皆に僕を見て欲しかった
僕は人見知りで人と話せないが、呆れるほどの目立ちたがり
皆から来てくれれば、そのうち慣れて話せるようになるはず、!
その為には目立って目立って目立ちまくる
皆の記憶に僕という存在を焼き付けるんだ
でも僕にはこれといった特技はないし、人前では話せない
協力できる友達もいない、わざと無視されてるとかではないけど、あの子は1人の方が良さそうって思われてるのかも
上手に話せないから
それならどうすればいい?…わかんないや
そんなことを考えていると、チャイムが鳴った
取り敢えず早く帰って、おやつを食べながらまた考えよう
校門を出て走った
最近運動をしていなかったからだろうか、もうすぐ家だというところで足を挫いてしまった
痛い…この距離でも歩くのがきついくらい
仕方なく片足で跳ねながら帰った
荷物が揺れるたび、振動が足に伝わる
ちょっとの間不便だなぁ…
自分が思っていたよりも怪我は酷かったらしく、サポーターと松葉杖を持たされた
骨がちょっと欠けてたんだって
暫くはこのまま生活って言われて、すごく残念だった、
家族で遊園地に行く約束があったのに、延期になっちゃった
その朝学校に着くと、皆僕を見るや否やすごい勢いで寄ってきた
大丈夫?それどうしたの?杖?
沢山の言葉が頭を通る
すごい、すごいすごい!皆僕に注目してる!
そっか、こんな怪我珍しいから皆気になるんだ!
嬉しくて顔がにやけるのを抑えながら、僕は皆に説明した
勿論なかなか言葉が出なくて詰まりながらだし、そもそも声がすごく小さかったけど
皆しっかり聞いてくれた
初めてだ
でも、少しするとすぐ皆興味を失った
午後には完全にいつも通り
折角皆が注目してくれたのに
沢山心配してくれたのに…
ある日の図工の授業中、1人が指を切ってしまったらしい
皆その子に駆け寄って心配する
どうして?僕の怪我の方が酷かったのに
…
自分の手のひらを刺した
血が溢れる
皆あの子なんかそっちのけで僕に駆け寄る
だってほら、僕の方が可哀想
先生にはどうしてこうなったのか聞かれたけど、適当にはぐらかした
そんなのどうだっていいもんね
次の日手のひらに包帯を巻いて行ったら、また皆心配してくれた
気持ちがいい
皆が僕に注目して、僕を心配してくれる
これ以上幸せなことはないよ
次は腕を切る
その次は頬を
またその次は目を
目に見えるところは殆どぼろぼろになった
お母さんにも先生にも気をつけなさいって言われた
気をつけるも何も、自分でやってるんだけどね!
そんなことより、体調が悪くなったらまた心配してくれるかな
目に見えない傷つくれるのかな
調べてみよう!
薬を大量に飲んだ
ふわふわして楽しかった
暫くしたら目眩がして気持ち悪くなってきた
部屋で思いっきり吐いた
でもこれで
また皆僕に注目してくれる
沢山お見舞いに来てくれた
果物とかお菓子とか、いっぱい貰った
でも食べられない
あの後何度も薬をいっぱい飲むうちに、僕の体の内側もぼろぼろみたい
入院して、特定のものしか食べちゃ駄目って言われた
そんなの僕にとっては痛くも痒くもないけど!
次はどうしようかなぁ、骨が何本も折れたら皆心配してくれそう
そう思って、夜中こっそり抜け出して高いところに登った
こっから飛び降りたらきっと皆心配してくれる!
わくわくしながら地面に向かって落ちた
大成功!皆また心配で来てくれた!
今度は花束を貰ったよ、綺麗!
嬉しいなぁ次はどうしようかなぁ
考えているうちに、僕の体は別の場所に運ばれた
何処だろう、此処?
親戚の人がいる
僕の横たわった体を見てる
暫くして、僕の体は炎に包まれた
凄いや、また皆心配してくれるかも
それから僕はずっとお花をもらい続けた
僕がお礼を言っても、笑っても、皆何も返してくれなかったけど
コメント
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周りの人が悲しむような描写がないのは主人公に対して愛自体はなかったからです 結局一時的なものでした あと暇つぶしに書いたので誤字脱字意味不明文は見逃してくださいお願いします(早口)