての負のことは全て笑いながら殴れば解決するって風習があったんだ。そして宮下さんも犠牲者のうちの一人だったらしい。彼女は、学校で酷い虐めにあっていて『その卑しい心は悪霊に取りつかれてるからだ。』って誰かが言い出したことがきっかけで今回のことが起きたらしいんだ。まぁ、そんな裏S区はもう更地になってなんも無いはずなのに、なんで颯斗は行けたんだろうな。」
そう話す玲くんの横顔は複雑そうで、どこか悲しげな表情をしていた。
「きっと呼ばれたんだよ。永子ちゃん、アイドルになりたかったんだって。俺と一緒にアイドルしたいって言ってくれたんだ。」
「…そっか。じゃあ俺らは永子さんのためにも武道館、成功させないとな。」
「…だな。」
葬式場に着き変わり果てた永子ちゃんに手を合わせて最後のと別れをする。バイバイ、ではなくてまたね。って。来世はきっと、いや、ぜったいアイドルやろうな。そう彼女と約束した。永子ちゃんの両親にも挨拶して、止血してもらったスカーフを返そうとしたらこれは貴方が持っていてと渡された。こんなぽっと出のやつが持ってていいのかと思ったけど、両親には俺の話は伝わっているらしい。俺が永子ちゃんを見つけた話、夢を聞いた話、逃げた話、どれだけご両親に会いたかったかって話。全て余すことなく永子ちゃんの両親に伝えた。2人とも俺の話を馬鹿にせずに真っ直ぐに信じてくれたらしい。あの時救えなくてごめんなさい。俺がそう謝ったけど、
「貴方がみつけてくれたから永子は今私達の元に帰ってきてくれたのよ。」
なんて、俺の事まで気を使ってくれた。永子ちゃんの優しさはきっとお母さん譲りなんだな。
「見つけてくれてありがとう。君のお陰で永子もきっと救われたよ。それに、君が謝ることじゃないだろ?」
そう言いながら俺の方を叩いた。永子ちゃんの強さはきっとお父さん譲りだったんだな。
俺は永子ちゃんの両親の声に涙を流した。きっと俺が泣くのなんて場違いだと思う。だけど何故だか涙が止まらなかった。膝から崩れ落ちて嗚咽を零しながら号泣する俺の背中を永子ちゃんの両親は背中をさすってくれた。温かい。この温かさは永子ちゃんにも届いてくれたかな。
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「武道館オーラス、ぶちかましてこ!」
「「ッシャー!」」
「いくぜ」
「 「 「 ON’O!!! 」 」 」
円陣を組み士気を高める。そして、俺の右腕には臙脂色のスカーフが巻かれていた。永子ちゃんの思いも乗せて俺はこの武道館を成功させる。
─ いってらっしゃい。がんばってね、颯斗くん ─
背中を押すように永子ちゃんの声が聞こえた気がして、俺は臙脂色のスカーフに手を当てて目を瞑る。
頑張るよ。だから、永子ちゃんもこの俺の晴れ舞台を見守っててね ____.
「あ、はやちんおかえりー!!俺も武道館見に行きたかったーー!…って、はやちん、?」
「……ただいま。」
「……おかえり、お兄ちゃん。」
武道館は満員御礼で幕を下ろして、自分でも満足いった結果に終わった。それでも俺らはここでは終わらない。『始まり』に過ぎないのだ。俺は色んな人の思いを背負って、これからもONE N’ ONLYとして、1人のアイドルとして最前線を駆け抜けていこうと思った。
𝐞𝐧𝐝
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長いのを久しぶりに書きました。このシナリオが好きすぎてどうしても描きたくなったので、本当は自分で回しながらやろうかなって思ったんですけど過去に回した記憶を頼りに書かせていただきました!他におすすめのシナリオや怪異、洒落怖などなどリクエストお待ちしてます^^
他にも○○ × ✕✕が見たい!とか甘々がみたい!とか、なんでもお待ちしてますので!!
では、また次の作品で(^o^)