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 ──国王陛下に謁見する日まで、あと数日に迫った夜。

 魂状態のジークフリート殿下が、ふわりと宙に浮かぶ。
 その半透明な人差し指と中指に嵌っているのは、2種類のリングだ。
 ベッドで眠る自身の身体へ殿下が入り込み、幽体と実体のリングたちが、ぴったり重なった直後──

 眠っていた殿下は、静かに目を覚ました。
 その胸元に、常に身に着けていたタリスマンはない。

「……やっと、成功です。殿下」

 連日の試行がついに終了し、ほっと息を吐いた。

「これで今後は、幽体になるのも実体に戻るのも自由自在か。ありがとう、シルヴィア」
「いえ、利便性は大切ですから」

 難なく起き上がれた殿下に笑い、私はテーブルの上を片付けた。
 テーブルの上の大きめのジュエリー****************************

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